小学校「情報の領域」・中学校「情報・技術科」で何を学ぶのか──審議まとめ案が描いた授業の中身
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2026年9月25日、中央教育審議会の教育課程企画特別部会に、次期学習指導要領に向けた「審議まとめ(案)」が示されました。報道では、小学校の総合的な探究の時間に「情報の領域」を設けること、中学校に「情報・技術科」をつくることなど、情報教育の拡充が大きく伝えられています。ただ、こうした枠組みや授業時数は8月31日の「素案」ですでに示されていたもので、今回の案でも大きくは変わっていません。報道から見えにくいのは、むしろ「実際の授業で何をするのか」のほうです。案の本文と資料編には、小学3年生から中学3年生までの学習イメージが、授業1コマに近い単位まで描かれています。本コラムでは、その中身を一次資料から読み解き、教材づくりへの影響を整理します。
「審議まとめ(案)」は素案から何が変わったか
情報教育の骨格は、素案のまま
案が示されたのは、教育課程企画特別部会の第18回会議です。配付された資料1「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)」は4分冊で、第1部・第2部の本文だけで約400ページ、第3部の資料編を合わせると1,000ページを超えます。
第2部で情報教育を扱う「情報・技術、情報」の章を8月31日の素案と突き合わせると、実質的な書き換えは、高等学校のいわゆるPC教室について「在り方についての新たな考え方の整理」が加わった程度でした。新しい教科・領域の構成、授業時数の目安、先行実施の時期は、いずれも素案と同じです。全教科にわたるAIの記述や、AI活用の具体を学習指導要領の外のガイドラインに委ねる設計については、素案を読んだコラムで扱いました。
ほかの章では、PISA2025の結果を踏まえた記述が加わったほか、外国語で「単にAI翻訳を提出すれば済むような」宿題の出し方をしないこと、国語で「表現の過程が生成AIに代替されないよう」留意することなど、AIをめぐる留意点がいくつか書き足されています。
新たに書き込まれた「一律3〜4%程度」
はっきりした追記があったのは、新しい教科・領域の時数をどこから捻出するかです。素案は、必要な時数を「各教科等の標準授業時数に応じて同一の考え方で減じて確保する」とし、小学校3年以上で現在35コマ以下の教科等からは減らさない、としていました。案はここに、「一律で3-4%程度の時数を言わば『広く薄く』減ずることとなると考えられる」という見通しを加えています。
たとえば小学3年の国語は現行245単位時間なので、3〜4%は7〜10コマ程度、算数(175単位時間)なら5〜7コマ程度にあたります(筆者試算)。各教科等の具体的な時数は「教育課程企画特別部会で検討し、適切なタイミングで示す」とされ、まだ決まっていません。標準総授業時数そのものは現行を維持すべきだとしています。学校の判断で教科ごとの時数を調整できる調整授業時数制度については、授業時数「最大15%削減」へで解説しています。
「3つの力」で小・中・高をつなぐ

活用・適切な取扱い・特性の理解
案は、情報活用能力を3つの構成要素で整理しています。情報技術を使って課題を解決し、新たな価値をつくる「①活用」を中核に置き、偽・誤情報やAIのリスクを踏まえてルールを守り責任をもって使う「②適切な取扱い」と、情報技術の科学的な仕組みを理解して解決策を構想する「③特性の理解」がそれを支える、という関係です。
そのうえで、小学校(情報の領域)・中学校(情報・技術科)・高等学校(情報科)の到達点が段階的に書き分けられました。「①活用」でいえば、小学校は「必要な情報を集めて整理し、分かりやすく表現しながら、身近な課題を解決できる」、中学校は「複数の方法で情報を収集・分析し、根拠を基に表現しながら、課題を解決できる」、高校は「多様な情報を収集・構造化して多角的に分析し、論理的に表現・議論しながら、課題を解決できる」です。行き着く先は、高校卒業までに全ての生徒が、数理・データサイエンス・AIを「日常の生活や仕事等の場で使いこなす」リテラシーレベルに達すること。大学・高専ですでに実施されている教育プログラムの入口に、高校段階で届かせる設計です。
「情報の活用」ではなく「情報技術の活用」に絞った
見落とされがちなのが、情報活用能力の定義の絞り込みです。現行の学習指導要領は、情報活用能力を「情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して」問題を発見・解決したりする力としています。案は、「情報の活用」が言語能力と重なる面があることなどから、今回の改訂では情報活用能力を「情報技術の活用」に絞って整理しました。「情報の活用」は引き続き各教科等で育てるものとし、新しい教科・領域は情報技術を扱う場所だ、と役割を分けたわけです。
現行の何が足りなかったのか
案が挙げる現行の課題は具体的です。小学校ではコンピュータやネットワークの仕組みの理解が扱われていないこと。中学校でも仕組みの理解やデータ活用が十分に扱われていないこと。生成AI等の先端技術に関わる内容が明確に位置付けられておらず、情報モラルやメディアリテラシーは学校による取組の差が大きいこと。そして小学校では教科等に明確な位置付けがなく、授業時数も指導内容の具体も示されていないため、地域や学校による差が大きいことです。
小学校「情報の領域」──「情報ブロック」と「ミニ探究ユニット」

探究を「支える」ための2つ目の領域
小学校では、総合的な学習の時間を「総合的な探究の時間」と改めたうえで(名称統一のコラム)、「探究の領域」と「情報の領域」の2つの領域で構成します。対象は第3学年以上です。案は「情報技術の学習自体が総合の目的であるとの誤解を受けないよう」にと念を押し、情報の領域を、探究の領域や各教科等の学びを基盤として支えるものと位置付けました。
授業時数は、第3・4学年が各学年最大30コマ程度、第5・6学年が各学年最大35コマ程度です。探究の領域と情報の領域には、それぞれ別に標準授業時数を設定するとされています。
基礎を学ぶ「情報ブロック」、使って確かめる「ミニ探究ユニット」
情報の領域は、性格の違う2種類のまとまりを組み合わせて学ぶ設計です。1つは「情報ブロック」で、「情報に関する基礎的な内容を学ぶ小さなまとまり」。もう1つは「ミニ探究ユニット」で、「探究的な学びのプロセスにおいて、情報活用能力の諸要素を学びつつ、実際の課題解決等に活用する小単元」です。
内容の柱は、3つの構成要素そのものです。「①活用」は、課題の設定・情報の収集・整理・分析・まとめ・表現という探究のプロセスに、端末の「基本的な操作」を加えた5つのまとまり。「②適切な取扱い」は、法や制度・倫理・安全とメディア理解の3つ。「③特性の理解」は、情報及びコンピュータ、AI、アルゴリズム・プログラミング、デザイン、データの扱い、コミュニケーションやメディア、社会的役割の7つです。②と③のうち探究のプロセスに組み込みにくいものを情報ブロックで学び、それらを総合的に使う場面をミニ探究ユニットとして設ける、という組み立てです。
3年生の学習イメージ:生き物図鑑と学校紹介
資料編には学年ごとの学習イメージが示されています。第3学年のミニ探究ユニットの例は、「おもしろい生き物の図鑑をつくろう」と「学校の自慢を写真や動画で紹介しよう」です。インターネット検索で情報を集め、ファイルに名前を付けてフォルダに整理し、スライドにまとめて共有フォルダで友達と交流する。その流れの中で、検索やファイル操作の技能を身に付けます。
並行して情報ブロックでは、ファイルを共同編集するときに勝手に消さないといったルールを考える著作権の学習、ID・パスワードの管理、端末の利用時間と目の疲れなど健康への影響を扱います。画面の明るさや文字の大きさ、音量を調整できることを知る「コンピュータとアクセシビリティ」が入っているのも目を引きます。基本的な操作としては、キーボードで文字を入力するタイピングと、クラウドの使い方が位置付けられました。
6年生の学習イメージ:生成AIで創作し、プログラムでガイドブックをつくる
第6学年になると、ミニ探究ユニットの例は「生成AIの特性やリスクを理解して創作しよう」と「プログラムでデジタルガイドブックをつくろう」に変わります。前者では、同じ質問でも表現を変えたり、難しい質問や曖昧な指示を出したりしてAIの結果を比べ、人が確認する必要があることを知る。AIの学習元となるクリエイターの意見を調べ、作品には作者の権利があることを知る。そのうえでAIを活用したポスターや動画をつくり、発表会を通して生成AIの留意点を考える、という流れです。
情報ブロックには「AIを体験する」「AIの仕組みを知る」が独立して置かれ、入力の仕方で結果が変わることや、誤情報が含まれる場合があること、AIに得意・不得意があることを体験的に確かめる内容になっています。
同じテーマが、学年とともに深まる
学年間のつながりも設計されています。案は偽・誤情報を例に、第3学年で情報の特徴や偽・誤情報を理解し、第4学年で情報を発信・再構成する体験を通して「AIの出力を含め情報を鵜呑みにしない姿勢」を育み、第5・6学年でエコーチェンバーやフィルターバブルも踏まえて多角的に判断・活用する力へ発展させる、という系統を示しています。
配置の仕方にも例があります。1学期に情報の領域を集中的に学び、2学期以降の探究の領域や各教科でそれを生かす、というものです。第1・2学年は情報の領域の対象外ですが、各教科等の中で文字入力や写真・動画の撮影、ID・パスワードの管理、正しい姿勢での端末使用、許可なく他人を撮影しないことなどを体験的に学び、3年生からの学習につなげます。
中学校「情報・技術科」──2つの領域と7つの内容項目

「情報技術」領域の3項目
中学校では、技術・家庭科から家庭科を独立させ、技術分野を「情報・技術科」とします。授業時数は第1・2学年が各学年最大70コマ程度、第3学年が最大35コマ程度で、現行の技術分野の内容を含んだ数字です。
教科は2つの領域からなります。1つ目の「情報技術」領域は、中学校で情報活用能力を育てる「主たる受け皿」とされ、「情報の表現とデジタル化」「プログラミングと自動化」「情報基盤とシステム化」の3つの内容項目で構成されます(いずれも仮称)。データを基に情報を表現し、データで処理を自動化し、それらを組み合わせてシステムとして活用する。デジタル社会で情報技術が機能する構造を、そのまま3つの段に分けた組み立てです。
「情報を基盤とした生産技術」領域と、新設の「技術の統合」
2つ目の「情報を基盤とした生産技術」領域は、現行の材料と加工・生物育成・エネルギー変換の技術を引き継ぎつつ、3Dプリンター、センシングデータ、シミュレータの活用など、情報技術との関わりを強めたものです。内容項目は「材料加工とデジタル製作」「生物育成とデータ活用」「エネルギー変換とスマート化」、そして両領域を横断する「技術の統合」の4つです。
技術の統合の学習イメージは具体的です。授業で製作したプランターを使い、家で花への水やりを忘れてしまうという身近な課題に対して、それまでに学んだセンサーとプログラムを組み合わせ、「土が乾くと端末に自動で通知するプランターシステム」を設計・製作する。生成AIを補助的に活用しながら通知のプログラムをつくり、家族に使ってもらって使い勝手や追加してほしい機能の意見を集め、改善する、という流れです。案は、自動運転や介護ロボットのように複数の技術が一体となって働くシステムを例に挙げ、その仕組みを理解しないまま使うことは安全上のリスクや技術への過度な依存を招くおそれがある、としています。
1年生の学習イメージ:情報を伝えるアプリをつくる
「情報の表現とデジタル化」の学習イメージでは、まず仕組みを知る段階で、データの集め方と整理の仕方、Webページ制作を通した情報がやり取りされる仕組み、アナログとデジタルの違いなどを扱います。「AIやメディアの特性」では、AIがデータをもとに生成を行う仕組みであることを知り、プロンプトを学習してさまざまな指示を試します。「生成AI等のリスクと影響」では、正しい画像や動画と、生成AIが生成したフェイク画像や動画を見比べて問題点を考えます。
そのうえで、学んだことを使う単元として「情報を伝えるアプリを作る」が例示されています。見づらい表示や分かりにくい案内を情報デザインの観点から調べて課題を設定し、UIのデザインを構想・試作し、完成したアプリを発表し合って改善する。現行の技術分野で課題とされてきた、「多くの生徒が技術の原体験にとどまり深い理解に至っていない」状態を越えるために、原理を知る→問題を解決する→技術を吟味する、という学習過程を一貫して通すことがねらいです。なお、学年への配置はあくまでイメージで、学習順序は引き続き教師の裁量に委ねるとされています。
「情報技術科」ではなく「情報・技術科」
名称の中黒にも意味があります。案は、この教科は「情報技術のみを扱う教科ではなく、生産技術を含む多様な技術を一体的に学び」、技術の統合を通して課題解決を実践する教科であるため、「情報技術科」ではなく「情報・技術科」とするのが適当だと説明しています。
AI時代に捉え直された「プログラミング的思考」
自然言語でAIに指示すればプログラムを生成できる時代に、プログラミングを学ぶ意味はあるのか。案はこの問いに正面から答えています。AIが生成したコードやシステムには誤りが含まれる場合もあることから、「AIの発達によってプログラミングに関する学習が不要になると捉えることは適当ではなく」、むしろ目的に応じてAIに適切に指示し、生成されたコードや解決策の妥当性を論理的・批判的に検討する力が一層重要になる、という立場です。プログラミング的思考は「AIへの指示やプログラミングを通じて解決策を実現する」ことまで含む考え方へと捉え直され、小学校だけでなく中学校・高校でも育成すべきものと整理されました。
各教科から「引っ越してくる」内容

算数の正多角形、理科のセンサー、国語のローマ字入力
新しい教科・領域ができると、いま各教科で個別に扱っている情報関連の内容を、そちらへ移せるようになります。資料編には、移行が可能と考えられる内容の例が挙がっています。小学校では、第5学年算数の正多角形の作図を題材にしたプログラミング、第6学年理科のセンサーを使ったプログラミング、第5学年社会の産業と情報との関わり、第3学年国語のローマ字入力。中学校では、第3学年社会(公民的分野)の情報化、第1学年数学のデータの整理・分析、第1学年保健体育の情報機器と健康との関わり、美術の映像メディアの活用などです。
移した後、各教科はそれぞれ固有の学習に重点を置けるようになります。算数なら図形の性質や規則性の理解に、理科なら電気の性質や働きに、という具合です。資料編は、ある教科で学んだスライド資料の作り方が別の教科の発表で生かされない、といった現状の非効率も解消できるとしています。ただし、これらは例示で、今後、告示を見据えて各教科等と調整したうえで具体化するとされています。
時数は「学習活動の数」から積み上げられた
授業時数の根拠の示し方も、これまでにないものです。案は、学年ごとの学習活動を「授業コマ数をイメージできる程度の小さな単位」まで具体化し、その項目数を試行的に積み上げました。結果は、小学校第3学年28項目程度、第4学年27項目程度、第5学年31項目程度、第6学年30項目程度、中学校第1学年65項目程度、第2学年66項目程度、第3学年32項目程度。30コマ・35コマ・70コマ・35コマという時数の目安と、ほぼ対応する数字です。
もっとも、1項目が1コマとは限りません。1コマ未満で扱えるものも、考察やまとめまで含めれば2、3コマ程度を要するものもあるため、この積み上げは規模感をつかむための参考資料で、時数は教育課程全体の観点から総合的に検討すべきだとされています。
高校「情報科」は、科目はそのままで中身を入れ替える
高等学校では、情報Ⅰ(共通必履修)と情報Ⅱ(選択)という構成を維持します。情報Ⅰが共通必履修になったのは前回の改訂時で、大学入学共通テストに加わったのは令和7年度。「安易な科目構成の変更は現場の混乱を招く」というのが理由です。共通テスト「情報Ⅰ」の現状は、共通テスト「情報I」2年目の評価でまとめています。
中身は組み替わります。内容項目の案(いずれも仮称)は、情報Ⅰが「情報の仕組みと社会との関わり」「情報デザインとデザイン思考」「データ分析とモデル化・シミュレーション」「アルゴリズムとシステム開発」「PBLによる課題解決の実践」。情報Ⅱが「社会課題とデータサイエンス」「コンテンツデザイン」「AI」「先端技術と情報システムデザイン」「PBLによる価値創造の実践」です。情報ⅡにはAIを単独で扱う項目が立ち、両科目とも、学んだ技術を総合的に使うPBLが最後に置かれました。
情報Ⅱは一定の幅の中で単位数を柔軟に配当できるようにし、PBLでつくった成果を実装した後も、改善を重ねる時間を確保できるようにするとされています。学校ごとの工夫例として、情報Ⅰと情報Ⅱを一体化した科目や、情報Ⅰと数学Ⅰのそれぞれ一部を取り出して一体化した科目なども挙げられています。
教材制作の現場から見た論点

教科書は「完結させない」前提になる
案は情報・技術科と情報科の教科書について、個別の知識や操作方法を網羅的に示す構成ではなく、課題解決の文脈の中で必要な知識・技能を扱う構成にすべきだとしています。さらに、情報技術の変動性を踏まえれば「教科書のみで内容を完結させるのではなく、国や民間が作成する教材等と連携しながら、技術の進展に応じて学習内容を柔軟に更新できる構造としていくことが重要」とし、国が作成する教材等を教科書会社に積極的に情報提供していくことも検討するとしています。
教科書、国の授業動画、民間の教材が役割を分け合い、更新の速い部分は教科書の外に置く。教材の側には、どこが差し替わる部分なのかを最初から切り分けた設計が求められます。
授業の具体は、教材づくりの中で決まる
資料編の学習イメージには、「ミニ探究ユニットは仮のイメージであり、予算事業等を通じた教材の検討過程で具体化を図る」という注記が付いています。本文でも、国はすでに教師が授業でそのまま活用できる授業動画を含む学習者用教材の開発を始めており、その具体的な内容は学習活動イメージを踏まえて今後検討する、とされています。小学校の情報の領域がどんな授業になるかは、これからつくられる教材によって形が決まる部分が大きいということです。
国の教材には、「学校現場と往復しながら学校現場が使いやすいものにすること」や随時のアップデートが求められ、情報・技術科については包摂性に配慮したものとすることも書かれています。小学3年生の学習に「コンピュータとアクセシビリティ」が入っていることと合わせれば、教材そのものの使いやすさが問われるのは自然な流れです。アクセシビリティの考え方は、だれもが使えるデジタル教材のつくり方でまとめています。
各教科の教材も、組み替えが必要になる
影響は、新しい教科・領域の教材だけにとどまりません。算数のプログラミング、理科のセンサー、国語のローマ字入力といった内容が移れば、各教科の教科書や問題集、ドリルも単元構成の見直しが必要になります。時数が一律3〜4%程度減る見通しと合わせると、教科の側では「何を残し、何を渡すか」を反映した改訂が避けられません。逆に新しい教科・領域の側では、これまで各教科に散らばっていた操作や技能を、発達段階に沿って積み上げる教材が求められます。
よくある質問(FAQ)
小学校に「情報」という教科ができるのですか?
いいえ。小学校は、総合的な探究の時間を「探究の領域」と「情報の領域」の2領域で構成する案です。教科として新設されるのは、中学校の「情報・技術科」(技術・家庭科の再編)です。
中学校の技術の授業はなくなるのですか?
なくなりません。材料と加工、生物育成、エネルギー変換の内容は、情報技術との関わりを強めたうえで「情報を基盤とした生産技術」領域に引き継がれます。家庭科は独立した教科になります。
ほかの教科の授業時数は減るのですか?
案では、新しい教科・領域に必要な時数を、小学校3年以上の各教科等(現在35コマ以下のものを除く)から一律3〜4%程度、「広く薄く」減らして確保する見通しが示されています。各教科の具体的な時数はまだ示されていません。
いつから始まりますか?
全面実施は小学校が令和12年度(2030年度)、中学校が令和13年度(2031年度)、高等学校は令和14年度(2032年度)の入学生から順次の予定です。新しい教科・領域については、小学校は令和10年度(2028年度)、中学校は令和11年度(2029年度)から段階的に先行実施する経過措置が示されています。経過措置の具体的な内容は、今後文部科学省が具体化するとされています。
これは決定事項ですか?
いいえ。「審議まとめ(案)」の段階で、今後の審議を経て答申に至ります。内容項目の名称はいずれも仮称で、資料編の学習イメージも「各学校一律に実施することを求めるものではなく」、地域や学校の実態に応じて柔軟に工夫することが前提とされています。
まとめ
次期学習指導要領の情報教育は、審議まとめ(案)で大枠が固まりつつあります。小学校は総合の中の「情報の領域」で、基礎を学ぶ情報ブロックと、探究の中で使ってみるミニ探究ユニットを組み合わせる。中学校は「情報・技術科」で、情報技術の3項目と生産技術の3項目、そして両者をつなぐ技術の統合を学ぶ。そのための時間は、各教科から3〜4%程度ずつ集めて確保する。それが案の描く姿です。
教材づくりの側から見ると、新しい教科・領域の授業の具体は、これから開発される教材の中で形になります。同時に、内容を「渡す」側の各教科の教材も、単元構成の見直しが避けられません。更新を前提に設計すること、1コマ単位の学習活動として組み立てること、そして教科の教材と情報の教材の役割分担を意識することが、これからの教材制作の前提になりそうです。
エデュコンは、デジタル教材制作でデジタル教科書・ドリル・演習問題アプリを、テキスト教材・問題集・参考書の制作で紙の教材を、高校「情報」の教材・問題制作で情報Ⅰ・情報Ⅱの教材を、いずれも企画から一貫して承っています。次期学習指導要領を見据えた教材の設計・改訂について、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。





















