コラム

新学習指導要領【国語】現代国語・言語文化とは

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高校生向け教材コラム

2022年4月入学の高校生から、学習指導要領が新しい内容に変更されました。 学習指導要領は社会が求める資質や能力に合わせて約10年ごとに改訂をくり返されてきましたが、今回の改訂は教科・科目の大規模な見直しが行われたことで注目を集めています。 その影響は大学入学共通テストにも及んでおり、2025年度大学入学共通テストでは新しい学習指導要領の内容や考え方を反映した問題が出題されます。 今回は2022年度から施行されている新学習指導要領の国語について、 ・新しい科目で学ぶ内容 ・国語で学ぶ「読むこと」以外の資質・能力 ・大学入学共通テストにおける「国語」の変化 ・思考力・判断力・表現力等を問う問題と国語の関係 などについて解説します。

新しい科目ではどのような文章が取り扱われるのか

新学習指導要領における「国語」は、
・現代の国語
・言語文化
・論理国語
・文学国語
・国語表現
・古典探究
の6科目から構成されています。
今までの学習指導要領が定める国語の科目は取り扱う内容で分類し、
・国語総合
・国語表現
・現代文A
・現代文B
・古典A
・古典B
の6科目とされていました。

古典文学から近代以降の文章までを幅広く取り扱う「国語総合」が必修科目で、大学入学共通テストでも出題科目とされています。
これに対し、学びの目的で科目を再編したのが新学習指導要領です。
新学習指導要領では必修科目を、
・生きて働くために必要な国語の能力を身につけるための「現代の国語」
・日本の言語文化に対する理解を深めるための「言語文化」
の2科目に分け、この2科目を大学入学共通テストの出題科目としています。
さらに、「思考力・判断力・表現力等」における言葉の働きを捉える3つの側面、
・創造的・論理的思考
・感性・情緒
・他者とのコミュニケーション
をそれぞれ育成する科目として「論理国語」、「文学国語」、「国語表現」の3科目を新設し、「言語文化」で得た伝統的な言語文化に対する理解を深める科目として「古典探究」を新設しました。
各科目で取り扱う文章は、以下の通りです。
現代の国語:論理的な文章、実用的な文章
言語文化:上代(奈良時代ごろ)から近現代にかけての文学的な文章
論理国語:近代以降の論理的な文章や実用的な文章。いわゆる評論文
文学国語:近代以降の文学的な文章
古典探究:古典としての古文、漢文(日本漢文を含む)
「言語文化」で取り扱う文学的な文章は、小説、随筆、韻文(俳句や和歌など一定のリズムをもつ文章)、古文、漢文など、歴史的な作品から近現代の作品まで多種にわたります。

「文学国語」で取り扱う文学的な文章は近代以降の作品に限定されています。
感性や情緒の育成が目的であるため、小説、随筆、詩歌、脚本だけではなく演劇や映画などの作品も教材の対象となり、日本の言語文化に対する理解ではなく登場人物の心情や情景、表現などに着目した学習を行います。

また、「国語表現」は「話すこと・聞くこと」、「書くこと」の領域に特化しており、
・TPOに合った話し方
・合理性が伝わる説明の仕方
・考えが深まる話し合いの仕方
・実務的な文章の作り方
など、実際に意見を交換し合う場や社会に出てから言語活動を行う中で必要な資質や能力の育成を目指す内容になっています。

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文章を読むことにとどまらない国語

国語科の大規模な再編は、言語能力の確実な育成を目指して行われていました。

ここで求められている言語能力は
・語彙
・情報を的確に理解する力
・効果的な表現を考える力
の3つです。

特に「情報を的確に理解する力」の育成に力を入れており、新学習指導要領では「現代の国語」と「論理国語」の学習内容に「情報の扱い方に関する事項」という項目が新設されました。この「情報の扱い方に関する事項」では「情報と情報の関係」と「情報の整理」を学びます。

国語での「情報の扱い」で求められることは、文章から情報を読み取ることだけではありません。 例えば、取り扱う文章で主張されている事柄の根拠として図やグラフが用いられている時は、文章に書かれている情報と図やグラフから読み取れる情報を相互に関連付け、書かれている内容に妥当性があるかどうかを判断することが求められます。
また、1つの文章の中で完結せず、複数の文章から情報を取り出して整理し、まとめることも国語で情報を扱うと言うことです。

書かれていることを理解するだけではなく、情報を整理して関連付けたり、妥当性や正当性を考えたりすることで、より実生活に活かせる「読み取る力」が身につきます。

大学入試共通テストと論理国語

2022年4月入学の高校生から学習指導要領が変わることに伴い、2025年度大学入学者選抜から大学入学共通テストも大幅な変更が行われる予定です。

学習指導要領の定める必修科目が
・国語総合
から
・現代の国語
・言語文化
の2科目に分かれたことで、出題科目の書き方も、
・国語総合
から
・現代の国語
・言語文化
に分けて表記されています。

大問数は5問。
内訳は近代以降の文章が3問と古典が2問となっており、大問の追加に伴って試験時間が10分延長される以外には、今までの学習指導要領に合わせた内容と大きな差異は無いと思われます。

近代以降の文章では、論理的な文章、実用的な文章、文学的な文章が題材とされています。
出題科目としては論理的な文章と実用的な文章が「現代の国語」から、文学的な文章が「言語文化」から出題されていますが、論理的な文章と実用的な文章は「論理国語」の範囲でもあります。

大学入試センターが出した「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの 出題教科・科目の問題作成方針に関する検討の方向性について」によれば、2025年度の大学入学共通テスト「国語」の問題は多様な文章を扱い、
・目的や場面に応じて必要な情報と情報の関係を的確に理解する
・様々な文章の内容を理解する
・様々な文章の内容を適切に解釈する
等の言語活動における多様な資質・能力を評価することを問題作成の方針としています。

これらは「現代の国語」で身につけたのち、「論理国語」を通して伸ばす力です。
つまり、近代以降の文章で出題される論理的な文章、実用的な文章は「論理国語」を学ぶことで高得点を狙いやすくなります。

試作問題は、5問ある大問のうち第3問の問題が作られました。
配点20点で仮定され、第A問、第B問の2パターンが例示されています。
どちらのパターンにも共通することは、テーマに沿ったレポート作成という言語活動の場面が設定されていること。

第A問は「気候変動と人間の健康についてのレポートを作成する言語活動」についての問題で、
・異なる形式で与えられた情報の妥当性や差異を理解できるか
・図の内容や表現を文章と照らし合わせて多角的に検討し、理解・検討できるか
・複数の資料の情報から、主張の根拠が適切か、主張に信頼性があるか判断できるか
・レポート作成に向けて主旨の要点が理解できているか
・レポートの内容や論理展開を多角的に捉え、評価できるか
の5問で出来ていました。

第B問は「日本語独特の言葉遣いに関するレポートを作成する言語活動」についての問題で、
・資料を適切に解釈し、レポートの中で活用できているか
・複数の資料の情報を整理し、要旨を捉えることができるか
・複数の資料の要旨を適切に解釈することができるか
・内容や構成を多角的にたしかめ、書き手の意図が伝わる形を選べているか
の4問で出来ています。

一部「国語表現」にあたる適切に表現する力を見る問題もありますが、多くの問題ではこのように、いかに情報を整理し論理的に考えられるかという「論理国語」にあたる論理的思考や情報の扱いに関する資質や能力が問われていました。

思考力・判断力・表現力等を問う問題に対しての国語学習

思考力・判断力・表現力等を問う問題に対しての国語学習

思考力・判断力・表現力等は新学習指導要領でも大学入学共通テストでも重視されており、国語の中では「思考力・判断力・表現力等」における言葉の働きを捉える3つの側面
をそれぞれ育成する科目として「論理国語」、「文学国語」、「国語表現」が科目として新設されています。

また、他の教科の大学入学共通テストでも、「知識・理解」の問題だけではなく図やグラフ、説明文などの資料から情報を読み取る問題が出題されているように、論理的に思考したり、多角的に検討したり妥当性を判断し、書き手の意図が正しく伝わる表現を選ぶような思考力・判断力・表現力等を問う問題があります。

どの問題でも前提となるのは、
・各場面において適切に情報を読み取る各教科の知識・理解
・情報を的確に理解する能力
・論理的思考力
・場面に応じた表現力
です。
このうち「情報を的確に理解する能力」、「論理的思考力」、「場面に応じた表現力」は国語科の学習の中で育成する資質や能力に含まれていますので、国語科で求められる資質や能力を身に付けることは、すべての教科において思考力・判断力・表現力等を問う問題の対策をすることに繋がります。

まとめ

2022年4月から高校で施行されている新学習指導要領では、国語の科目が大幅に再編され、
・国語総合
・国語表現
・現代文A
・現代文B
・古典A
・古典B
の6科目から
・現代の国語
・言語文化
・論理国語
・文学国語
・国語表現
・古典探究
の6科目になりました。
特に「論理国語」は思考力・判断力・表現力等において論理的思考を育成する科目であり、文章だけではなく、図やグラフなどの資料と文章を関連付けて考えることや情報の扱い方についても学びます。

「論理国語」で育成する論理的思考は大学入学共通テストの思考力・判断力・表現力等を問う問題でも重要な能力であり、全教科で必須の資質・能力なので意欲的に学習し、習得できるように頑張りましょう。

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