一般教材・オリジナル教材コラム

【企業の探究学習】「会社説明」だけの出前授業は古い?学校が欲しい「問い」の作り方

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出前授業

「せっかく社員を派遣して、自社の歴史や製品の素晴らしさを説明したのに、生徒の反応が薄い」 「学校の先生から、『単なる会社説明なら、授業の枠は空けられない』と断られてしまった」

企業のCSR担当者や広報担当者の皆様から、近年このような相談が急増しています。数年前までは歓迎されていたはずの「出前授業」が、なぜ今、学校現場から敬遠され始めているのでしょうか。

その理由は、皆様のプログラムの質が落ちたからではありません。 学校教育の「ゴール」が、根本から変わってしまったからです。

かつての学校教育は、「先生(大人)が持っている正解を、生徒が効率よく覚えること」がゴールでした。このモデルにおいて、企業の専門知識を教える出前授業は「生きた知識」として歓迎されました。 しかし、現在の学習指導要領が目指すのは、「正解のない問いに対して、自ら考え、協働して最適解を導き出すこと」。いわゆる**「探究学習(アクティブ・ラーニング)」**への大転換です。

この新しいゲームルールの中で、一方的に情報を与えるだけの「会社説明」は、厳しい言い方をすれば「生徒の思考時間を奪うノイズ」とすら捉えられかねません。

今、学校が喉から手が出るほど欲しているのは、説明上手な講師ではありません。 生徒たちの脳に汗をかかせる、良質な「問い」なのです。

本記事では、企業の持っているリソース(課題・技術)を、学校が歓迎する「探究学習プログラム」へと変換するためのロジックと、具体的な設計手法について解説します。

なぜ、「会社説明」は教室で通用しなくなったのか

なぜ、「会社説明」は教室で通用しなくなったのか

まず、敵(課題)を知るために、学校現場で起きているパラダイムシフトを深く理解する必要があります。

「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ

2022年度からの高校の新学習指導要領実施に伴い、「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」へと名称が変わりました。 たった2文字の違いですが、ここには文部科学省の強烈なメッセージが込められています。

「学習」とは、既存の知識を学ぶニュアンスが含まれます。一方、「探究」とは、自ら問いを立て、情報を収集・分析し、まとめ、表現する一連のプロセスを指します。 先生方は今、生徒たちに「知識」を教えることよりも、「思考のプロセス」を経験させることに必死です。

学校が企業に求めている「リアルな素材」

先生たちが探究学習を進める上で、最も苦労していること。それは「探究のテーマ(種)」が見つからないことです。 教科書の中にある問題は、すでに誰かが答えを出したものです。しかし、探究学習では「まだ答えが出ていない問題」や「社会が直面しているリアルな葛藤」が必要です。

ここで、企業の出番が回ってきます。 企業は日々、正解のない市場で戦っています。「環境に配慮しながら、どうやって利益を出すか」「少子高齢化の中で、どうやってサービスを維持するか」。 こうした「企業が抱えるリアルな課題」こそが、学校にとって最高の教材なのです。 つまり、学校が企業に求めているのは「自社の成功事例(会社説明)」ではなく、「今まさに直面している葛藤(問い)」の共有なのです。

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良質な「問い」を作るための方程式

良質な「問い」を作るための方程式

では、具体的にどのような「問い」を投げかければ、生徒たちは主体的に動き出すのでしょうか。 悪い例と良い例を比較しながら、そのメカニズムを解説します。

Badな問い:「クイズ」で終わらせない

× 悪い例:「当社の年間食品廃棄量は何トンでしょうか?」

× 悪い例:「当社の開発した〇〇という技術の特徴は何でしょうか?」

これらは「問い」ではなく、単なる「クイズ」です。答えは一つしかありません。 生徒は「へー、すごい」「多いね」と感想を抱いて終わりです。思考は広がりませんし、議論も起きません。これは典型的な「知識伝達型」の発問です。

Goodな問い:「ジレンマ」を仕込む

○ 良い例:「食品ロスを減らすことと、お客様に豊富な品揃えを提供すること。この2つを両立させるには、どんな売り場を作ればいいだろうか?」

○ 良い例:「便利で安いプラスチック製品と、海洋汚染問題。私たちが明日から開発すべきは、どんな素材の、どんな製品だろうか?」

これらの問いには、唯一の正解がありません。 「品揃えを減らせばロスは減るが、お客様は満足しない」「プラスチックを全廃すれば、製品価格が跳ね上がる」。 あちらを立てればこちらが立たず。こうした「トレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)」や「ジレンマ(葛藤)」が含まれている問いこそが、良質な問いです。

生徒たちはグループで話し合います。 「値引きのタイミングを変えればいいのでは?」「いや、それだとブランドイメージが下がるよ」「じゃあ、予約販売限定にするのは?」 この試行錯誤のプロセスこそが、先生たちが求めている「探究」です。

ワークショップ設計の黄金比「Input 2 : Work 8」

ワークショップ設計の黄金比「Input 2 : Work 8」

「問い」ができたら、次は授業全体の構成(カリキュラム)を設計します。 企業担当者が陥りやすい罠は、「伝えたいことがありすぎて、説明時間が長くなる」ことです。

説明は10分でいい

50分の授業であれば、企業側からの説明(インプット)は長くても10分〜15分に留めるべきです。 残りの35分〜40分は、生徒同士のワーク(アウトプット)に充てます。

導入(5分):映像などで興味を引きつけ、本日のテーマを提示する。

インプット(10分):業界の現状と、直面している「課題(問い)」を提示する。企業の技術は、あくまで「解決のためのヒント」として紹介する。

ワーク(25分):グループでアイデアを出し合い、模造紙やタブレットにまとめる。

発表・講評(10分):生徒のアイデアに対し、企業のプロ視点でフィードバックを行う。

主役は「社員」ではなく「生徒」

この構成において、社員の役割は「ティーチャー(教える人)」から「ファシリテーター(伴走する人)」へと変わります。 生徒の議論が停滞した時にヒントを出したり、「面白い視点だね」と励ましたりする。 「会社説明」を聞かされるだけの受動的な時間から、自分たちのアイデアを企業の人に聞いてもらう能動的な時間へ。この転換が、生徒の目の色を変えます。

成功のカギを握る「ワークシート」の魔力

成功のカギを握る「ワークシート」の魔力

「問いを投げかけても、生徒がシーンとしてしまったらどうしよう」 そんな不安を解消する最強の武器が、「ワークシート」です。

思考の補助線(足場かけ)を作る

いきなり「解決策を考えよう!」と言っても、生徒は動き出せません。思考のステップを分解し、ワークシート上にガイドライン(補助線)を引いてあげることが重要です。

Step 1:現状の問題点を書き出してみよう(ブレーンストーミング)

Step 2:その中から、解決したい問題を1つ選ぼう(絞り込み)

Step 3:その問題を解決するためのアイデアを、「技術」と「人の意識」の2つの視点で考えよう(分類)

Step 4:私たちのチームの提案をまとめよう(構造化)

このように、空欄を埋めていけば自然と思考が深まるように設計されたワークシートがあれば、活発な議論が生まれます。 逆に言えば、ワークショップが盛り上がらない原因の9割は、このワークシートの設計ミス(丸投げ)にあります。

なぜ、自社で「探究プログラム」を作れないのか

なぜ、自社で「探究プログラム」を作れないのか

ここまで読んで、「理屈はわかった。じゃあ社内で作ってみよう」と思われたかもしれません。 しかし、多くの企業が内製化に挑戦し、そして失敗しています。そこには、企業の専門家だからこそ陥る「罠」があります。

「知識の呪縛」と発達段階のミスマッチ

社員の皆様は、その分野のプロフェッショナルです。だからこそ、「何がわからないか、わからない」という状態に陥りがちです。 「この程度の前提知識はあるだろう」「この用語は常識だろう」。 その感覚で作られた教材は、子供たちにとって難解すぎたり、逆に子供だましで退屈だったりします。

小学5年生と中学2年生では、抽象的思考のできる範囲が全く異なります。 「小学4年生なら、まだ『流通』という言葉は実感できないから、『お店に届くまで』と言い換えよう」。 「高校生なら、SDGsのきれいごとだけでなく、経済合理性との矛盾まで踏み込ませよう」。 こうした「発達段階に合わせた翻訳」は、教育心理学や現場経験がないと非常に困難です。

どうしても「宣伝」したくなる誘惑

社内で教材を作ると、どうしても各部署からの「あれも入れたい」「これも伝えたい」という要望が積み重なります。 結果として出来上がるのは、問いの時間が削られ、情報がてんこ盛りになった、ただの「分厚い会社案内」です。 学校が最も嫌う「宣伝臭」を消し、教育プログラムとしての純度を保つには、客観的な第三者の視点が必要不可欠です。

エデュコンが提供する「教育的翻訳」ソリューション

エデュコンが提供する「教育的翻訳」ソリューション

ここで、株式会社エデュコンの出番です。 私たちは、単なる編集プロダクションではありません。元教員、塾講師、予備校講師など、実際に教壇に立っていた「教えるプロ」が多数在籍する、教育コンテンツの専門集団です。

企業の皆様が持っている「高度な技術」や「熱い想い」を、学校現場で機能する「教材」へと変換する。私たちはそれを「教育的翻訳」と呼んでいます。

「正解のない問い」のプロによる設計

エデュコンは、思考力型入試や適性検査型入試(記述式テスト)の作問実績を豊富に持っています。 「答えが一つではないが、論理的に考えれば説得力のある解が導ける」。そんな絶妙な難易度の「問い」を設計する技術は、テスト制作で培ったノウハウそのものです。 貴社の事業課題をヒアリングし、子どもたちが「自分事」として捉えられる魅力的なテーマに落とし込みます。

「思考をガイドする」ワークシート開発

前述した「思考の補助線」となるワークシート制作は、エデュコンの最も得意とする分野です。 学習参考書やドリルの制作実績に基づき、生徒が迷わず、かつ深く考えられるようなフレームワークを紙面上で設計します。 また、先生用の「指導案(ファシリテーションガイド)」もあわせて制作するため、授業進行に不安のある先生や社員の方でも安心して授業を行えます。

「導入動画」による動機づけ

探究学習のスタートで最も重要な「興味喚起」。 エデュコンは社内スタジオと映像制作チームを持っているため、授業の冒頭で流す5分程度の「導入ムービー」もワンストップで制作可能です。 「このままだと地球はどうなる?」「この現場の課題を見てほしい」。 プロのナレーションと映像効果で、生徒の心を一瞬で掴み、スムーズに「問い」の世界へと誘います。

アナログとデジタルの融合

GIGAスクール構想に対応し、紙のワークシートだけでなく、タブレット上で思考を整理できるデジタル教材やアプリの開発も可能です。 模造紙と付箋を使うアナログな良さと、検索や発表が容易なデジタルの利便性。その両方を組み合わせた、現代的な授業スタイルをご提案します。

事例シミュレーション:ある食品メーカーの挑戦

事例シミュレーション:ある食品メーカーの挑戦

実際にエデュコンが介入することで、授業はどう変わるのか。ある食品メーカーの事例でシミュレーションしてみましょう。

【Before:自社制作】
タイトル:「〇〇食品のひみつ ~おいしさの工夫~」
内容:工場の製造ラインの動画を見せ、衛生管理や味へのこだわりを30分説明。最後に質疑応答。
生徒の反応:「へー、すごい」「お腹すいた」。感想文には「工場がきれいでした」と書かれるのみ。
学校の反応:「社会科見学の事前学習としてはいいですが、探究の時間には合いませんね」

【After:エデュコン制作】
タイトル:「未来の『食』を救え! ~賞味期限の壁に挑む~」
導入:世界で捨てられている食料の山と、飢餓に苦しむ人々の対比映像。「君たちが昨日残した給食はどこへ行く?」という問いかけ。
問い:「賞味期限を1日延ばすことができれば、廃棄量は〇トン減らせる。しかし、保存料を増やせば『自然な味』が失われる。君なら、技術でどう解決する?あるいは、売り方を変える?」
ワーク:開発チーム、営業チーム、広報チームに分かれ、タブレットで情報を調べながら解決策を議論。エデュコン制作のカード教材(技術カード、コストカード)を組み合わせてアイデアを練る。
生徒の反応:「保存料を使わずにパッケージを変えればいいんじゃない?」「でもそれだとコストが上がって売れないよ!」。白熱した議論が展開。
学校の反応:「これこそが求めていた探究学習です。ぜひ来年もお願いします」

まとめ:企業は「先生」ではなく「パートナー」になれ

「会社説明」を捨て、「問い」を投げかけること。 それは、企業が学校に対して「教えてあげる立場」から、「一緒に未来を考えるパートナー」へと降りていくことを意味します。

しかし、そのフラットな関係性こそが、Z世代・α世代の心に深く刺さります。 「この会社は、本気で社会を良くしようとしているんだ」 「自分たちの意見を聞いてくれる、かっこいい大人がいるんだ」

その信頼とリスペクトは、将来の採用活動やブランディングにおいて、何万回のCMにも勝る価値を持ちます。

先生が欲しがる授業を作り、生徒の瞳を輝かせ、企業の未来のファンを作る。 そんな「三方よし」の探究学習プログラムを、教育のプロフェッショナルであるエデュコンと共に作り上げませんか。

まずは、御社が抱えている「解決したい課題」をお聞かせください。それが、最高の教材になる種です。

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