【知られざる裏側】入試問題の「著作権」ってどうなっているの?過去問が「掲載不可」になる理由。

こんにちは、株式会社エデュコンです。
受験勉強に欠かせないものといえば「過去問(赤本などの過去問題集)」です。 志望校の対策をするために、誰もが一度は手に取ったことがあると思います。しかし、そのページをめくっていて、こんな表記を見たことはありませんか?「著作権の関係で、問題を掲載しておりません」 「この部分は省略します」せっかく対策しようと思ったのに、肝心の問題文が読めない……。 受験生にとっては残念な瞬間ですが、実はこれ、入試問題の「著作権」という非常にデリケートな問題が関係しているのです。今日は、意外と知られていない「入試問題と著作権」の複雑なルールについて解説します。
1. 入試問題にも「著作権」はあるの?
結論から言うと、あります。
入試問題、特に「国語(現代文)」や「英語(長文読解)」では、小説家や評論家の文章を引用して問題を作りますよね。 当然、その元の文章には著者の「著作権」が存在します。
では、なぜ入試で勝手に他人の文章を使えるのでしょうか?
実は、著作権法には「学校の入試で使うなら、著者の許可を取らなくてもいいよ(事後報告と補償金の支払いは必要)」という特例ルールがあるのです(著作権法第36条)。
入試前に「あなたの文章を使わせて」と連絡すると、そこから「〇〇大学でこの人の文章が出るらしい」と情報が漏れてしまうリスクがあります。 入試の公平性と秘密を守るために、試験当日までは許可なく使っても良いことになっているのです。
2. 「試験当日」と「過去問題集」は別物

問題になるのは、試験が終わった「後」のことです。
試験当日に問題を配るのは「特例」でOKでした。 しかし、それを「赤本」として出版したり、塾がWebサイトに掲載したり、予備校がテキストとして配ったりすることは、特例の範囲外になります。
これを「二次利用」と言います。
二次利用をする場合は、通常通り、著者(または出版社)に連絡をして、「あなたの文章を過去問題集に載せてもいいですか?」と許可を取り、掲載料を支払わなければなりません。
3. なぜ「掲載不可」が起きるのか?

ここで、冒頭の「掲載不可」の話に戻ります。 出版社や大学は、過去問を公開するために著者に利用許諾の申請を行います。
しかし、すべての著者がOKを出してくれるとは限りません。
・「私の作品を入試問題のように切り刻まれたくない」と断られるケース・連絡先がどうしても分からなかったケース ・海外の著者で、権利関係が複雑すぎて交渉が決裂したケース
特に、有名な小説家や、海外の新聞記事などは許諾が得られないことがあり、その結果、泣く泣く「この部分は著作権の関係で掲載できません」という処置(掲載不可)になるのです。
4. 教科によって違う著作権事情

実は、教科によって著作権のハードルは大きく異なります。
・国語・英語 もっとも大変です。小説、論説文、エッセイなど、他人の著作物の引用がメインとなるため、権利処理の嵐となります。
・数学・理科 比較的平和です。数式や自然科学の法則自体には著作権がないためです。ただし、問題文に特殊なイラストが使われていたり、科学雑誌の記事を引用していたりする場合は、許諾が必要になります。
・社会 地図や写真、統計データには著作権があります。「この写真は掲載NG」といったケースがよく発生します。
5. エデュコンのこだわり
私たちエデュコンが教材や模試を作成する際も、この「著作権処理」は避けて通れません。
「いい問題ができた!」と思っても、権利の許可が降りなければ世に出すことはできないからです。
・引用元の出典を正確に記録する・改変(文章の省略や書き換え)をする場合は、著者の意図を損なわないよう細心の注意を払う ・どうしても許可が取れない場合は代替の問題を用意する
地味な作業ですが、著者の権利を守り、同時に受験生に良質な問題を届けるために、私たちは法務的なチェックも徹底して行っています。
6. 著作権処理、代行いたします
ここまで読んで、「こんなに大変なのか……」と頭を抱えてしまった大学担当者様や教育関係者様もいらっしゃるかもしれません。 著者の連絡先を調べ、交渉し、許諾書を交わす。この作業は非常に手間がかかるうえ、専門知識が必要です。
そこで、株式会社エデュコンでは、著作権処理の代行サービスを行っています。
権利者の探索から申請、使用料の支払いまでワンストップで代行
長年の実績に基づく、正確でスムーズな交渉
対応が難しい海外の権利者との交渉も可能
「事務作業の負担を減らしたい」「申請漏れのリスクをなくしたい」という方は、ぜひ私たちプロにお任せください。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
入試問題の傾向分析から、最新の学習指導要領(情報Iなど)への対応まで、現場の声を反映した「使いやすく、効果の出る教材」づくりを徹底サポートしています。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。


















