入試問題制作・検証コラム

【学校経営】少子化時代の入試広報戦略。受験生が「解きたくなる」問題が生む、志願者増の好循環

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学校経営・入試戦略
少子化時代の入試広報戦略。受験生が「解きたくなる」問題が生む、志願者増の好循環

日本の教育界は今、未曾有の荒波の中にあります。少子化の加速により、かつての「受験生を振り落とすための選抜」という入試のあり方は、もはや過去のものとなりました。定員割れのリスクが現実味を帯びる中、学校経営において最も重要な問いは、「いかにして、本校を第一志望とする熱意ある受験生を確保するか」に集約されています。

パンフレット、説明会、Web広告。あらゆる広報媒体が溢れる中で、実は多くの学校が見落としている「最強の広報ツール」があります。それが、「入試問題そのもの」です。

入試問題は、学校が受験生に送る「最初の教育活動」であり、貴校の知性と教育理念を凝縮した「ラブレター」です。受験生が試験会場で「この問題、面白い!」「この学校で、もっとこんな風に学びたい」と知的な興奮を覚えるとき、そこには志願者増へと向かう強力な好循環が生まれます。

今回は、受験生が「解きたくなる問題」がいかにして学校ブランドを創り出し、少子化を勝ち抜く経営戦略となるのか、そのメカニズムを深掘りします。

入試問題を「コスト」から「投資」へ。戦略的パラダイムシフト

入試問題を「コスト」から「投資」へ。戦略的パラダイムシフト

多くの学校において、入試問題作成は教員の「負担」であり、校務における「コスト」として捉えられがちです。しかし、戦略的な学校経営を行う理事長・校長層は、入試問題を「最良の生徒を獲得するための投資」と再定義しています。

広報媒体としての「試験問題」の圧倒的接触時間

一般的なパンフレットや動画広告の平均視聴・閲覧時間は、せいぜい数分から数十分です。一方で、入試当日の受験生は、貴校の作成した問題に対して、45分から60分という時間を、人生で最も高い集中力を持って向き合います。 この「高密度な対話の時間」を、単なる知識の確認作業で終わらせるのか、それとも貴校の教育の魅力を伝えるプレゼンテーションの場とするのか。その差が、後の第一志望率に決定的な影響を与えます。

塾・予備校という「インフルエンサー」への影響

入試問題の質を最もシビアに見ているのは、受験生本人以上に、塾や予備校の進路指導担当者です。 彼らは毎年、何百校もの過去問を分析しています。「あそこの学校の問題は、解かせるだけで生徒の知的好奇心が高まる」「出題意図が明確で、本当の意味で思考力を測っている」という評価が塾内で定着すれば、彼らは自信を持って「受ける価値のある学校」として貴校を推奨します。 入試問題そのものが、塾業界というインフルエンサーを動かす「キラーコンテンツ」となるのです。

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受験生が「解きたくなる」問題の正体:知的好奇心のスイッチをどこに置くか

受験生が「解きたくなる」問題の正体:知的好奇心のスイッチをどこに置くか

では、具体的にどのような問題が、受験生の心に火を付けるのでしょうか。私たちは、以下の3つの要素を組み込むことが、「解きたくなる問題」の条件であると考えています。

① 「日常」を「学問」に変える、身近な問いの立て方

受験生が塾で習った「解法パターン」を当てはめるだけの問題は、作業にはなっても「ワクワク」は生みません。 例えば、理科において「身近なガジェットの仕組み」や「地元の自然現象」をテーマにし、学んだ知識が現実の世界を読み解く力になることを実感させる構成です。 「あ、これ知ってる!」という親近感から始まり、「どうしてこうなるんだろう?」という驚きを経て、「自分の知識で説明できた!」という達成感へ導く。このプロセスが、受験生の「この学校なら、勉強が楽しくなりそうだ」という予感を生みます。

② 未学習事項への「知的な挑戦」を促す

アドミッション・ポリシー(AP)に「主体的な学び」を掲げる学校であれば、あえて教科書の範囲外にある「新しい定義」や「見慣れない数式」をリード文で提示します。 受験生はその場でルールを理解し、手持ちの知識と組み合わせて試行錯誤することを求められます。これは、単なる選抜ではなく「入学後の授業のシミュレーション」です。「難しかったけれど、最後まで考え抜くのが楽しかった」という感覚を抱かせる問題こそ、貴校が求める「伸び代のある生徒」を惹きつけます。

③ 複数の資料を編み直す「探究のプロセス」

現代の入試トレンドである「資料複合型」問題は、広報的にも有効です。 歴史の史料、現代の統計グラフ、そして架空の対話文を並べ、「異なる情報を組み合わせて一つの結論を導き出す」という探究的なプロセスを体験させます。これは、2025年度からの新課程入試(情報Iなどを含む)への対応力を示すと同時に、「本校では、変化の激しい時代を生き抜くための本質的な知性を育てる」という強力なブランドステートメントになります。

志願者増の好循環を生む「4つのステージ」

志願者増の好循環を生む「4つのステージ」

良質な入試問題が、具体的にどのようにして学校経営の安定(志願者増)に寄与するのか。そのメカニズムを4つのステージで解説します。

ステージ1:試験当日の「ブランド体験」の最大化

試験を終えた受験生が、正門を出る際に「あぁ、面白かった」「もっと考えたかった」という顔で保護者の元へ帰っていく。この光景自体が、最強の広報です。 保護者は、我が子の表情からその学校の教育の質を感じ取ります。SNSや口コミサイトでも「◯◯校の問題は、子供が解いていて一番楽しそうだった」という評価が広がります。

ステージ2:塾関係者による「レコメンド(推奨)」の強化

塾の先生が冬期講習や直前講習で貴校の過去問を扱う際、「この問題は良問だから、全員一度は解いておくように」と指導します。 「良問を出す学校」という評価は、塾内での偏差値表上の位置づけ以上の「信頼」を勝ち取ります。「偏差値が少し届かなくても、この学校の問題との相性が良いから挑戦してみよう」という、積極的な受験層を掘り起こすことに繋がります。

ステージ3:ミスマッチの解消と「入学満足度」の向上

APを具現化した問題を通じて入学した生徒は、貴校の授業スタイルや求める思考の深さに既に適応しています。 「こんなはずではなかった」というミスマッチによる退学を防ぐだけでなく、入学後の高い学習意欲を維持。これが数年後の「進学実績の向上」という、さらなる学校価値の向上に直結します。

ステージ4:教育機関としての「威信(プレステージ)」の確立

「毎年、一貫して質の高い問題を出し続ける」という姿勢は、教育界全体へのメッセージとなります。 他校が過去問の踏襲や場当たり的な改変に終始する中で、貴校だけが「生徒の知性をどう育てるか」という問いに真摯に向き合っていることが、入試問題を通じて可視化されます。これが、長期的なブランド力の源泉となります。

各教科における「戦略的作問」の実践例

各教科における「戦略的作問」の実践例

「解きたくなる問題」を具体的にどう作るか。各教科におけるエデュコンの知見を一部紹介します。

【国語】出典選びで「知の感度」をアピールする

国語の出典は、学校の「教養のレベル」を代弁します。 単なる定番教材ではなく、今、社会で議論されている最先端の論考や、現代の若者の心象を鋭く突く文芸作品を選定します。 「あ、今朝のニュースで見たテーマだ」「これ、気になっていた話題だ」という接点を作ることで、受験生を論理の世界へと引き込みます。

【数学】「計算」を「分析」へと昇華させる

計算の速さだけを競うのではなく、数理的なモデルを用いて身近な現象(感染症の広がり、SNSの拡散、スポーツの戦術など)を分析させる設計です。 「数学を学ぶと、世の中のこんなことが予測できるんだ」という感動を与えることで、理数教育に力を入れる学校としてのメッセージを伝えます。

2025年度入試の新機軸:「情報I」と「新課程」を広報の武器にする方法

2025年度入試の新機軸:「情報I」と「新課程」を広報の武器にする方法

2025年度(令和7年度)から大学入学共通テストに「情報I」が導入されたことは、中学・高校入試のあり方にも大きな影響を与えています。この変化を「負担」と捉えるか、自校の先進性をアピールする「武器」と捉えるかで、広報戦略の成否が分かれます。

「最先端の教育」を証明する情報科の作問

新設された「情報」の試験は、単なるPC操作の知識を問うものではありません。アルゴリズムを用いた問題解決や、データの客観的分析力が問われます。 学校独自入試において、質の高い情報の問題を作成・提示することは、「本校は新課程の意図を深く理解し、大学入試改革の先を見据えた指導を行っている」という強力な証左となります。 特に、DNCL(共通テスト手順記述標準言語)をベースにした論理的思考を問う設問は、STEM教育に力を入れる学校としてのプレステージを高めます。

教科横断型(融合型)問題による「探究力」の可視化

新課程が目指す「探究学習」の成果は、ペーパーテストでは測りにくいとされてきました。しかし、数学と理科、あるいは社会と情報を融合させた「合科型問題」を設計することで、貴校が育てる「多角的な視点」を具体的に受験生へ示すことが可能です。 「この学校の入試は、教科書を覚えるだけでは解けない。でも、日常の疑問を科学的に考える力があれば解ける」。こうした評価が、探究志向の強い保護者層(=教育熱心な層)を惹きつけます。

働き方改革と品質担保の両立:先生方の想いをプロが「形」にする協働モデル

働き方改革と品質担保の両立:先生方の想いをプロが「形」にする協働モデル

「解きたくなる問題」を作りたいという熱意はあっても、現場の先生方は疲弊しています。入試の質を高めながら、教員の負担を軽減する。この一見矛盾する課題を解決するのが、エデュコンとの協働モデルです。

「作問の属人化」が招く広報的リスク

特定のベテラン教員に作問を依存する「属人化」は、その教員の退職や異動によって入試の質が急落するというリスクを孕んでいます。 「昨年は良かったのに、今年は問題が標準的(あるいは不適切)になった」という評判は、塾業界で瞬時に広まります。私たちは、先生方の「教育理念」をヒアリングし、それを標準化された「仕様」として継承することで、永続的に質の高いメッセージを発信し続ける体制を構築します。

「再解答」という究極の安全弁

出題ミスは、学校が積み上げてきた広報努力を一瞬で無に帰す破壊力を持っています。 私たちは、作問者とは別の専門家が「完全初見の受験生」として問題を解く「再解答」フローを徹底しています。 「論理的に答えが一つに絞れるか」「別解の余地はないか」「統計データに誤りはないか」。この徹底した品質管理こそが、学校のブランドを守る「盾」となります。

経営層が知っておくべき「作問外注のROI」とリスクマネジメント

経営層が知っておくべき「作問外注のROI」とリスクマネジメント

「入試問題作成を外注するのはコストがかかる」——もしそうお考えであれば、その投資対効果(ROI)を再定義する必要があります。

コストではなく「機会損失の回避」と「ブランド加点」

・リスク回避
出題ミスによる謝罪、再試験、追加合格に伴う直接的コストと、信頼失墜による翌年以降の志願者減。

・広報効果
塾の先生や受験生の間で「良問を出す学校」として認知されることによる、広告宣伝費以上の志願者増効果。

・教員のリソース活用
数百時間に及ぶ作問・校正業務から解放された教員が、生徒の補習や進路指導、入試広報イベントに注力することで生まれる価値。

これらを総合的に評価すれば、プロによる作問支援は、学校経営における極めて健全で利回りの良い「投資」であることが分かります。

終わりに:10年後も「選ばれる学校」であり続けるために

少子化という不可逆な流れの中で、最後に生き残るのは「建学の精神」を、現代の受験生が理解できる形(=問題)で伝え続けられる学校です。

入試問題は、単に点数を付けて並べるためのツールではありません。 「私たちは、世界をこのように捉え、このような知性を持った君たちを待っている」 このメッセージが、一問一問の設問を通じて受験生の心に届いたとき、その受験生にとって貴校は「数ある学校の一つ」から「人生を預けたい唯一の場所」へと変わります。

私たちエデュコンは、貴校の教育の魂を、最高純度の「問い」へと昇華させるパートナーです。 単なる外注先ではなく、貴校のブランドを共創するチームとして、少子化時代を勝ち抜く最強の「ラブレター」を共に作り上げましょう。

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