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編集者とは?

教材や書籍の制作を外注するとき、あなたの原稿や企画を実際に預かり、形にしていくのは「会社」ではなく、編集者というひとりの専門職です。
編集者とはどんな仕事をする人なのか。ライターや校正者と何が違うのか。良い編集者がつくと何が変わるのか——。教材制作の依頼を検討している方に向けて、発注先の中にいる「人」の仕事を解説します。

この章でわかること

  • 編集者という職業の定義と、本づくりでの仕事の中身
  • ライター・校正者との役割の違い
  • 良い編集者を見分ける 4 つの条件

編集者とは

全工程で品質と進行に
責任を持つ専門職

実は「編集」という行為自体は、誰もが毎日しています。会議のために資料から要点を選んで並べ替えるのも、旅行の写真を選んでアルバムにまとめるのも、広い意味では編集です。あふれる情報から必要なものを選び、順序を整え、受け手に届く形にすること——それが編集の本質です。これを職業として、本や教材という形あるものに対して行うのが編集者です。

編集者とは、企画から完成までの全工程で
内容の品質と制作の進行に責任を持つ人のこと。

読者の代理人として、本づくりを最後まで見届ける専門職です

原稿を書くのはライター、誤りを見つけるのは校正者、紙面を組むのは組版オペレーター。それぞれの専門家が関わるなかで、全体を見渡して「この本は読者の役に立つ形になっているか」を判断し続ける唯一の存在が編集者です。

書籍の編集者、雑誌の編集者、漫画の編集者、そして学習教材の編集者——扱う媒体によって仕事の色は変わりますが、「読者の代理人として品質に責任を持つ」という核はすべてに共通しています。

編集者は何をしているのか

教材制作を例に、本づくりの流れに沿って
各工程で編集者が何をし、発注者は何を相談・確認されるのかをたどります。

STEP 01

企画・構成 — 「何を、誰に、どう届けるか」を決める

編集者の仕事は原稿が届く前から始まります。発注者の目的(成績を上げたい、資格に受からせたい)と対象読者(学年・レベル)を聞き取り、目次と台割(ページ構成表)に落とし込みます。

この段階で発注者に確認されること: 教材の使用場面、対象読者のレベル、ページ数・仕様・予算の枠。

STEP 02

執筆者の選定・原稿依頼 — 「誰が書くか」で品質の半分が決まる

構成に合った書き手を選び、執筆要領(表記ルール・難易度基準・見本原稿)を整えて依頼します。書き手任せにせず、書き始める前にゴールをそろえるのが編集者の腕の見せどころです。

STEP 03

原稿整理 — 赤字を入れ、原稿を「読者のもの」にする

届いた原稿を読み込み、分かりにくい説明の改善、レベルの不揃いの調整、構成の組み替えを指示します。原稿に入れる修正指示を業界では「赤字」と呼びます。執筆者の意図を尊重しながら、読者にとっての分かりやすさを優先する——編集者がもっとも編集者らしい工程です。

STEP 04

図版指示・組版指定 — 紙面を設計する

「ここに図解を入れる」「この問題は見開きに収める」といった紙面の設計図を作り、デザイナーや組版オペレーターに渡します。教材では、解きやすさ・書き込みやすさまで含めて紙面を考えます。

STEP 05

校正・校閲の統括 — 誤りを世に出さない最後の砦

校正者による複数回のチェックを設計し、指摘の採否を最終判断します。教材なら解答の検算、用語の学年準拠、図と本文の食い違いまで検証の網をかけます。

この段階で発注者に確認されること: 固有名詞や社内表記など、発注者しか判断できない事項の照会。

STEP 06

入稿・校了 — 「これで刷ってよい」に責任を持つ

すべての修正が反映されたことを確認し、印刷用データを入稿します。「校了」(=これ以上直しなし)の判断を下すのは編集者です。ここでの見落としは刷り直しや回収に直結するため、最後まで緊張感の続く工程です。

こうして見ると、編集者とは工程の数だけ判断を重ねる仕事だと分かります。1 冊の教材の裏には、数百の判断があります。

編集者・ライター・校正者は
どう違うのか

制作の外注で
混同されやすい 3 つの職種

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職種役割責任の範囲
編集者 企画・構成、制作全体の統括 品質と進行の管理 成果物全体の品質・納期
ライター(執筆者) 構成に基づいて原稿を書く 担当した原稿の内容
校正者・校閲者 誤字脱字・表記・事実関係の誤りを指摘 指摘の正確さ(採否の判断は編集者)

たとえるなら、編集者は「監督」

ライターと校正者が「選手」、編集者は「監督」です。原稿だけが欲しいならライターに、誤りの検出だけが欲しいなら校正者に直接依頼できますが、完成品としての教材が欲しいなら、監督である編集者が必要になります。

良い編集者の条件 —
いないと何が起きるかで考える

編集者の価値は「不在時に起きること」を
考えると分かりやすい

01
RISK

読者目線が
ないと

執筆者には自明でも読者には難解な説明がそのまま残り、「正しいが伝わらない」教材になります。

02
RISK

正確性への執念が
ないと

解答の誤り・表記のゆれ・図と本文の食い違いが世に出ます。教材の誤植は正誤表や回収につながり、信頼を直接傷つけます。

03
RISK

段取り力が
ないと

執筆の遅れが校正を圧迫し、検証が不十分なまま入稿する悪循環に。納期崩壊の多くは初期の設計不足で起きます。

04
RISK

分野の知識が
ないと

内容の誤りに気づけず、執筆者への的確な指示も出せません。

裏を返せば、良い編集者の条件とは読者目線・正確性への執念・段取り力・分野の専門知識の 4 つです。

教材編集者という専門職

編集技術と教育の専門知識を
あわせ持つハイブリッドな職種

  • 学習指導要領の理解

    学年ごとに「教えてよい内容・用語・漢字」が定められており、1 行の例文にも準拠の判断が伴います。

  • 入試・試験の知識

    出題傾向や制度変更を踏まえなければ、対策教材は成立しません。最新動向を追い続けます。

  • 学齢別の語彙統制

    小学 3 年生に「概念」という言葉は使えるか。読者の発達段階に合わせた言葉選びが常に問われます。

  • 正答検証の徹底

    すべての問題を実際に解き、別解の有無まで検証します。答えの信頼性が教材の生命線だからです。

エデュコンに塾講師・予備校講師・学校教諭を経験した編集者が多く在籍しているのは、このためです。「教える現場でつまずきを見てきた人」が編集することで、机上では気づけない「使う人にとっての分かりやすさ」が教材に反映されます。

なお、編集者の仕事は紙の教材にとどまりません。映像授業なら「板書計画と語りの構成」、デジタル教材なら「画面遷移と出題ロジックの設計」というように、媒体が変わっても「学びやすい形に情報を編む」という編集の仕事は同じです。紙・映像・デジタルを横断して制作する現場では、媒体ごとの特性を踏まえて最適な見せ方を判断できる編集者の存在が、ますます重要になっています。

編集者と上手に仕事を進めるコツ —
発注者ができる 3 つのこと

教材づくりの成否は、
最初のやり取りでかなり決まります

01
TIPS

「誰が・いつ・何のために使うか」を
最初に伝える

仕様(ページ数や納期)よりも先に、使用場面を共有してください。「中3の夏期講習で、偏差値50前後の生徒が自習で使う」——この一文があるだけで、編集者は難易度・分量・解説の粒度を的確に設計できます。

02
TIPS

「こうなってほしくない」も
伝える

理想像だけでなく、過去の教材への不満(「解説が硬すぎた」「余白がなく書き込めなかった」)を伝えると、編集者は設計の判断基準として活用できます。ネガティブな情報ほど、実は編集者にとって価値があります。

03
TIPS

確認・フィードバックの
窓口と期日を決めておく

制作中、編集者からは発注者にしか答えられない照会が必ず発生します。社内の回答者と回答期限をあらかじめ決めておくだけで、制作スケジュールの安定度は大きく変わります。

いずれも特別な知識は不要です。編集者は「発注のプロ」ではない相手と仕事をすることに慣れていますから、分からないことは率直に聞いてしまうのが一番の近道です。

まとめ

編集者とは、本づくり・教材づくりの全工程で品質と進行に責任を持つ専門職です。制作の外注とは、突き詰めれば「信頼できる編集者に任せること」に他なりません。

エデュコンには、教える現場を知る教材編集の専門家が在籍しています。教材づくりをご検討の際は、ぜひ一度、編集者との無料相談をご利用ください。

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