割合・比・分数のつまずき対策と小・中・高を貫く6つの「分野」──次期学習指導要領で算数・数学はどう変わるか
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2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会が「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を取りまとめました。その第2部「算数、数学」の節は、日本の子供の数学的リテラシーが世界トップクラスにある一方で、学年が進むほど算数・数学を「楽しい」と感じる子供が減り、割合・比・分数や論証(証明)の習得・定着に課題が残っていることを正面から取り上げています。そのうえで、小学校から高校までを貫く6つの「分野」での内容整理、見方・考え方への「批判的に考察すること」の追加、「数学ガイダンス」の新設、内容の精選といった方向を示しました。本コラムでは、小学校算数・中学校数学を中心に、何が変わり、何が変わらないのかを審議まとめの本文に沿って整理し、教材づくりへの影響を考えます。
この記事の要点
- 審議まとめは、割合・比・分数など習得・定着に課題がある内容について、確実な定着を図るため学習内容やその配列の改善を検討するとした
- 小学校算数から高校数学Ⅰまでを、数と式・図形・変化と関係・データと確からしさ・論証・社会を読み解く数学の6つの「分野」で整理する
- 見方・考え方は現行のものを基本的に維持しつつ、対象を「様々な事象や言説」とし、「批判的に考察すること」を加える方向が示された
- 中学校・高校に「数学ガイダンス」を新設し論証を充実する一方、不可欠といえない内容は精選し、総授業時数は増やさないことが前提とされた
審議まとめが描く算数・数学の現状
「案」の段階であることに注意
今回の審議まとめは、次期学習指導要領の方向を示した「案」の段階のものです。2026年11月5日までパブリック・コメント(意見公募)にかけられ、2026年度冬頃の答申、2026年度末の小・中学校の告示へと進む予定です。全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高等学校は2032年度入学生からです。改訂全体の日程は次期学習指導要領・教科書改訂スケジュールにまとめています。
数学的リテラシーは世界トップクラス
現行の学習指導要領は、「数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して、数学的に考える資質・能力」を小・中・高共通の目標とし、「数学的活動」や統計的な内容を充実させました。小学校では、全国学力・学習状況調査等で課題となっていた「割合に関する内容」も充実されています。審議まとめは、こうした改善を踏まえた授業づくりが進み、国際的な学力調査でも日本の小中高生の数学的リテラシーは世界トップクラスを維持していると評価しています。
学年が進むと「楽しい」が減る
一方で、授業改善は「道半ば」とされました。学年が進むにつれて算数・数学を楽しいと捉える子供が減る傾向があり、その背景に、目の前の学びが生活や将来の学び・職業にどうつながるのかが見えにくい状況がある、という見立てです。国際調査では、日常生活の問題を数学でどう解決できるか考えさせる指導を受けたと答えた生徒の割合や、数学を使う職業につきたい中学生の割合が低く、学習指導要領実施状況調査では、既習事項をもとに日常生活や社会の事象を数学的に分析しようとする子供が少なく、学んでいる内容と既習内容・今後の内容とのつながりも意識できていない、とされています。
令和7年度(2025年度)の全国学力・学習状況調査でも、小中の算数・数学で基本的概念の理解・定着が不十分な子供が見られ、授業の内容が「よく分かる」と答えた子供の割合が減少しました。家庭の社会経済的背景(SES)が低いほど平均正答率が低い傾向もあり、その影響をできる限り緩和する必要があるとしています。
つまずきが「雪だるま式」に増える構造
割合・比・分数、そして論証
審議まとめが繰り返し強調するのが、算数・数学は系統性・連続性が極めて強い教科だという点です。単元ごとの習得・定着が不徹底なまま進むと、進級・進学に伴って学習困難な事項が雪だるま式に増え、苦手意識が確固たるものになっていくとし、それが学校に通うこと自体の辛さにもつながりうる、とまで書いています。
学校段階ごとの課題として、小学校では割合・比・分数など特定の単元で、概念の理解が難しいことなどから習得・定着が十分でない児童が相当数存在するとされました。単元の理解に必要な既習事項の習得状況(レディネス)のアセスメントが十分に行われていない、という指摘もあります。中学校では、数学的推論や論証(証明)など、論理的に考察し説明する学習内容を多くの生徒が不得意としている状況が改善していない、とされています。
授業の中で起きていること
つまずきを生む授業側の要因にも、具体的に踏み込んでいます。
- 1コマで扱う問題数が極めて少ないなど、練習量が足りず定着が図れない指導計画がある
- 既習事項をまとめて確認したり再学習させたりする機会が十分でない。単元指導後に単元テストを行うだけの場合が多い小学校で特に顕著との指摘もある
- 理解度や進度が様々なのに、授業や宿題で全員に全く同じ問題を行わせ、得意な子供の意欲低下や苦手な子供の不定着を招いている例がある
改善には個に応じた学習過程が必要で、そのための認知心理学等の知見(分散学習、自己説明、検索学習、デュアルコーディング、精緻化など)の活用が不十分だとも指摘されています。
「みはじ」「くもわ」と意味理解
基礎的・基本的な知識・技能については、計算処理のように「用いることができること」と、計算の仕組みの理解のような「意味理解」の両方が重要だとしています。例として挙げられたのが、速さや割合の単元で行われることがある「みはじ」「くもわ」です。審議まとめは、これらが学習指導要領等に定めのあるものではないとしたうえで、単に暗記させるだけではかえって知識の習得を妨げかねず、最終的に意味理解を伴うようにすることが不可欠だと述べています。
担当教員が変わるところで学びの段差が生じないよう、進級・進学後に既習事項の定着状況を確かめるなど、学年・学校段階間の円滑な接続が一層重要になるともされました。
目標は維持、見方・考え方に「批判的に考察」

目標の柱書は「概ね妥当」
審議まとめは、生成AIが数学的な問題解決に使われる場面が増えるなかでも、結果の妥当性を検証するためにも、生成AIに振り回されない批判的思考力のためにも、数学的な素養は不可欠だという立場をとっています。そのうえで、「数学的活動を通して、数学的に考える資質・能力」を育てるという現行の目標(柱書)は引き続き概ね妥当とし、学校段階ごとの若干の文言の差をなくして小・中・高で統一するとしました。
「学びに向かう力」のうち育みたい態度は、①事象に知的好奇心や目的意識をもって問題を見いだし、数学を活用しようとする態度、②他者と数学的論拠に基づいて協働し、問題解決を進めようとする態度、③問題発見・解決の過程を振り返って評価・改善しようとする態度、の3つに整理されています。
見方・考え方の3つの見直し
「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え、論理的、統合的・発展的に考えること」という現行の見方・考え方は、学校現場にも理解が定着しているとして基本的に維持し、次の3点を見直して小・中・高で文言を統一する方向です。
- 対象:社会との接続をより意識して「様々な事象や言説」とする
- 視点:端的に「数理の視点」とする(例えば数や形、確からしさ、関係や変化。具体は各校種・科目の解説で説明)
- 考え方:クリティカル・シンキング(批判的思考)の重要性とメディアリテラシーの観点を意識し、「論理的、統合的・発展的に考え、批判的に考察すること」とする
「批判的」はあくまで建設的な目的でのものであることを解説で示すこと、3つの考え方は必ずしも同時に働かせるものではないことも付記されています。「言説」が対象に入ることで、数値やグラフを含む主張を数理の視点から確かめる学習が、これまで以上に意識されることになりそうです。
小・中・高を貫く6つの「分野」

「領域」「項目」から「分野」へ
次期学習指導要領では、各教科の内容を表形式で示す方向です。算数・数学は知識・技能の系統性が明確で、個々の知識・技能と一体的に育てる思考・判断・表現を示すことが授業改善につながるとして、知識・技能の内容のまとまりに対応した思考・判断・表現を並べて示す「並列パターン」で構造化するとされました。
内容の区分も変わります。現在、学習内容のまとまりは小学校算数・中学校数学では「領域」、高校数学では「項目」と呼ばれていますが、これをより体系的・概括的な「分野」に統一し、小学校算数から高校数学Ⅰまでを数と式、図形、変化と関係、データと確からしさ、論証、社会を読み解く数学の6つで整理する方向です。各分野の内容は相互に関連し合い、分野を横断する内容もあるとされています。また、「分野」への統一は学校種や学年による指導方法の違いを否定するものではないと明記されています。
「区分」ごとに「統合的な理解・総合的な発揮」を示す
各分野はさらに1〜2の「区分」に分けられ、区分ごとに「統合的な理解・総合的な発揮」と学習内容を整理する方向です。小学校は6年間、中学校は3年間を通した単位で示されます。「統合的な理解」では、理解してほしい数学の概念的要素と、それを用いて何ができるのかを具体的に示し、問題の解き方を教えるだけの授業から、数学の概念を使って何ができるかをつかませる授業への改善を促すとしています。「総合的な発揮」では、日常生活や社会で概念的要素の何に着目し、どのような数学的な問題解決ができるようになるのかを記述します。小学校については、過度に抽象的にならないよう可能な限り具体性を伴って示すとされています。
なお、教科名称を含めた教科の統一は意見の隔たりが大きいとして引き続きの検討課題とされ、算数の公的英語表記を「Arithmetic」から「Mathematics」に改めることのみ先行して実施するとされました。
何を充実し、何を精選するのか

小学校──割合・比・分数と「説明する活動」
内容の充実は、総授業時数を増加させないことが前提です。小学校では次の3点が示されました。
- 割合・比・分数など課題が見られる内容について、確実な習得・定着を図るため、学習内容やその配列の改善を検討する
- 中学校・高校での論証指導につながる論理的に説明する活動等を充実する
- 社会・職業との関係について独立した学習内容は設けず、各単元での指導を充実する
また、足掛かりとして学ぶ事項(例:帯分数)について、発達段階を踏まえて真に必要なものといえるかを改訂作業の中で点検するとされました。教育的意義があるものは解説等で必要性を丁寧に説明するという書き方で、削ると決めたものではありません。
中学校──「数学ガイダンス」と論証の充実
中学校以降は、学習内容同士のつながりや数学と社会・職業との関係が十分理解されていないとして、数学の教育課程全体の見取り図や社会・職業との関係を学ぶ「数学ガイダンス」を中学校と高校に新設する方向です。中学校では、小学校の内容との接続、中学校数学の内容の広がりと系統性、数学的に考えることが日常生活や社会を支えること、の3つが挙げられ、入学時や学年初めの「数学開き」の実践も参考にするとされています。
あわせて、論理的、批判的に考え判断できる力の重要性が高まっているとして、基本的な概念の理解や計算技能の確実な習得を図りつつ、数学的推論や論証(証明)等に関係する学習を中学校・高校で充実する方向です。
精選の方針と教科書・指導書
精選については、「統合的な理解」「総合的な発揮」の形成に必要不可欠な内容を中心に配列し、不可欠といえない内容は精選すること、小・中・高を通した一貫性・系統性・連続性の観点から見直すこと、積み上げの教科として系統的な学習が成立するよう注意することが示されました。あくまで学習指導要領(解説)上の精選であり、実際の指導では下学年の既習事項の定着確認や学び直しが必要な場合もあると注記されています。
教科書についても、教科書会社の編纂の参考として精選対象や構成上の工夫の参考例を示すべきだとし、全体の分量を増やさないことにも留意するとしています。さらに、教科書を網羅的に指導する傾向があるという指摘を踏まえ、教科書の各内容が「必ず取り扱うべき内容」なのか「必要に応じて扱うべき内容」なのかというグラデーションが分かるよう、教師用指導書上の工夫等を教科書会社に要請することも検討すべきだとしています。
授業・教育課程・デジタル教材はどう変わるか
認知心理学の知見と指導方法の使い分け
授業づくりについては、分散学習・検索練習・精緻化方略・具体化・教訓帰納方略など認知心理学・学習科学の知見を踏まえた指導(レディネスのアセスメントを含む)、具体的な事象から問題を発見・解決させる帰納的な指導と、まず教師が原理・法則を教える演繹的な指導のバランスのよい使い分け、「間違っても良い」「分からないと言える」心理的安全性のもとで考えの理由を説明させる授業などが例示されました。一方で、解説で特定の指導方法を念頭に置いた記載は極力抑制すべきだとしています。
「数学的活動」は、個々の学習内容として規定するのではなく、教科全体を通じて充実に取り組む旨を規定すべきだとされました。
調整授業時数と学年区分を超えた学び直し
算数・数学は、義務教育段階の調整授業時数制度の対象教科等として整理されています(制度の全体像は授業時数「最大15%削減」へで解説しています)。安易な時数の調整で定着に影響が出ないよう十分留意したうえで、「裁量的な時間」の学習枠では下学年の未習得事項を効果的に学び直すプログラムや個別指導、研究・研修等枠では単元構想づくりや教材研究などが例示されています。
内容の学年区分は引き続き一定程度示されますが、学校が必要と判断すれば学年区分にとらわれず指導できることを明示し、指導学年は「◯学年相当」の形で示す方向です。前倒し・後ろ倒しでまとまった時間をつくり、定着に課題のある単元の学び直しなどに充てられるとしたうえで、学び直しは同じ問題の繰り返しにとどまらないよう留意が必要と注記されています。
「文字式や証明を読んで理解する」「説明活動をする」
令和7年度の全国学力・学習状況調査では、低SESでも「文字式や証明を読んで理解する」「説明活動をする」の両方に取り組んだ子供は、高SESで取り組めていない子供よりも数学の正答率が高いという結果が示されました。審議まとめは、こうした学習活動の重要性を引き続き解説等で明示すべきだとしています。
デジタル教材とAIドリル
デジタル教材は、記号接地や概念の理解に有効な場面もあるとされ、教科書や教師用指導書のQRコードからデジタル学習指導要領、さらにデジタル教材にアクセスできるようになることが期待されています(参考:学習指導要領が「デジタル」になる)。そのうえで、従来の紙の教材開発のノウハウとデジタルの特長を有効に組み合わせた形での進化が期待されています。
AIドリルは、①教材として一定の質を有し、②教師の適切な指導助言のもとで、③子供が学びを自ら調整しながら活用できることを前提に、計画的に使えば効果的・効率的な定着につながるとしています。算数・数学の学習におけるAIの扱いは、技術の発展にあわせて機動的に見直すべきだとされました(全教科でのAIの扱いは全教科の学習指導要領に「AI」が入るを参照)。ICTの活用事例としては、図形・グラフのシミュレーション、表計算ツールによるデータ処理、即時フィードバック、AIによる自動採点などが挙げられています。
評価規準は「区分」ごと・学年ごとの「内容」から
学習評価については、国が示す「内容のまとまりごとの評価規準例」の「内容のまとまり」を、区分ごと・学年ごとに示される「内容」とする方向で検討するとされました。各学校が単元の目標(評価規準)を作る際も「内容」をもとにする方向です。全体の仕組みとしては、評価規準例を国が示して各学校での作成を不要とし、単元の目標をそのまま単元の評価規準とする改善が予定されています。
高校数学の要点──数学Ⅰの充実と選択科目の再編
高校については要点だけ押さえておきます。必履修科目の数学Ⅰには「数学ガイダンス」が置かれるほか、実社会の数学的場面をもとに「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」の基礎的素養を学ぶ「社会を読み解く数学」が新設される方向です。選択科目の数学A・B・Cは1つの新科目に統合し、数学Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの履修順序は維持するとされています。数学Ⅰの単位数の増加が見込まれるため、数学Ⅱを中心とした選択科目の内容を移行・精選し、数学科全体の総量は増やさないとしています。
中学校で育てた論証の力や、データと確からしさの見方は、こうした高校の学びにつながっていきます。高校数学の教材づくりについては高校向け教材制作でもご相談を承っています。
教材・テストづくりへの影響
「意味理解」と「練習量」を両立させる
割合・比・分数は、学習内容やその配列の改善が検討される単元です。配列がどう示されるかは告示・解説を待つ必要がありますが、課題認識ははっきりしています。公式の暗記で解けるようにするだけでなく、最終的に意味理解を伴うようにすること。同時に、1コマの問題数が少なすぎて定着しないという逆方向の課題も指摘されています。仕組みの理解と技能の定着に必要な練習量の両方を設計に組み込み、全員に同じ問題を課すのではなく理解度や進度に応じて選べる構成にすることが、ドリルやワークに求められます。分散学習や検索練習の知見を、出題の間隔や復習の仕掛けとして落とし込む余地も大きいはずです。
レディネスの確認と、繰り返しにとどまらない学び直し
単元前の既習事項の確認、単元テスト後の定着確認と再学習、進級・進学時の接続確認。審議まとめが取り上げたこれらの場面は、いずれも確認問題や診断テストで支えられる場面です。学年区分を超えた前倒し・後ろ倒しや調整授業時数で学び直しの時間が生まれれば、そこで使う教材も必要になります。同じ問題の繰り返しにとどまらない学び直しをどう設計するかが問われます。
論証と「説明する活動」を組み込む
小学校での論理的に説明する活動、中学校での論証の充実、「文字式や証明を読んで理解する」「説明活動をする」ことの重視。問題集やテストでは、答えを出す問題に加えて、理由を説明する問い、証明を読み解く問い、他者の説明を検討する問いの比重が増すことが考えられます。見方・考え方に「批判的に考察すること」が加わる方向も、データやグラフにもとづく主張を吟味する問題づくりにつながります。
教科書の精選と、紙・デジタルの組み合わせ
教科書の内容が精選され、指導書で「必ず取り扱うべき内容」と「必要に応じて扱うべき内容」のグラデーションが示されるようになれば、習熟や理解の深化を担う副教材・ワークの役割は大きくなります。6つの分野と区分ごとの「統合的な理解・総合的な発揮」に、各単元の問題がどう対応しているかを示せることも、教材の説明力になるでしょう。デジタル教材については、紙の教材づくりで培われてきた問題配列や解説の作り方と、シミュレーションや即時フィードバックといったデジタルの強みを、一つの学習の流れにまとめる設計が求められていきます。
よくある質問(FAQ)
小学校の算数では何が大きく変わりますか?
主な方向は、割合・比・分数など課題が見られる内容について学習内容やその配列の改善を検討すること、論証指導につながる論理的に説明する活動等を充実すること、学習内容を小・中・高共通の6つの「分野」で整理することです。社会・職業との関係について独立した学習内容は設けず、各単元での指導を充実するとされています。
「みはじ」「くもわ」は使えなくなるのですか?
審議まとめは使用を禁止してはいません。学習指導要領等に定めのあるものではないとしたうえで、単に暗記させるだけではかえって知識の習得を妨げかねず、最終的に意味理解を伴うようにすることが不可欠だとしています。
「数学ガイダンス」とは何ですか?
数学の教育課程全体の見取り図や、数学と社会・職業との関係を学ぶ学習内容で、中学校と高校(高校は数学Ⅰ)に新設する方向が示されました。中学校では、小学校との接続、中学校数学の広がりと系統性、数学的に考えることが日常生活や社会を支えることが挙げられています。
学習内容は減るのですか?
「統合的な理解」「総合的な発揮」の形成に不可欠といえない内容は精選する方針で、内容の充実も総授業時数を増加させないことが前提です。帯分数などの足掛かりとなる事項は、真に必要かを点検する対象として挙げられたもので、削除が決まったわけではありません。
いつから変わりますか?
2026年度冬頃の答申、2026年度末の小・中学校の告示を経て、全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高等学校は2032年度入学生からの予定です。
まとめ
審議まとめは、算数・数学について、目標と見方・考え方の骨格は維持しながら、つまずきの連鎖を断つ方向を示しました。割合・比・分数など課題が見られる内容の配列の改善、小・中・高を貫く6つの「分野」による内容の整理、見方・考え方への「批判的に考察すること」の追加、「数学ガイダンス」と論証の充実。その一方で、不可欠といえない内容は精選し、総授業時数は増やさない──足すことと絞ることが、セットで描かれています。
意味理解と練習量の両立、レディネスの確認、繰り返しにとどまらない学び直し、説明する活動。いずれも、問題の選び方と並べ方、解説の書き方といった教材の設計で支えられる部分です。
エデュコンは、小学校向け教材制作・中学校向け教材制作で算数・数学の教材の企画から執筆・編集までを、教材・テキスト制作でつまずき単元に配慮した問題配列や解説づくりを、模擬試験・テスト制作で説明や論証を問う問題づくりを承っています。次期学習指導要領に向けた算数・数学の教材・テストの見直しについて、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。
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