編集プロダクションの仕事内容
編集プロダクションに依頼すると、具体的に何を任せられるのでしょうか。
この章では、教材制作を例に主な 7 つの業務を「発注者から見て何が返ってくるか」という視点で解説します。
この章でわかること
- 任せられる 7 つの業務の中身
- 「校正だけ」など工程単位の部分発注ができること
- 教材専門の編プロに求められる 4 つの要求水準
任せられる 7 つの業務
- 01
企画・構成設計
「こんな教材が欲しい」という要望を、目次・ページ数・難易度設計・仕様に落とし込みます。ぼんやりした構想の段階から相談でき、企画書と台割(ページ構成表)という形になって返ってきます。
- 02
執筆
構成に基づき、専門ライターや有識者が原稿を書き起こします。教材では教科ごとの専門知識と学習指導要領への準拠が必須で、執筆者の人選そのものが品質を左右します。執筆者の手配から原稿の完成までを任せられます。
- 03
編集
制作全体の司令塔です。原稿の内容・難易度・表現を整え、執筆者・校正者・組版担当をまとめ、スケジュールを管理します。発注者にとっては「窓口がひとつになる」ことを意味します。
- 04
校正・校閲
誤字脱字や表記の不統一を正す「校正」と、内容の事実関係や計算・正答の誤りを検証する「校閲」。教材では答えの誤りが致命傷になるため、複数の目による検証工程が組み込まれます。
- 05
図版・組版
グラフ・図解・イラストの作成(図版)と、文字や図を紙面に配置するレイアウト作業(組版)です。読みやすく学習効果の高い紙面に仕上がって返ってきます。
- 06
印刷用データの作成
印刷会社にそのまま渡せる完全データ(入稿データ)を作成します。デジタル教材であれば、配信形式に合わせたデータ書き出しまで対応します。
- 07
著作権処理
過去の入試問題や文学作品を教材に載せる際に必要な、著作権者への利用許諾の申請・管理です。教材制作では避けて通れない専門業務で、権利処理のリスクごと任せられます。
これら 7 つをすべて依頼することも、「校正・校閲だけ」「組版だけ」のように工程単位で依頼することも可能です。
教材専門の編集プロダクションは
何が違うのか
一般書籍にはない、
教材ならではの 4 つの要求水準
学習指導要領への
準拠
学年・教科ごとに「教えてよい内容・用語・漢字」が定められており、逸脱すれば教材として使えません。準拠判断のできる編集体制が必須です。
正答性の
担保
問題の答えが間違っていれば回収騒ぎになりかねません。解答・解説の検証に、一般書籍以上の工数をかけるのが教材編集の常識です。
学齢に応じた
語彙統制
小学生向けと高校生向けでは、使える言葉も漢字も説明の粒度も変わります。読者の発達段階に合わせた言葉選びが常に問われます。
入試情報の
鮮度
入試制度や出題傾向は毎年変わります。最新動向を追い続ける体制がなければ、対策教材は成立しません。
教材制作は「編集ができる」だけでは成立せず、教育の専門知識を持つ編集体制があって初めて品質が担保されます。



