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新学習指導要領【社会】新科目「公共」とは

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近年、急速なグローバル化やIT化の拡大、年々悪化する自然災害、生産年齢人口の減少など社会の状況は目まぐるしく変化しています。 変化が激しいこれからの時代を生きる力を養う科目として、新学習指導要領では高校の社会科目に「公共」という新しい教科が誕生しました。これまでの「現代社会」に代わる科目で、公民科目の中で必修となります。 それでは新科目「公共」は「現代社会」と比較して何が新しくなったのでしょうか。この記事では、新学習指導要領を読み解きながら、高校の「公共」について学習内容や目標、指導法などについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。

新設科目「公共」はどんな科目?

高校の社会科目は「地理歴史」と「公民」に分類されます。新学習指導要領において、地理歴史は「歴史総合」「地理総合」「日本史探求」「世界史探求」「地理探求」で構成。公民では「政治経済」「倫理」そして「公共」の3つが設定されました。これまでの公民では「現代社会」「政治経済」「倫理」で構成されていましたが、現代社会が廃止となり、新たに「公共」が仲間入りします。
また以前までの公民は、現代社会1科目または、政治経済と倫理2科目のどちらかが必修とされていました。しかし今後は公共が必修となり、そのうえで政治経済・倫理のどちらかを選択するという形となります。
なお、公共は1~2年生で履修しなければいけません。この大きな理由は選挙年齢及び成人年齢の引き下げです。これまでの公民の学習において、主体的に社会に参加する態度に欠ける点や、資料から情報を読み取って多角的に物事を判断するための教育が不十分である点が課題として挙げられていました。18歳から選挙権が与えられるようになり、早い段階から社会参画への関心を高める必要性が求められています。
新学習指導要領では「生きる力の育成」を大きなテーマとしたうえで、全科目を通して3つの目標を掲げています。それは、①学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」②実際の社会や生活で生きて働く「知能及び技能」③未知の状況でも対応できる「思考力、判断力、表現力など」です。これまでの、知識を詰め込む学習からさらに発展し、学んだ知識を社会づくりに活かせる学習へと変化します。
公共の目標は「人間と社会の在り方についての見方・考え方を働かせ、現代の諸課題を追求したり解決したりする活動を通して広い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質を育成すること」です。とりわけ社会科目はほかの科目と比べて、現実社会で起きている事象に直結する科目ともいえます。教えられえたことを覚えるだけでなく、「どうして世界でこのようなことが起きているのか」「この問題を解決するためには何が必要か」ということを生徒自身で考え、議論する力の育成が重要です。
教科書では「公共の扉」「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」「持続可能な社会づくりの主体となる私たち」という3つのテーマに沿って学習が進められていきます。ここでキーワードとなるのは「自立」「主体」「参画」です。「自立した大人になりなさい」とはよく言われる言葉ですが、自立とは果たしてどのような状態を指すのでしょうか。ここでいう自立は「自分1人だけの力で生きていくこと」を指すのではありません。自立して社会参画することは「孤立」ではなく、地域社会の一員として他者を尊重しながら協力し、当事者意識を持って社会の課題に取り組むことであるとされています。
公共では上記の目標を達成するために、まずは個人の尊重や民主主義、法の支配といった社会の基礎原理を学びます。そのうえで、法律の意義や地方自治、社会保障といったより具体的な内容について考え議論する、アクティブラーニングを交えた学習が行われる予定です。
加えて、中学校までの授業で行われる「道徳」との連携が求められています。他者の尊重や社会の発展を理解して人間の在り方を学ぶ場となる公共が、道徳と似た役割を担っているためです。中学校までの道徳の延長線として位置付けられていることも新科目公共の大きな特徴といえるでしょう。

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指導要領の多さから指導内容の取捨選択が必要か?

新学習指導要領の内容は膨大で、公民科目だけでも全243ページにも及びます。特に公共については、現代社会のときにはなかった細かな指示も新たに登場しました。たとえば、道徳教育に基づいた指導計画の作成、記述量の増大、専門家や関係機関との協力、資料から情報を読み取る力の育成、自分の意見を述べる力の育成などです。これまでの「知識を教える指導」とは異なり、「課題を考えて議論する」というアクティブラーニングが重要視され、グループワークや発表といった活動が多くなっていきます。それに伴い教員たちの負担も増えるでしょう。
公共では、A公共の扉、B自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち、C持続可能な社会づくりの主体となる私たちとテーマを設定。新学習指導要領では上記のテーマについてA→B→Cの順に学ぶよう指示されています。これは、Aで社会の仕組みについての基礎を学び、BではAの知識を活かしながら課題解決に向けた考察。CではA、Bを活かしたさらに踏み込んだ議論という具合にステップアップしていくよう組み立てているためです。
また、特定の分野だけに偏らないよう指導することも明記されており、網羅的に指導することが求められています。どのように授業を進めていくのかなどについては教育現場の様子を見ながら柔軟に対応していく必要があるかもしれません。

「現代社会」から何が増えたのか

現代社会と比べて学習内容はどのように変わったのでしょうか。まず、設定されているテーマを比較してみましょう。
現代社会では「私たちの生きる社会」「現代社会と人間としての在り方」「共に生きる社会を目指して」の3つが大きなテーマでした。現代社会や社会を作ってきた人間について理解を深める内容です。前述しましたが、新設された公共は、「公共の扉」「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」「持続可能な社会づくりの主体となる私たち」という3つのテーマで構成されました。タイトルで比較しても、公共のほうが社会についてより自分事として捉えている印象を受けます。具体的な学習内容については基本的に現代社会を引き継いでいるようです。
現代社会と公共を比較して、やはり大きく変わった点は学習に対する目標や指導法です。2つの学習指導要領を比較してみると、公共には現代社会にはなかった目標が複数追加されています。それは、資料や情報を調べて分析する力や課題解決に向けて考察する力、社会参画を視野に入れて物事を見る力などです。
公共は現代社会の学習内容を引き継ぎつつ、積極的な社会参画を促すための学習内容になったといえるでしょう。

「生徒が能動的に受ける授業の必要性」

新学習指導要領では、どの科目においても「生徒が能動的に受ける授業」が重要視されています。以前までの「テストで良い点を取るために教師が教えたことを覚える授業」とは性格が大きく変わりました。
能動的な授業へ変化した大きな理由の一つには選挙権年齢の引き下げがあります。若者の選挙投票率の低さは長い間嘆かれていました。10代、20代の政治離れを食い止めるために2015年から選挙年齢が20歳から18歳へと引き下げられ、高校生の社会参画が義務付けられました。とはいえ、諸外国では多くの国が選挙年齢を18歳に設定しており、グローバル社会に対応していくためにも必要な対応であったといえます。
昨今ではグローバル化が急速に進み、持続可能な社会を実現するためには日本のみならず世界規模まで視野を広げて物事を考える力が必要です。各地で深刻化する自然災害、終わらない紛争、エネルギー問題といった世界規模の課題に加え、日本では少子高齢化や社会福祉問題、安全保障問題などが急がれます。能動的な授業は、未来を創る若者に社会課題を自分事として受けとめさせ、深く関心を抱かせることができるかどうかが大きなポイントです。
また、課題について考えるためには情報収集能力も不可欠です。インターネットの普及により、膨大な情報がインターネットに出回り、だれもが日々大量の情報を得られる時代になりました。しかし、全てが正しい情報というわけではありません。フェイクニュースや不確かな情報が多く、必要な情報とそうでない情報を見分ける力が必要です。そのためには、統計や年鑑、白書、新聞、読み物、地図などについてだれが公表している情報なのか、信頼できる情報なのかを判断して適切に活用する力が求められます。したがって公共では情報収集能力や判断能力にも重点を置いて課題に取り組みます。
社会科目、特に公共での学びには一つの正しい答えはありません。もちろん覚えなければならない基礎知識や単語はありますが、「環境問題を解決するためにどうすればいいか」「戦争をなくすためにはどうすればいいか」などという問いに対して生徒それぞれの意見があるはずです。生徒同士がお互いの意見を尊重しあいながら議論し、これからの社会を自分たちで創っていくという意識付けが求められていくでしょう。

まとめ

新学習指導要領において、「現代社会」に変わる新たな科目として設定された「公共」。知識詰込み型の学習から生徒が主体的に学ぶ学習へと変化し、社会に参加する意義の理解や情報判断能力、課題解決力を培っていきます。 今の子どもたちが大人になる頃にはさらに社会は変化し、予測が難しい時代を一人ひとりが生き抜いていかなければなりません。これからの社会を築いていく力を養うために、公共の授業は非常に重要な役割を果たすでしょう。

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