TOP
学習教材制作
映像授業制作
デジタル教材制作
すべてのサービスから探す
ご検討サポート
業種別サービス
制作フロー
料金ガイド
お役立ち情報

お電話でのお問い合わせ

03-6447-5524

受付時間:平日 10:00〜18:00

コラム

英語は「精選」と「発信」へ──基盤語彙リスト、文法事項の焦点化、AI活用で変わる次期学習指導要領の外国語

カテゴリ

小学生向け教材コラム
中学生向け教材コラム
高校生向け教材コラム
「英語はこう変わる」「語彙・文法は精選、発信力の強化へ」。単語カードの束と吹き出しを描いたバナー

2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会が「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を取りまとめました。第2部の「外国語活動、外国語」の節は、AIで高精度の翻訳が手軽にできるようになった今、外国語を学ぶ意義を改めて問い直したうえで、語彙・文法・話題の精選、「言語活動」の2つの活動への再整理、発信力の強化、AIを含むデジタル学習基盤の活用といった方向を示しています。審議まとめは、パブリック・コメントを経て答申へと進む案の段階です。本コラムでは、小学校・中学校の英語を中心に、何が変わり、何が変わらないのかを本文に沿って整理し、教材づくりへの影響を考えます。

この記事の要点

  • 審議まとめは、AIで手軽に翻訳できる時代に外国語を学ぶ意義を問い直し、英語の目標を5つの領域別から資質・能力の3つの柱で示す形に改める方向を示した
  • 「言語活動」は、主に思考・判断・表現を育てる「コミュニケーション活動」と、主に知識・技能を育てる「支える活動」に整理し、往還させて一体的に育成する
  • 国が基盤語彙リストを作り教科書での使用を推奨するほか、中学校の文法事項の焦点化、「身近な社会的な話題」への見直しなど、内容を精選して難易度を適正化する
  • 発達の段階に応じたAIの適切な活用を学習指導要領に明記し、授業は生徒の理解に応じた英語で行うことを堅持。評価は引き続き5つの領域で行う方向

現行学習指導要領の成果と課題

CAN-DO形式の目標と、数字に表れた成果

現行の学習指導要領は、小中高で一貫した目標を実現するため、国際的な基準であるCEFR(欧州評議会が示す「ヨーロッパ共通言語参照枠」)を参照し、小中の英語の目標と高校の科目目標を5つの領域でCAN-DO形式で設定しました。審議まとめは、これによって「英語を使って何ができるようになるか」を意識した授業改善に一定の進捗があったと評価しています。学校種ごとに挙げられた成果は次のとおりです。

- 小学校:3・4年に「外国語活動」を導入して音声を中心に外国語に慣れ親しみ、5・6年の「外国語科」で段階的に「読むこと」「書くこと」を加える構成にした。学習指導要領実施状況調査(R4)では、4技能全てで相当数の児童が通過した問題が多く見られた。全学年で8割以上の児童が英語を学ぶ意欲が高く、中学生の「小学校での英語の授業が役に立った」という回答も前回改訂前より増えている
- 中学校:対話的な言語活動を重視し、授業は英語で行うことを基本とした。英語教育実施状況調査では、CEFR A1レベル相当以上の生徒の割合が32.2%(H25)から52.4%(R6)に増加し、学習指導要領実施状況調査でも同一問題の通過率が上がった問題が多い
- 高等学校:5領域を総合的に扱う「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」と、ディベートやディスカッション等で発信力を高める「論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」に科目を再構成。CEFR A2レベル相当以上の生徒の割合は31.0%(H25)から51.6%(R6)に増加

AI時代に、学ぶ意義と動機が揺らいでいる

一方で、課題として最初に挙げられたのは、AIの飛躍的な発展です。手軽に高精度の翻訳ができ、AIの活用が当たり前になる社会を前提に、外国語を学ぶ本質的意義を再定義する必要があるとしています。英語が「好き」な児童生徒や、将来英語を使いたいと考える生徒の割合が減るなど、英語を学ぶ動機が弱まっているという指摘にも触れています。

AIの活用そのものについても、学習指導要領等に位置付けられていないことが学校現場での活用格差を生み、外国語学習の「量」や「質」の差につながることが懸念されています。

語彙・文法の増加と、教科書の高度化

現行の学習指導要領では語彙数が大幅に増えた一方、指導すべき語彙の選定基準や具体的なリストが示されていないため、教科書ごとに扱う語彙にばらつきが生じています。特に中学校では、難易度の高い語彙が増え、小学校の既習語彙も読み書きできるようにすることが求められるため、指導や学習の負荷が上がっているという指摘があります。中学校で指導する文法事項も増え、教科書に難易度の高い用法が含まれるなど、内容が過度に高度化しているという指摘も記されています。

学校種ごとの課題と、校種間の接続

学校種ごとには、次のような課題が挙げられています。

- 小学校:一文を書き写す問題の正答率に学校間で差があるなど、「書くこと」に課題がある。「読むこと」「書くこと」について、児童が「興味・関心をもちにくい」「理解しにくい」と回答した教師が多く、教師も指導に難しさを感じている
- 中学校:経年変化分析調査(R3→R6の比較)のスコアが低下しており、コロナ禍の影響も考えられるものの、歯止めをかける必要がある。文法事項や語彙の増加、話題や活動の高度化で教科書の難易度が上がり、授業づくりが難しいという指摘がある
- 高等学校:「話すこと」「書くこと」の発信の領域に課題がある。発信を中心とするはずの「論理・表現」で、授業で英語を使う機会が十分に与えられていない実態がある

あわせて、教師が他校種の指導内容・方法や、接続のために重点を置いて指導すべき点を必ずしも理解・意識していないことなどから、段階的な指導と学校種間の円滑な接続が依然として課題になっている、としています。

はじめての教材制作もまずはお気軽にご相談ください

はじめての教材制作も
まずはお気軽に
ご相談ください

制作事例・料金表を無料でチェック

制作事例・料金表を無料でチェック

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介しています

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介

資料ダウンロード
見積もり・納期を無料で相談

見積もり・納期を無料で相談

オンラインで打合せをしながら
予算に応じたご提案をいたします

オンラインでの打合せや
予算に応じたご提案なら

無料相談申し込み

AI時代の意義を踏まえ、目標と「内容」を組み直す

外国語を学ぶ意義を2つの観点で整理

審議まとめは、AIに代替されるべきではない、人間が大切にすべき資質・能力の育成という観点から、外国語を学ぶ本質的意義を次の2つに整理し、見方・考え方、目標、内容に反映させるとしています。

- 言葉、文化、コミュニケーションへの深い理解を育むこと:多様な外国語を学び、外国語でコミュニケーションを図ることで、異なる言語・文化への理解や、母語・自国の文化のメタ認知が促される
- 自分の考えが磨かれて思考が深まるとともに、人間関係が豊かになること:外国語を介して多様な価値観を理解することなどで自分の考えの形成・整理が進み、多様な他者と直接意思疎通できるようになる

これに沿って、外国語の「見方・考え方」は、外国語及び外国語によるコミュニケーションを「文化の違いや社会及び相手との関わりに着目して捉え」、「多様な他者の考えを受け止めるとともに、表現等を工夫して自分の考えを伝え、相互理解を図ること」と整理する方向です。

内容面でも、多様性の包摂や多文化共生への理解のために多様な文化を理解すること、母語や自国の文化のメタ認知を促すために言語の違いなどを理解することを充実させるとしています。

「学びに向かう力」は4つの要素で

外国語の目標に示す「学びに向かう力」は、主要な要素と要素間の関係を分かりやすくするため、次の4つの要素に整理して記載するとしています。

- 外国語によるコミュニケーションなどへの興味・関心、伝えたい考え等の形成
- 他者との対話・協働を通して考えを広げ・深めようとする態度
- 自己イメージを持ち、自らを振り返りながら学習を調整する態度
- 主体的に他者との相互理解を深めようとする心情

英語の目標は「5つの領域別」から「3つの柱」へ

構造上の大きな変更が、英語の目標(高校は科目目標)の示し方です。現行の目標は、資質・能力の3つの柱を総合的に育成する観点から、柱で分けずに5つの領域別に示しています。しかし審議まとめは、目標と「内容」の思考・判断・表現が重複し、深まりが見えにくいこと、評価は3観点で行うため煩雑になることを課題に挙げました。

そこで、領域別の目標の要素を「内容」(主に思考・判断・表現)に移し、学年段階の目安とともに示す方向が示されています。これに伴い、小中で学年ごとの目標を一律に作成する義務をなくし、英語の目標は外国語の目標と同様に「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で示すとしています。これにより、内容の段階的な高度化を示せて教科書作成や授業づくりに役立つこと、「英語を使って何ができるようになるか」をよりきめ細かく書けること、「内容」をもとに評価規準を作りやすくなることが期待されています。

「理解する・表現する・伝え合う」と「統合的な理解」

次期学習指導要領は全教科で「統合的な理解・総合的な発揮」を軸に目標・内容を構造化する方向です。外国語では、思考・判断・表現の「総合的な発揮」を、CEFRの分類を参照して「理解する」「表現する」「伝え合う」に分けて記載し、5領域をバランスよく育成する授業づくりを促すとしています。

知識・技能の「統合的な理解」は、様々な音声や語彙、表現、文構造、文法などを学ぶことで英語による理解や表現の質が高まることを理解している姿として、端的に表す方針です。単に語彙や文法を覚えるのではなく、知識をコミュニケーションの中で組み合わせて使うことで理解や表現の質が高まる、と実感できる授業への改善をねらいとしています。

「言語活動」は2つの活動に整理される

現行の「言語活動」を、主に思考・判断・表現を育成する「コミュニケーション活動」と、主に知識・技能を育成する「コミュニケーション活動を支える活動」に再整理し、往還しながら一体的に育成する

主に知識・技能を育てる活動も明確に位置付ける

現行で中心的な役割を担ってきた「言語活動」について、審議まとめは、活動に必要な要素が規定されていないため解釈にばらつきがあること、「言語活動」は学習指導要領全体の共通用語でありながら、外国語では学習過程の中心となるもので位置付けが重く、この言葉では表しきれない概念になっていることを指摘しました。知識・技能の育成を目的とする活動の位置付けが不明確で、段階的な指導の方法が分かりにくいという指摘もあります。

そこで、育成する資質・能力によって必要な活動を整理し、「コミュニケーション活動」(主に思考・判断・表現を育成する活動)と「コミュニケーション活動を支える活動」(主に知識・技能を育成する活動)とする方向が示されました。主に知識・技能の育成を目的とする活動も、明確に位置付けるとしています。目標の柱書には、これらの活動を通して資質・能力を育成する旨を明記し、本文では各活動に必要な要素を具体的に示すとしています。

2つの活動を往還させ、一体的に育てる

2つの活動は別々に行うものではありません。審議まとめは、「コミュニケーション活動」と「コミュニケーション活動を支える活動」を往還しながら、知識・技能と思考・判断・表現を一体的に育成する指導のあり方を、「指導計画の作成と内容の取扱い」や解説で示すべきだとしています。

あわせて、「練習」という言葉は、想起されるイメージが様々であることなどから用いずに、必要な活動を記載するとしました。

「言語活動の例」は指導計画の側へ

現行で「内容」に置かれている「言語活動」「言語の使用場面」「言語の働き」の例は、活動で取り扱う事項であることから、「指導計画の作成と内容の取扱い」に移し、それぞれ「コミュニケーション活動」「コミュニケーションの場面」「コミュニケーションの意図(仮称)」とすることが適切とされています。

自分の意見と、住んでいる地域を語る活動を充実

発信力の強化も、改訂の柱の1つです。AIや学校内外での交流機会を活用しながら、自分が伝えたいことを伝える活動を強化するとしています。「話すこと」「書くこと」による「外化」(知識の理解や頭の中で思考したことを表現すること)や多様な他者とのやり取りを中心に、自分のこと、日本のことに加えて自分の意見を言えるよう話題や活動を充実させ、自分の住んでいる地域に関する話題や活動を明確に位置付ける方向です。

語彙・文法・話題は「精選」へ

外国語の内容の精選。語彙は国が基盤語彙リストを作成、文法は使用頻度の高い事項を本文で明示、話題は「身近な社会的な話題」へ

国が「基盤語彙リスト」を作る

審議まとめは、使用頻度の高い重要な語彙や文法を様々な場面で繰り返し扱い、児童生徒が身に付けて活用できるよう、指導の目安とする語彙や文法の用法を精選・焦点化するとしています。その中心が、語彙の扱いです。

- 複数のコーパスを参照するなどして、国が語彙選定のための「基盤語彙リスト」を作成し、教科書発行者に対して、リストに掲載されている語を教科書で使用することを推奨する
- 基盤語彙リストの作成とともに、語彙の難易度や使用頻度などに基づく重要度を勘案し、指導すべき語彙数を、精選も含めて見直す
- リストを必要に応じて更新できるよう、継続的に調査研究を行う
- 入試や調査の作問に役立つよう、各教科書の新出語彙リストは電子データとして提供されるべき

ただし、高校は目的に応じて多様な到達水準があることから教科書の多様性を担保し、小・中学校でも、難易度が過度に高まらないようにしつつ、引き続き多様な話題を扱えるよう配慮するとされています。なお、指導すべき語彙数の具体的な数字は、審議まとめには示されていません。

中学校の文法事項を本文で明示し、焦点化する

文法については、生徒が文法を理解し、それを使って英語を理解し、伝えたい内容を伝えられるよう、中学校の文法事項のうち使用頻度の高いもの等を学習指導要領の本文で具体的に明示し、指導対象の焦点化と難易度の適正化を図るとしています。どの文法事項が対象になるかは、今後の具体化を待つことになります。

話題は「身近なもの」から段階的に

話題についても見直しが示されています。各学校種で扱う話題の難易度を整理して学年段階の目安を示し、身近なものから段階的に抽象的なものへと扱うようにするとしています。中学校の「社会的な話題」は、解説で外国語の学習としては難易度の高いものが多く例示されているため、「身近な社会的な話題」とし、生徒が自分と関連付けて捉えられるよう指導上の工夫ができるものを中心に例示する方向です。

CEFRに照らして難しすぎる記述を見直す

現行の学習指導要領は、各校種で育てる資質・能力の段階を示すためにCEFRを参照して目標を設定し、言語活動例を示しています。しかし、改訂前の議論で想定されていた各校種のCEFRレベル(小学校は〜A1程度、中学校はA1〜A2程度、高等学校はA2〜B1程度)に照らすと、レベルが高いものが規定・例示されている場合もある、と審議まとめは指摘しています。

今後「内容」や活動例を示す際は、CEFRを参照して適切な文言になるよう留意し、教師の足場かけを前提に示す内容は解説でその趣旨を示すとしています。これに伴い、今後の全国学力・学習状況調査では、CEFRレベルを勘案しつつ、個別の資質・能力に基づいて作問するとも記されています。

小学校から中学校へ、段階的につなぐ

段階的な指導と校種間の接続。小3・4の外国語活動で音声に慣れ親しみ、小5・6の外国語科で読むこと・書くことを加え、中1の初期は音声中心に。既習事項を繰り返し扱う

外国語活動から外国語科、そして中学校へ

小学校の外国語活動から外国語科へ、小学校から中学校へと指導内容や難易度が円滑につながるよう、小中の話題や活動、指導事項を段階的に高度化し、学年段階の目安とともに示す方向です。新しく学んだ内容を使えるようになるまでには時間がかかることを踏まえ、前の学校段階で学んだものを含む既習事項や話題を、発達の段階に応じて繰り返し扱うことの重要性も示すとしています。

そのうえで、各学校段階での初期指導の重要性や、身に付けさせるべき事項、接続のために重点を置いて指導すべき事項を、「指導計画の作成と内容の取扱い」で具体的に示すとしています。例として挙げられているのは次の点です。

- 小学校:外国語活動(音声での慣れ親しみ)から、「読むこと」「書くこと」を含む外国語科に円滑に接続できるよう指導する。中学校の文法指導との接続も踏まえ、外国語科では日本語と英語の語順の違い等(文構造)への気付きを促す
- 中学校:中1の初期段階では小学校の指導と関連させて音声を中心とした活動を重視する。3年間を通して発音と綴りとを関連付けて丁寧に指導し、小学校で扱った話題や語句、表現などを発達の段階に応じて繰り返し扱う
- 高等学校:入学初期に学習状況を把握し、中学校の既習事項を繰り返し活用しながら思考・判断・表現を発揮する活動を重視する

学び方を教え、自己調整学習を支える

英語力を高める学習方法が分からない高3生が6割という調査結果などから、自主的な学習や学習の継続も課題に挙がりました。

審議まとめは、日本が英語を外国語として学ぶEFL環境であることも踏まえ、第二言語習得の研究や認知心理学、学習科学などの科学的知見をもとに、児童生徒が家庭学習も含めて自己調整学習の考え方に基づいて学習方略を活用できるよう、教師の指導や学習者の参考になる動画や資料を提供するとしています。

高校は科目名が変わる方向

高校については、「英語コミュニケーション」と「論理・表現」の趣旨を維持しつつ、5領域を総合的に扱う「英語コミュニケーション」を「英語コミュニケーション(総合)」に、Production(表現)とInteraction(やり取り)による発信力をいっそう強化する趣旨を明示するため「論理・表現」を「英語コミュニケーション(発信)」に見直す方向です。必履修科目の単位数は現行と同様とされています。

外部試験を活用した必履修科目の履修免除・振替については、免除を認める際に必要な英語力をB2レベル相当以上とするのが適切とされました(現行の高校の科目はおおむねA2〜B1レベル相当を念頭に設定され、今回もそのレベルを大きく変えない前提です)。

AIとデジタル学習基盤の活用を学習指導要領に明記へ

発達の段階に応じた「AIの適切な活用」

外国語の学習指導要領等にも、オンラインによる人との交流等を含むデジタル学習基盤の活用を図る旨を明記し、指導の参考となる考え方や実践事例を具体的に示すとしています。外国語教育でAIを適切に活用することで、学習過程の充実と資質・能力の育成、発信力の強化が期待できるとして、その1つとして発達の段階に応じたAIの適切な活用も記述する方向です。全教科にわたるAIの位置付けについては「全教科の学習指導要領に「AI」が入る」でも取り上げています。

AIは人間同士のコミュニケーションのための手段

審議まとめは、AI活用の具体的な考え方にも踏み込んでいます。

- 自らの興味・関心に応じた例文の生成などは有効と考えられる。ただし児童生徒がAIの生成物を鵜呑みにせず、出力を吟味しながら学習に効果的につなげられるよう、教師の支援が重要
- 最終的な目標は外国語による人間同士のコミュニケーションを図る資質・能力であり、AIを活用した会話練習等はそのための手段。学びを深め、人間同士のコミュニケーションの充実につなげるというAI活用の原則を明確にする
- 家庭学習の課題でも、単純な英作文など、単にAI翻訳を提出すれば済むような出し方をしないなどの留意が必要

国は、適切でない使い方を含む留意点や動画・資料を具体的に示し、情報技術の発展に応じて適宜更新するとしています。

指導体制と学習評価

「授業は生徒の理解に応じた英語で」は堅持

授業を英語で行う考え方は変わりません。審議まとめは、「授業を生徒の理解に応じた英語で行うこと」を堅持しつつ、生徒の理解に応じた英語で指導する際に使える表現集(クラスルームイングリッシュ等)や動画等を提供するとしています。あわせて、教師による補助的な日本語使用や、発達の段階に応じたAIの活用も含めた英語学習における児童生徒の母語使用について、参考となる考え方を解説で示すとしています。

教師の役割と、研修・ALTとの連携

AI時代の教師の役割としては、授業デザイン、児童生徒の学ぶ意欲の向上、自律的な学習者の育成に向けた学び方の指導などがより重要になる、と整理されています。そのうえで、教師の留学等の多様な経験の奨励に加えて、次の取組が挙げられました。

- 教員養成:外国語(英語)コアカリキュラムで、第二言語習得の研究などの科学的知見や学習方略の指導方法を学べるようにする
- 教員研修:文部科学省が全国の教師に向けた大規模なオンライン研修を実施する。小学校向けの動画や資料は学級担任と専科教員それぞれのニーズに応じたものとなるよう配慮する
- ALT等との連携:効果的な連携のあり方について、参考となる動画や資料を提供する

小中の教育課程の柔軟化にも触れています。現行の教育課程特例校制度では、令和7年4月時点の1,915校のうち1,483校が外国語に関する内容です。この制度が調整授業時数制度に統合されることで外国語の取組がいっそう広がる可能性を踏まえ、特例校の実践事例を教育委員会等に積極的に提供するとしています(調整授業時数制度については授業時数と調整授業時数制度のコラムで解説しています)。

評価は引き続き「5つの領域」で

学習評価については、審議まとめ全体で「主体的に学習に取り組む態度」を教科ごとにABCで評価する仕組みを改め、総合所見欄での個人内評価と、思考・判断・表現の評価への「◯」の付記を組み合わせる方向が示されています。外国語の節が中心に述べているのは、評価のプロセスと評価の単位です。

- 全教科共通の方向として、「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示して各学校での作成を不要とし、各学校が作る単元の目標がそのまま単元の評価規準となるようにする
- 外国語の特質を踏まえ、引き続き5つの領域で評価することが重要。国が評価の参考資料で示す「内容のまとまり」は、「内容」に示す5つの領域とする方向で検討する
- 各学校が単元の目標(評価規準)を作る際も、外国語の目標・英語の目標を踏まえつつ、「内容」をもとに作成する方向で検討する

さらに、各学校の定期テストやパフォーマンステストに活用できるよう、文部科学省のCBTシステム「MEXCBT」にCEFRを参照した問題を充実させるとともに、AIを活用したパフォーマンステストツールの可能性を検討すべきだとしています。

教材・テストづくりへの影響

語彙表と本文の「精選」

基盤語彙リストが示されれば、副教材や問題集、単語帳でも、扱う語彙を整理し直す場面が出てきそうです。各教科書の新出語彙リストが電子データで提供されれば、入試や各種テストの作問で出題語彙の範囲を確認しやすくなります。中学校の文法事項が本文で明示・焦点化されれば、ワークや問題集の難易度設計や、扱う用法の範囲も見直しの対象になります。

「支える活動」と「コミュニケーション活動」を往還する教材

主に知識・技能を育てる「コミュニケーション活動を支える活動」が明確に位置付けられることで、語彙や文法の定着を図る活動を、コミュニケーション活動とどうつなげるかが教材設計の焦点になりそうです。定着のための活動をそれだけで完結させず、伝えたいことを伝える活動へ往還させる流れで組み立てる教材が求められそうです。話題の面では、「身近な社会的な話題」や自分の住んでいる地域、自分の意見を扱う題材の比重が高まると考えられます。

小中接続を意識した教材

中1の初期は音声中心、3年間を通して発音と綴りを関連付け、小学校で扱った話題や表現を繰り返す──こうした接続の考え方が「指導計画の作成と内容の取扱い」で具体的に示されれば、中1導入期の教材や、小学校の既習事項を振り返る教材の設計に直接関わります。小学校の外国語科で語順の違い(文構造)への気付きを促す教材も、中学校の文法指導との接続という観点で位置付けが明確になります。

AI時代の課題と、5領域・資質・能力ベースのテスト

家庭学習の課題で「単にAI翻訳を提出すれば済むような出し方をしない」と明記されたことは、宿題やワークの設問設計に直結します。AIの出力を吟味する活動や、自分の考えを形成して発信する課題が求められます。評価が引き続き5つの領域で行われ、MEXCBTのCEFR参照問題やAIを活用したパフォーマンステストツールも検討されることから、定期テストやパフォーマンステストでも、領域ごとの資質・能力をどう見取るかを意識した問題づくりの重要性が増しそうです。

よくある質問(FAQ)

小学校の外国語活動・外国語科はなくなりますか?

審議まとめの外国語の節は、小学校3・4年の外国語活動(音声での慣れ親しみ)から5・6年の外国語科(「読むこと」「書くこと」を含む)へ円滑に接続できるよう指導する、という書き方をしており、この流れを前提に接続の改善を示しています。外国語活動や外国語科をなくすという記述はありません。

中学校で覚える単語の数は減りますか?

国が基盤語彙リストを作成し、語彙の難易度や使用頻度に基づく重要度を勘案して、指導すべき語彙数を「精選も含めて見直す」とされています。減らすかどうかや具体的な語数は、審議まとめには示されていません。小・中学校の教科書でも難易度が過度に高まらないようにする、という配慮が明記されています。

授業を英語で行う方針は変わりますか?

変わりません。審議まとめは「授業を生徒の理解に応じた英語で行うこと」を堅持するとしています。そのうえで、表現集や動画等の提供と、教師による補助的な日本語使用やAIの活用も含めた児童生徒の母語使用について、参考となる考え方を解説で示す方向です。

英語の授業でAIを使うことになりますか?

発達の段階に応じたAIの適切な活用を、デジタル学習基盤の活用の1つとして学習指導要領に明記する方向です。例文の生成などは有効とされる一方、生成物を鵜呑みにせず吟味すること、AIとの会話練習は人間同士のコミュニケーションのための手段であることが原則として示されています。

いつから変わりますか?

審議まとめは2026年11月5日までパブリック・コメント(意見公募)にかけられ、2026年度冬頃の答申、2026年度末の改訂告示(小・中学校)へと進む予定です。全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高校は2032年度入学生からの見込みです。改訂全体の日程は次期学習指導要領・教科書改訂スケジュールにまとめています。

まとめ

次期学習指導要領に向けた外国語の見直しは、AIで翻訳ができる時代になぜ外国語を学ぶのかという問いから出発しています。その答えを軸に、英語の目標は5つの領域別から3つの柱で示す形へ、「言語活動」は「コミュニケーション活動」と「コミュニケーション活動を支える活動」の往還へと組み直す方向です。語彙は国の基盤語彙リスト、文法は中学校の使用頻度の高い事項の明示、話題は「身近な社会的な話題」へと精選し、自分の意見や地域のことを発信する活動を充実させるとしています。AIは発達の段階に応じた適切な活用が明記される一方、授業を生徒の理解に応じた英語で行うことは堅持され、評価も引き続き5つの領域で行う方向です。

語彙や文法の範囲、活動の組み立て方、AI時代の課題の出し方まで、教材とテストの設計に関わる論点が多い改訂になりそうです。エデュコンは、教材・テキスト制作で語彙・文法の範囲を整理した英語教材の企画・執筆を、模擬試験・テスト制作で領域ごとの資質・能力を問う問題づくりを承っています。小学校向け教材制作・中学校向け教材制作・高校向け教材制作もあわせてご覧のうえ、次期学習指導要領に向けた英語教材・テストの見直しについて、お気軽にご相談ください。

はじめての教材制作もまずはお気軽にご相談ください

はじめての教材制作も
まずはお気軽に
ご相談ください

制作事例・料金表を無料でチェック

制作事例・料金表を無料でチェック

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介しています

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介

資料ダウンロード
見積もり・納期を無料で相談

見積もり・納期を無料で相談

オンラインで打合せをしながら
予算に応じたご提案をいたします

オンラインでの打合せや
予算に応じたご提案なら

無料相談申し込み

記事をシェアする

この記事を書いた人 / 監修

エデュコン教材制作チーム

エデュコン教材制作チーム

創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。

この記事に関連する無料資料

記事のテーマに沿った資料を、無料でダウンロードいただけます。

資料ダウンロード一覧へ
前の記事

中学校に3つの分野横断の単元、教科書は用語の精選へ──次期学習指導要領で社会科はどう変わるか

一覧へ 次の記事

音楽・図画工作・美術は思いを形にする過程を一体で示す方向へ──高校芸術科の見直しも含めて読む次期学習指導要領の芸術系教科

資料ダウンロード

エデュコンのサービスがよくわかるパンフレットをはじめ、検討時に役立つチェックシートや資料も今すぐダウンロードいただけます。

資料一覧を見る
資料一覧を見る
教育専門の編集プロダクションとして制作実績は500社以上!まずはお気軽にご相談ください

教育専門の編集プロダクションとして
制作実績は500社以上!
まずはお気軽にご相談ください

お役立ち資料ダウンロード

サービスの詳細を
今すぐ知りたいなら

エデュコンの多様なサービスの詳細や制作事例がよくわかるパンフレットを無料でダウンロードいただけます。 また、検討時に役立つ各種チェックシートもご利用ください。

エデュコンの事業内容や制作事例がよくわかるパンフレットをはじめ、依頼検討時に役立つ各種チェックシートを無料でダウンロードいただけます。

今すぐ無料でダウンロード
お役立ち資料ダウンロード お役立ち資料ダウンロード
今すぐ無料でダウンロード