小中の「総合的な学習の時間」が「探究」に──名称統一が示す、これからの学び
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2026年7月、文部科学省は、小学校・中学校の「総合的な学習の時間」を、高校と同じ「総合的な探究の時間」に名称を統一する方針を示しました。次期学習指導要領に向けた中央教育審議会(中教審)の議論の中で示されたもので、単なる呼び名の変更にとどまらない、これからの学びの方向性を映す動きです。本コラムでは、教育・教材制作の現場の視点から、その意味をやさしく読み解きます。
何が変わるのか──「学習」から「探究」へ

まず、今回示された方針を確認します。
小中の「総合的な学習の時間」を「探究」に
文部科学省は、次期学習指導要領を検討する中教審の作業部会で、小・中学校の「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」に改める方針を示しました。名称をそろえるだけでなく、小・中・高を通じて一貫した目標のもとで、探究の学びを深めていくことがねらいとされています。
高校はすでに「探究」
実は、高校ではすでに「総合的な探究の時間」という名称が使われています。2022年度から実施されている高校の学習指導要領で、「総合的な学習の時間」から改称されました。今回の方針は、この「探究」という考え方を、小・中学校にも広げてそろえるものといえます。
そもそも「探究」とは何か

「探究」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、その中身はシンプルです。
自分で課題を見つけ、調べ、まとめ、表現する
探究とは、身のまわりや社会の中から自分で問いを見つけ、情報を集めて整理・分析し、考えをまとめて表現する――この一連の学びを指します。与えられた答えを覚えるのではなく、自分で問いを立てて考え抜くところに特徴があります。
教科の枠を越えて、実社会とつなぐ
探究では、国語や理科、社会といった教科の枠を越えて、複数の見方を組み合わせて課題に取り組みます。地域の課題や環境、防災など、実社会とつながるテーマを扱うことも多く、学んだ知識を「使って考える」場になります。
なぜ小中高で「探究」にそろえるのか

名称を統一する背景には、学びを積み上げていくという発想があります。
12年間で、一貫して探究する力を
小学校から高校までの12年間を通じて、探究の学びを段階的に積み上げていく――そのために、名称と目標をそろえることが検討されています。小学校で芽生えた「調べて考える」姿勢が、中学・高校へと自然につながっていくことが期待されます。
これまでの成果を踏まえて
探究的な学びは、現行の学習指導要領でもすでに重視されてきました。その成果や課題を踏まえ、次の学習指導要領では、探究の質をさらに高めることがめざされています。名称の統一は、その方向性を分かりやすく示すものでもあります。
次期学習指導要領という大きな流れ
今回の方針は、より大きな見直しの一部です。
「主体的・対話的で深い学び」の延長線上に
近年の教育改革では、子どもが受け身で知識を覚えるのではなく、主体的に、仲間と対話しながら、深く学ぶことが重視されてきました。探究は、その考え方を体現する学びです。名称の統一は、こうした流れをいっそう明確にするものといえます。
これからの検討と見通し
次期学習指導要領は、中教審での議論を経て、今後まとめられていきます。実際に学校で使われるのは数年先(2030年代とされます)になる見込みで、これから具体的な内容が詰められていきます。決まったことと、これから決まることを、分けて見ていくことが大切です。
教育・教材の現場から見た意味
探究の広がりは、私たち教材・問題制作の現場にも関わります。
「答えのない問い」に向き合う学びを支える
探究では、一つの正解がない問いに向き合う場面が増えます。考える手がかりとなる資料、多様な視点を示す素材、話し合いや発表を助ける教材――。覚えるための教材だけでなく、「考えるための教材」がこれまで以上に求められます。
情報を集め、確かめる力とともに
探究では、たくさんの情報の中から必要なものを選び、確かめる力も欠かせません。情報活用能力を育てる教材や、調べ学習を支える素材は、探究の学びと相性のよい分野です。エデュコンも、こうした学びを支える教材づくりに取り組んでいます。
よくある質問(FAQ)
「総合的な学習の時間」はなくなるのですか?
なくなるわけではありません。小・中学校では、名称を「総合的な探究の時間」に改める方針が示されています。時間そのものが廃止されるのではなく、探究という考え方のもとで、学びを深めていく方向です。
いつから変わるのですか?
次期学習指導要領は中教審で議論されている段階で、実際に学校で使われるのは数年先(2030年代)になる見込みです。今後、具体的な内容やスケジュールが示されていきます。
家庭では何を意識すればよいですか?
日常の「なぜ?」を大切にし、子どもが自分で調べ、考える時間を尊重することが、探究の学びを支えます。答えをすぐに教えるより、一緒に考え、調べる姿勢が力になります。
まとめ
小・中学校の「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」に――。この名称の統一は、小・中・高を通じて一貫して「探究する力」を育てようという、これからの学びの方向性を映しています。自分で問いを立て、調べ、考え、表現する。教科を越えて、実社会とつなぐ。その学びを支えるために、教材の役割も「覚えるため」から「考えるため」へと広がっていきます。エデュコンは、教育の動向を見つめながら、探究の時代の学びを支える教材づくりに取り組んでいきます。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。





















