次期学習指導要領で教材づくりはどう変わるか──審議まとめの9教科から読む5つの変化
カテゴリ

2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会が「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を公表しました。第2部には教科ごとの方向性が並び、エデュコンのコラムでも9教科それぞれの内容を解説してきました。
9教科を読み通して見えてきたのは、教科は違っても、教材づくりに求められていることには共通する流れがあるという点です。審議まとめは教科書の在り方に多くの紙幅を割いていますが、その影響は副教材、ワーク、問題集、テスト、デジタル教材にも及ぶと考えられます。
この記事では、審議まとめの総論と9教科の記述を横断して、教材づくりに関わる5つの変化を整理します。教材の企画・編集・発注に携わる方に向けて、教材の種類別の確認ポイントと、準備を始める時期までまとめました。なお、審議まとめは答申前の段階であり、教材への影響として書いた部分には、エデュコン編集部の読み取りを含みます。
この記事の要点
- 2026年10月5日の審議まとめは、教科書を精選し、理解を広げ深める役割をその他の教材が担うという役割分担の検討を求めている
- 教科を横断すると、網羅から深まりへ、教科書との役割分担、単元と系統の組み替え、評価課題の役割分け、紙とデジタルの組み合わせ、の5つの変化が読み取れる
- 影響の出方は教材の種類で異なり、準拠教材は単元配列、問題集は問いの質、テストは評価の役割、指導書は構造の示し方が主な論点になりそうである
- 小学校の新教科書は2030年度に使用開始の見込みだが、著作・編集は2027年度とされ、用語の精選方針や評価の考え方を見ながら逆算して準備する必要がある
審議まとめは、教材に何を求めているのか
出発点は、現在の教科書と授業の関係への問題意識です。審議まとめは、現在の教科書は学習に必要な情報の大半を網羅し、多数の用語やキーワード、確認問題が掲載されているとしたうえで、教科書の指導のみで授業を完結できてしまい、教科書「を」網羅的に教える授業や、1時間ごとに授業を完結させる「本時主義」から脱却できていない実態もあると指摘しています。その場合、その他の教材は補足的な活用にとどまるとも述べています。
「厚い教科書を全て教える」状態からの脱却も課題に挙げられました。教科書を網羅的に指導すべきだという考え方が根強く、内容や分量の多さが授業進度の速さや過度な授業時数の設定につながるとの指摘があるとしています。指導書についても、指導書のとおり授業を行うべきだという認識が教師によっては強く、創意工夫や力量向上を阻む側面があるとの指摘が紹介されています。
新しい軸は「統合的な理解・総合的な発揮」
次期学習指導要領の軸として示されたのが、「統合的な理解・総合的な発揮」です。個別の知識及び技能が関連付けられ、一般化された状態を「統合的な理解」、複雑な課題の解決に向けて個別の思考力、判断力、表現力等を組み合わせたり選んだりして働かせた状態を「総合的な発揮」とし、これらを個別の資質・能力とともに一体的に示すとしています。
教材の話として読むと、授業のまとまりの先にある到達点が、学習指導要領の中に具体的に書かれるようになる方向だといえます。審議まとめは、教科書会社がこの到達点に至る問いや評価課題、学習過程が明確になった教科書を編集し、指導書などでその構造を一層具体的に示していくことが重要だとしています。
民間教材にも言及している

審議まとめが対象としているのは教科書だけではありません。第1部第6章の学習評価の節では、育成したい資質・能力の明確化、評価課題のデザイン、学習過程のデザインを一体的に構想するという基本的な考え方を、学習指導要領の告示とともに国が示すことが、「教科書の編纂や民間教材の開発」などを促すと述べています。副教材やテストをつくる側も、改訂の当事者だと読み取れます。
変化1:「網羅」から「深まり」へ
1つ目の変化は、載せる量よりも、何を残し、何を外すかが編集の論点になることです。
審議まとめは、今回の精選は内容の削減自体を目的とする「精選のための精選」ではなく、「学力向上に資する精選」でなければならないとしています。教科の記述を見ると、その具体像は教科ごとに異なります。
- 社会:教科書などでの用語の精選を「教科書等における用語等の精選方針(仮称)」に基づいて進める方向で、趣旨の徹底のため入試の改善も併せて検討するとしています
- 算数・数学:統合的な理解・総合的な発揮の育成上必須の内容か、必要に応じて扱うべき内容かという指導上のグラデーションを明示することなどを、教科書会社に要請する案が示されています。第2部では、教師用指導書での工夫を要請することも検討すべきとしています
- 理科:扱いの必須性の程度を明示することや、個別事実・用語・現象例の並列的な例示を精選することなどを、教科書会社に要請する案が示されています。第2部では、教師用指導書での工夫を要請することも考えられるとしています
- 外国語:国が基盤語彙リストを整備し、中学校の文法事項は使用頻度の高いものなどを具体的に明示して、指導対象の焦点化を図るとしています
- 体育・保健体育:学習指導要領や解説で示す以上に教科書などで繰り返し丁寧に示されている内容について、適切な取扱いとなるよう改善を促すとしています
これらの多くは教科書についての記述ですが、教科書の準拠教材や問題集にも波及すると考えられます。用語を網羅して確認する問題集は、用語の精選が進むほど、その用語を使って何を説明させるのかが問われるようになるでしょう。「この問題は何のための問題か」を、到達点と結び付けて説明できることが、教材の価値を左右しそうです。
変化2:教科書と「その他の教材」の役割分担

2つ目の変化は、教材の位置付けそのものに関わります。審議まとめは、教科書の内容を統合的な理解・総合的な発揮を実現しやすくなるように精選するとともに、教科書で得た理解を広げたり深めたりするための多様な情報を得る手段として、その他の教材を活用するという役割分担を考える必要があるとしています。
その他の教材は、児童生徒の関心などに応じた多様なものが活用され、紙に加え、デジタル学習基盤や学校図書館・公立図書館がインフラとして機能するとも述べています。補足的に使われていた教材が、理解を広げ深める役割を担う、という整理です。
教科書の分量と、調整授業時数
背景には、調整授業時数制度もあります。各学校の判断で、対象教科等の授業時数を標準より最大15%程度下回れるようになる方向です(制度の概要は対象教科の授業時数「最大15%程度」削減へ)。審議まとめは、調整後の時数で十分に指導できるよう、教科書の分量、デジタル教材との役割分担、教師用指導書での指導計画の示し方も整合性を持って対応する必要があるとしています。標準を下回った時数でも教科書の内容を概ね適切に取り扱えるような編纂を促す仕組みは、教科書検定調査審議会で具体的に検討することが求められています。
時数が学校ごとに変わる前提に立つと、副教材にも授業時数を固定しない構成が求められそうです。必須の学習と発展的な学習を分けて示す、学校が分量を選べるようにする、といった工夫です。
教科で見える役割分担の形
国語では、教科書の教材の精選・再構成とともに、「基幹教材」と「関連教材」の明確化を促進するとしています。道徳では、発達の段階に応じて教科書の読み物教材数を精選し、読み物教材との関連を図りつつ深い学びを支える多様な「深める教材」を展開する方向が示されました。いずれも、教科書の中の教材に役割の違いをつける発想といえます。
教科書だけでは支えにくい学習もありそうです。小学校理科の「理科と日常生活」、中学校・高等学校理科の「科学ガイダンス」、高校家庭の「個人探究」「協働探究」(ともに仮称)のように、具体的な事例や手順の支えが必要な学習では、導入教材や事例集、ワークシートの出番が増えると考えられます。
変化3:単元の並びと系統の組み替え
3つ目の変化は、教材の章立てに直接影響します。多くの教科で、学習内容の整理の軸が組み直される方向です。
- 算数・数学:小学校算数から高校数学Ⅰまでの内容を、6つの「分野」で整理する方向です
- 理科:小・中・高で共通の4分野(物理・化学・生物・地学)と、各分野3つ程度の「区分」で整理する方向です
- 家庭:小・中・高で5つの領域に再編し、高校「家庭総合」は6領域とする方向です。住まいの働きや家庭内事故の防ぎ方を高校へ移すなど、学校段階をまたぐ移管も挙げられています
- 社会:中学校に、分野横断の単元を3つ設ける方向です
- 国語:話や文章が社会の中で果たす「機能」を軸に、領域をまたいで学習を関連付ける方向です
- 体育・保健体育:小学校第4学年までは具体的な運動の種類ではなく「動き」を軸に示し、各領域の学習は2年間のまとまりごとに計画的に学ぶことを基本とする方向です
学年の固定が緩む
学年の扱いも柔軟になりそうです。学年区分は引き続き一定示しつつ、学年を超えた指導時期の前倒し・後ろ倒しを認める方向が、算数・数学や社会などの記述に見られます。生活科でも、複数の内容を組み合わせた単元構想や、2年間を見通した学習活動が示されました。
教材は「この学年のこの単元」という前提で作られてきました。学年や単元の順番が学校ごとに動くことを想定して、単元を組み替えやすくすることが、準拠教材や問題集の設計課題になりそうです。単元ごとに既習事項を確認できる構成や、学習指導要領コードと対応付けた問題の管理も、その備えになると考えられます。
変化4:テストと評価課題の役割分け

4つ目の変化は、テストに最も強く関わります。審議まとめは、学習途中の「形成的評価」と、学習の成果を記録に残す「総括的評価」が十分に区別されず、学習評価のほとんどが評定に向けて行われることが多いと指摘しました。そのうえで、単元を見通して総括的評価の場面を精選し、評定への総括は学年末のみに行えることを明確に示す方向です。
観点別評価も見直しの対象です。「主体的に学習に取り組む態度」を教科ごとにABCで評価する仕組みを改め、総合所見欄での個人内評価と、思考・判断・表現の評価への「◯」の付記を組み合わせる方向です(詳しくは学習評価のコラムで解説しています)。
ペーパーテストに偏らない評価へ
審議まとめは、現状の課題を学校段階ごとに挙げています。小学校では、担当教科数が多く評価計画を丁寧に作る余裕がないといった事情もあり、知識・技能と思考・判断・表現の両方を業者から購入した単元テストで評価する例が多いとしています。中学校・高等学校では、入試などで成績が活用されるため、客観性を重視する観点から、両方をペーパーテストのみで評価する意識が根強いと述べています。そのうえで、「◯」の付記の仕組みを通じて、ペーパーテストに偏重した評価が改善され、論述・レポート・口頭試問・プレゼンテーション・作品制作などの評価課題が重視されることへの期待を示しました。
教材づくりの視点では、次の点が論点になりそうです。
- 確認問題と評価課題を分ける:学習途中のフィードバックに使う問題と、総合的な発揮を見る課題とを、役割で分けて設計します
- 単元テストの役割を見直す:小学校の単元テストは評価の中心を担ってきただけに、影響は小さくないと考えられます。どの観点を、どの問題で見ているのかを、学校が説明できる形で示すことが求められそうです
- 問いの質を上げる:社会では資料から根拠を挙げて記述させる問題、理科では観察・実験のデータから考察する問題、保健ではデータを読み取り原則に照らして行動を考える問題などの比重が高まると考えられます
- 採点基準まで用意する:論述やレポートを評価課題にするなら、何をどう見るかの基準も教材の一部になります
- 高校入試との関係を見る:審議まとめは、高等学校入学者選抜についても改善の方向を示しています(公立高校入試はどう変わる?)
変化5:紙とデジタルの組み合わせと、AIの扱い
5つ目の変化は、媒体です。審議まとめは、中央教育審議会のデジタル学習基盤特別委員会の整理を引き、デジタル教科書・デジタル教材・学習支援ソフトウェアをデジタル学習基盤の構成要素の1つとして挙げています。紙かデジタルかを選ぶというより、それぞれの役割を決めて組み合わせる方向です。算数・数学の節でも、紙の教材開発のノウハウとデジタルの特長を有効に組み合わせた形での進化が期待されています。
「体験の代わり」ではない使い方
教科の記述から読み取れるのは、デジタルを実物や体験の置き換えとして扱わない姿勢です。生活科では、ICT活用は直接体験を代替するものではないことを前提に、体験・認識・表現の質を高めるものとされました。理科では実験計測用センサーでデータ取得を効率化し、分析・考察に十分な時間を割けるようにするという例が挙げられています。家庭では、調理や製作を動画撮影して分析する例が示されています。
いずれの例も、活動を省くためではなく、考える時間や振り返りの質を高めるための使い方といえます。デジタル教材の企画でも、画面の中で完結する内容より、実際の活動と組み合わせたときに何が良くなるのかを説明できることが重要になると考えられます。
AIが前提の課題づくり
AIの扱いも教科横断の論点です。審議まとめは、AIの活用が統合的な理解や総合的な発揮を促すものとなるよう、好事例とともに深い学びにつながりにくい事例も発信すべきだとしています。教科の記述では、外国語で単にAI翻訳を提出すれば済むような課題の出し方をしないこと、社会で口頭試問の要素を取り入れるなどAIに頼った成果物が通用しないような評価の工夫、国語で要約などの場面でAIを不用意に使うことへの慎重さが示されました。
算数・数学ではAIドリルについて、教材として一定の質を有し、教師の適切な指導助言のもとで、子供が学びを自ら調整しながら活用することを前提に、計画的に使えば効果的・効率的な定着につながるとしています。AIを使うかどうかではなく、課題の設計がAIを前提に成り立っているかが、宿題やワークの設問づくりの焦点になりそうです。
探しやすさと更新しやすさ
デジタル学習指導要領が実現すれば、学習指導要領コードを介して、対応する多様な教材を探せるようになる方向です(参考:学習指導要領が「デジタル」になる)。教材側でも、どの学習内容に対応するのかをデータとして整理しておく意味が大きくなりそうです。
また、社会の変化が速い内容は、更新のしやすさが問われるでしょう。情報分野では、国が少なくとも1年に1度程度、学習者用教材などをアップデートする方向が示されました(情報の領域・情報・技術科で何を学ぶのか)。家庭のように、社会制度の変化を扱う領域でも、更新しやすい構成が求められると考えられます。デジタル教科書の制度面は、デジタル教科書の指針「素案」を読むで解説しています。
教科別の論点
- 国語:「話や文章の機能」で単元を束ねる設計、基幹教材と関連教材、高校の科目再編への対応
- 社会:用語の精選、中学校の分野横断の単元、出典が明確な資料と情報の真偽を確かめる活動
- 算数・数学:割合・比・分数のつまずき対策、6つの「分野」、論証を扱う問題、学び直しの設計
- 理科:4分野と区分に沿った系統の見直し、「理科と日常生活」「科学ガイダンス」の教材、データから考察する問題
- 外国語:基盤語彙リストと文法の焦点化、「コミュニケーション活動」との往還、小中接続
- 生活:体験と表現を行き来するワークシート、幼児教育や中学年以降との接続
- 音楽・図画工作・美術:完成作品より過程を支える教材、鑑賞の技能、組み替えやすい題材構成
- 家庭:5領域への再編と移管、中学校の家庭科の独立、探究の過程を支える教材
- 体育・保健体育:「動き」を軸にした資料、「スポーツ理論」、概念と原則で考える保健の問題
教材の種類別に見る確認ポイント
教科書の準拠教材・ワーク
単元の配列が新しい領域や分野、区分と対応しているかが最初の確認点です。教科書が精選されたときに、準拠教材が精選前の分量のままでは、教科書より重い教材になりかねません。必須の内容と発展の内容を分けて示せるかも見直しの対象です。
問題集・ドリル
用語や手順を確認する問題と、理解を使って考える問題の比率を見直す場面が増えそうです。定着のための反復を減らすという意味ではありません。審議まとめは「確かな知識」の習得を重視しており、算数・数学でも分散学習や検索練習などの知見に触れています。反復の必要な内容を見極め、考える問題とつなげることが論点になります。
テスト・模擬試験
観点の整理に合わせた設計の見直しが必要になると考えられます。形成的な確認に使うのか、総括に使うのかで、問題の作りと解説の書き方も変わります。記述問題を増やす場合は、採点基準と、学校が採点にかけられる時間とのバランスも検討が必要です。
指導書・教師用資料
審議まとめは「指導書の改善」を求めており、単元の構造を具体的に示す役割を期待する一方、指導書のとおりに授業を行うべきだという認識の課題も挙げています。手順を細かく示すだけでなく、単元のねらいと、時数や学校の実態に応じて調整できる選択肢を示す方向が、趣旨に沿うと考えられます。経験の浅い教師でも到達点を意識した授業をつくれるようにすることも、期待されている役割です。
デジタル教材
紙の教材をそのままデジタル化するのではなく、紙と組み合わせたときの役割を決めることが出発点です。学習の記録が蓄積できるか、学習指導要領の内容と対応付けて管理できるか、内容を更新しやすい構成か、といった点も確認しておきたいところです。
いつ、何を始めるか

審議まとめは2026年11月5日までパブリック・コメント(意見公募)にかけられ、2026年度冬頃の答申、2026年度末の小・中学校の改訂告示へと進む予定です。全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高等学校は2032年度入学生からの見込みです。
全面実施まで時間があるように見えますが、教科書の工程はもっと前に動きます。次期学習指導要領・教科書改訂スケジュールで整理しているとおり、小学校の新教科書は2027年度に著作・編集、2028年度に検定、2029年度に採択・供給、2030年度に使用開始という流れが想定され、中学校はそれぞれ1年後になります。
見落としやすいのが、現行課程の教科書改訂との重なりです。小学校の教科書は2028年度版、中学校は2029年度版の改訂も見込まれており、2027年度には「2028年度版の採択対応」と「次期課程版の著作・編集」が重なります。準拠教材の制作は、小学校向けが2028〜2029年度、中学校向けが2029〜2030年度、高校向けが2030〜2031年度あたりに集中すると見込まれるため、改訂需要が集中する時期の制作体制を早めに考えておくことが重要です。
教材づくりの時期の目安
教科書に準拠する教材は、教科書の内容が固まらないと確定できません。一方で、準備をそこまで待つ必要はありません。次のように段階を分けて考えると整理しやすくなります。
- 今から:自社の教材を、この記事の5つの変化に照らして棚卸しする。どの教材が単元配列の影響を受け、どの教材が問いの質の影響を受けるかを見極めます
- 告示後:学習指導要領の本文と「統合的な理解・総合的な発揮」の具体的な記述を確認し、企画の前提を固めます
- 教科書の検定期間:教科書の内容が確認できるまでの間に、準拠以外の教材や、到達点に沿った問題の企画を進めます
- 先行実施期間:小学校の「情報の領域」は2028年度から、中学校の「情報・技術科」は2029年度から段階的に先行実施し、調整授業時数制度も2028年度からの先行実施期間に活用できるようにする方向です。情報の分野は全面実施より早く需要が出ると考えられますが、国も学習動画・教材の整備に着手しています
社会の用語の精選方針は、2027年秋までに一定の方向性を示すことが求められています。このように、教科ごとに先に動く要素もあるため、全体の日程と教科別の動きを両方追う必要があります。
よくある質問(FAQ)
審議まとめの内容は決まったものですか?
いいえ。審議まとめは答申前の段階で、2026年11月5日までパブリック・コメントにかけられています。今後の答申、改訂告示を経て確定していくため、数字や名称が変わる可能性もあります。特に、調整授業時数の上限(最大15%程度)の具体の幅は、引き続き検討するとされています。
副教材や問題集も、学習指導要領の改訂で作り直す必要がありますか?
教科書のように検定を受けるものではありませんが、教科書や授業が変われば、対応する教材にも見直しが必要になります。審議まとめも、学習評価の考え方を示すことが「民間教材の開発」を促すと述べています。ただし、すべてを作り直すのではなく、単元配列の修正で足りるものと、問いの設計から見直すものを分けて考えるのが現実的です。
教科書が薄くなれば、その他の教材の需要は増えますか?
審議まとめは、教科書の精選とあわせて、理解を広げ深める手段としてその他の教材を活用する役割分担を示しています。ただし、紙の副教材が増えると決まっているわけではなく、デジタル学習基盤や学校図書館なども含めた多様な手段が想定されています。需要は、役割を説明できる教材に集まると考えられます。
テストは記述問題を増やすべきですか?
思考・判断・表現の評価では、ペーパーテストに偏らず、論述やレポートなど多様な方法を取り入れる方向が示されています。一方で、記述問題を増やせばよいというものではなく、知識・技能を確認する問題、学習途中の確認、総合的な発揮を見る課題という役割を整理することが先です。
準備はいつから始めるべきですか?
小学校の教科書の著作・編集は2027年度と想定されており、教材の棚卸しは今から始められます。企画の前提を固めるのは告示後、教科書に準拠する部分を確定するのは教科書の内容が確認できてから、と段階を分けるのがよいでしょう。
まとめ
審議まとめの9教科を横断して読むと、教材づくりに求められていることは、網羅から深まりへ、教科書との役割分担、単元と系統の組み替え、評価課題の役割分け、紙とデジタルの組み合わせの5つに整理できます。共通しているのは、教材が「何を載せているか」だけでなく、「どの到達点に向けて、どの役割を果たすのか」を説明できることが求められる方向にある点です。
エデュコンは、教材・テキスト制作で教科書準拠の教材やワークの企画・編集・執筆を、模擬試験・テスト制作で思考・判断・表現を問う問題づくりを承っています。次期学習指導要領に向けた教材の棚卸しや、企画の段階からのご相談もお気軽にお寄せください。
本記事は、中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(令和8年10月5日)の第1部(特に第3章、第5章、第6章)と第2部をもとに、エデュコン編集部が教材づくりの観点で整理したものです。教材への影響についての記述は編集部の読み取りを含み、審議まとめの見解そのものではありません。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。
この記事に関連する無料資料
記事のテーマに沿った資料を、無料でダウンロードいただけます。
-
2026年答申を待たずに始める、授業・教材・試験の新課程準備
学習指導要領改訂 学校対応チェックリスト【学校向け】
学習指導要領改訂に向けて、学校・教育機関が「答申前の今」から進められる準備を7つの視点・28項目のチェックリストにまとめました。校内体制づくりから自校教材の棚卸し、定期試験・入…
無料でダウンロード -
2026年答申を待たずに始める、教材棚卸し「7つの視点・28項目」
学習指導要領改訂 対応チェックリスト【出版社・企業向け】
学習指導要領改訂と デジタル教科書の正規化が同時に来る今回の改訂は、過去最大級の制作負荷になる見込みです。公示後に慌てないために、出版社・教材会社が答申前から進められる「自社教…
無料でダウンロード























