入試問題制作・検証コラム
【作問・戦略】「入試問題は学校のラブレター」アドミッション・ポリシーを具現化する作問術
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はじめに:入試問題は「最初の教育活動」であり、究極のブランディングである
多くの学校関係者様が、入試広報に多大なリソースを割かれています。豪華なパンフレット、洗練されたWebサイト、熱のこもった学校説明会。しかし、受験生が最も真摯に、そして極限の集中力を持って貴校の「知性」と対話する時間は、他でもない試験当日の数時間です。
アドミッション・ポリシー(AP)に「自ら考える力」と掲げながら、出題が知識の再生(暗記)に終始していれば、受験生にメッセージは届きません。逆に、一問の設問から学校の教育理念が鮮烈に伝わったとき、受験生は「この学校で学びたい」と強く熱望します。
入試問題は、学校と志願者のマッチングを最適化するための、極めて純度の高いコミュニケーション・ツールであり、学校の「知のブランド」を証明するラブレターなのです。
抽象的な「求める生徒像」を、具体的な「設問形式」へ翻訳する技術

APに踊る「論理的思考力」「多角的な視点」「主体性」といった抽象的な言葉を、客観的に採点可能な「入試問題」へと落とし込むには、高度な編集的翻訳能力が求められます。
・「論理的思考力」の翻訳
プロセスの可視化 単に最終的な数値を求めさせるのではなく、「解法に至る思考の軌跡」を記述させる、あるいは国語において「傍線部の理由」を、本文中のAという要素とBという要素を、筆者の論理に従ってどう接続するかを問う。こうした設計により、結果だけでなく「思考の作法」を重んじる学校姿勢を伝えます。
・「多角的な視点」の翻訳
資料複合型への挑戦 一つのテーマ(例:AIの進歩)に対し、肯定的な論文、否定的なデータ、そして法的課題を論じた対談記事など、複数のテクストを提示します。それらの対立点や共通点を整理させた上で、自身の意見を論じさせる。これは「情報の真偽を見極め、自らの立ち位置を定める知性」を求めるという、極めて現代的なメッセージになります。
・「主体性・意欲」の翻訳
未学習事項へのアプローチ 教科書の範囲を超えた「初見の定義や公式」をリード文で与え、その場で理解して活用させる。これは、入学後に未知の課題に対して「自ら学ぼうとする姿勢」を測る、最高のアドミッション・テストとなります。
教科別・APを「一問」に宿らせるための深掘りアプローチ

私たちは、学校様との深いヒアリングを通じて、各教科の設問に「学校のアイデンティティ」を注入します。
【数学】数式に「探求の喜び」を込める
「基礎を大切にしつつ、粘り強く探求する生徒」を求める学校であれば、前半で正確な計算力を測り、後半では**「動的な思考」**を問います。 例えば、次のような図形と関数の融合問題において:
$$f(x) = \int_{0}^{a} |x - t| dt$$
数式を解くだけでなく、パラメータ $a$ の変化に伴うグラフの挙動を視覚的に理解させ、「なぜそうなるのか」という数理的背景を記述させます。これにより、貴校が数学を単なる暗記ではなく「事象を解析するツール」として教えていることを示します。
【国語】出典選びで「知の感度」を示す
国語の出典は、学校の「教養のスタンス」そのものです。「他者への共感と社会への関心」を重んじるなら、現代の芥川賞作家の繊細な心情描写や、鷲田清一氏のような「ケアの倫理」を論じる哲学的なエッセイを選定します。あえて議論を呼ぶような尖ったテーマをぶつけることで、生徒の思考の深さを測るとともに、学校の自由な校風をアピールすることも可能です。
【英語】「対話力」を文脈で設計する
「国際社会でリーダーシップを発揮する人材」を求めるなら、単なる旅行記や日常会話ではなく、The EconomistやTED Talksのスクリプトをリライトし、国際的な論争(SDGs、地政学的リスク、倫理観)を扱います。文脈から未知の単語の意味を類推させる設問は、実社会での「生きた英語力」を重視する学校姿勢を代弁します。
戦略的アセットとしての入試問題:ブランディングとミスマッチ防止

入試問題のクオリティは、塾や予備校、そして教育専門メディアの間で瞬時に共有され、アーカイブされます。
・「塾が勧めたくなる問題」の創出
「あの学校の問題は、解かせるだけで生徒の力が伸びる」「非常に良質で面白い」という評価が定着すれば、塾の先生方は自信を持って優秀な生徒に貴校を勧めます。入試問題そのものが、費用対効果の極めて高い「広告」として機能し始めるのです。
・入学後の「ミスマッチ」と「中退率」の低下
入試問題は、貴校の「授業のプレビュー」です。学校の授業スタイルや求める思考の深さに近い問題を出題することで、それを得意とする(=学校に合う)生徒を選抜できます。これは入学後の学習意欲の維持、ひいては満足度の向上と退学率の低下に直結する経営課題の解決策でもあります。
・難易度の「安定性」という信頼感
「昨年は簡単だったが、今年は極端に難化した」というブレは、受験生や保護者からの信頼を損なわせます。プロの作問チームは、過去の入試結果(平均点、標準偏差、識別指数)を科学的に分析し、APに基づいた「理想的な弁別能(実力差を正確に測る力)」を毎年一定の精度で維持します。
外部パートナーとしてのエデュコンが提供する「価値」

学校の先生方が、教育への情熱を抱えながらも、校務や部活動の多忙ゆえに過去問の踏襲や場当たり的な改変に甘んじてしまう現状を、私たちは数多く見てきました。エデュコンは、先生方の「教育理念」を「実務」として結実させるための、専門家集団です。
・APの徹底した「言語化」支援
貴校が目指す教育、育てたい生徒像を、作問の専門家がヒアリングを通じてシャープな設問案へと具体化します。
・「解なし・別解」を許さない厳密な校閲
学校の威信を傷つける出題ミスは、教員一人のチェックでは防ぎきれません。当社の多重検版体制が、貴校のブランドを守ります。
・採点基準(ルーブリック)の同時設計
特に記述問題において、誰が採点しても公平な結果が出る詳細な基準を提供。採点業務のスピードアップと公平性を両立させます。
「入試問題を、学校の未来を創る『知的投資』にしたい」とお考えの理事長様、校長様、教務部長様。 私たちエデュコンが、貴校の「ラブレター」を、未来の門下生の心に響き、知性を揺さぶる最高の一冊に仕上げるお手伝いをいたします。
株式会社エデュコン
【総合パンフレット】のご案内
デジタル教育コンテンツの市場拡大における取り組みや、エデュコンのビジネスモデル・事業領域などをまとめたパンフレットをダウンロードいただけます。

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