お子さんの教科書を開いてみて、自分たちの子どもの頃とはまったく違うカラフルな色使いに驚いた経験を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。
技術の発達と共に視覚情報は年々多様化しており、私たちの身の回りのあらゆるものに、非常にたくさんの色が使用されています。ですが、この「色」によって困ることがある人が一定数いることを知っていますか?
色の見え方は、人によって異なります。ある人にとって見やすい、区別しやすい配色が、別の人にとっては区別するのに困難な、見づらい配色になっている場合があるのです。多様な色覚を考慮して配色を行い、できるだけすべての人に情報が等しく正確に伝わるよう配慮されたデザインを、「カラーユニバーサルデザイン」と言います。
教育の現場で子どもたちが毎日使う教科書は、視覚的な見えにくさ、わかりにくさによって学習につまずくことのないよう、誰にとっても見やすく、学びやすい工夫が求められます。現在では、各出版社が、カラーユニバーサルデザインに配慮した教科書づくりに取り組んでいます。