TOP
学習教材制作
映像授業制作
デジタル教材制作
すべてのサービスから探す
ご検討サポート
業種別サービス
制作フロー
料金ガイド
お役立ち情報

お電話でのお問い合わせ

03-6447-5524

受付時間:平日 10:00〜18:00

コラム

次期学習指導要領で国語はどう変わるか──「話や文章の機能」による再構造化、高校の科目再編、教科書の精選

カテゴリ

小学生向け教材コラム
中学生向け教材コラム
高校生向け教材コラム
「国語はこう変わる」「『話や文章の機能』で3領域をつなぐ」。原稿用紙と鉛筆のモチーフのバナー

2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会が「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を取りまとめました。その第2部「国語」の節は、国語科を、言葉を手掛かりに考えや思いを広げ深め、他者と伝え合うことでさらに深める力を育てる教科として「再構造化」する方針を打ち出しています。柱は、「考えや主張の理由付けと吟味」といった「話や文章の機能」で「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の学びをつなぐこと、「知識及び技能」を2つの側面で整理し直すこと、そして高等学校の科目構成の見直しです。教科書の精選や生成AIの扱いにも具体的な記述があります。本コラムでは、審議まとめの本文に沿って、国語で何が変わり、何が変わらないのかを整理します。

この記事の要点

  • 審議まとめは、国語の思考力・判断力・表現力等を「考えや主張の理由付けと吟味」などの「話や文章の機能」を軸に整理し、話す・聞く、書く、読むの学びをつなぐ方向を示した
  • 「知識及び技能」は「運用しながら深める」「教養として深める」の2側面で整理し直し、漢字の読み書きと偏・つくり等を一括りの事項にするなど内容を精選する
  • 高校は必履修の「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」に加え、新8単位の標準科目2つと新4単位の発展科目4つを新設する案(いずれも仮称)が示された
  • 教科書は「話や文章の機能」を軸に教材を精選・再構成し、「基幹教材」と「関連教材」を明確にする方向。生成AIは目標に直結する場面での不用意な使用に慎重さを求めた

現行の国語の成果と課題

前回改訂の成果

前回改訂では、言語活動の充実を通じて思考力・判断力・表現力等の育成を重視し、3領域で学習過程を明確にした系統的な指導を進めてきました。高等学校では、共通必履修科目「現代の国語」「言語文化」と、選択科目「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」が新設されています。審議まとめは成果として、話や文章の情報を理解し自らの考えを表現する学習活動や課題解決的な学習活動の充実などを挙げ、PISA調査で日本の15歳の読解力が世界トップクラスを維持していることにも触れています(生徒の学力層は幅広い状況にあることに留意が必要、との注記付き)。

子供の学びに見られる課題

一方、全国学力・学習状況調査等からは次のような課題が挙げられました。

- 言葉で思考を整理したり深めたりすること:思いや考えに適した言葉で表現すること、話や文章の内容と既有知識を結び付けて考えること。読書習慣の定着や語彙の習得にも課題
- 目的や場面に応じたコミュニケーション:相手に伝わるように構成して表現すること、対話による合意形成や相互理解を図ること
- 目的に応じた文章理解、情報の評価・熟考:多様な情報や意見の妥当性・信頼性を確かめること
- 言語文化を継承・発展させる態度:言語文化の担い手としての自覚をもつこと

学習指導要領の「示し方」にも課題

注目したいのは、課題が学習指導要領の示し方にもあると指摘している点です。思考・判断・表現の学習過程が「話すこと」「聞くこと」「話し合うこと」「書くこと」「読むこと」で異なり、各領域の学習が個別のものと意識されやすい。言語活動例が3領域別に整理されているため、目的を意識せずに文章の種類ごとに活動を細分化して指導する実態がある。どの知識・技能を思考・判断・表現の中で活用し、どれを取り立てて学ぶのかも明確でない──という分析です。

高等学校については、選択科目が全て4単位で時間割上の制約が大きいなか、「国語表現」が大学入試につながらない等の理由で進学希望者の多い高校で選択されにくいこと、国公立理系では「論理国語」と「古典探究」のみ、私立理系では「論理国語」のみの履修にとどまる例が多いことが挙げられています。

はじめての教材制作もまずはお気軽にご相談ください

はじめての教材制作も
まずはお気軽に
ご相談ください

制作事例・料金表を無料でチェック

制作事例・料金表を無料でチェック

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介しています

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介

資料ダウンロード
見積もり・納期を無料で相談

見積もり・納期を無料で相談

オンラインで打合せをしながら
予算に応じたご提案をいたします

オンラインでの打合せや
予算に応じたご提案なら

無料相談申し込み

国語科の「再構造化」と目標・見方・考え方

言葉を手掛かりに考えを深め、伝え合う教科へ

審議まとめは、生成AIが飛躍的に発展し、社会の多様性と分断の危険性がともに増すと想定される社会では、考えを言葉にして論理的かつ説得的に表現し対話する力、多様な他者の感性や情緒を理解する力、他者と協働して考えを深める力など、人間ならではの力の育成が必要だとしています。そのための改善の柱は次の3つです。

- 目標と見方・考え方を小・中・高で一貫して示す
- 「話や文章の機能」によって、話す・聞く、書く、読むの学びをつなぐ
- 「知識及び技能」を、各領域の学習の過程で生かし深めるものと、教養として深めるものに整理する

目標と見方・考え方

目標は小中高の柱書の文言を統一し、3つの柱ごとの目標は方向性を共通にしながら学校種ごとに書き分けます。学びに向かう力、人間性等では、表現や伝え合いの過程に対して、小学校は「注意を向けること」、中学校は「確かめながら捉え直すこと」、高等学校は「吟味すること」に重点を置く方向です。

現行の「言葉による見方・考え方」も、趣旨を踏まえつつ端的に示し直されます。審議まとめが示した要素は、教科で扱う対象としての「様々な事象を表す自他の言葉を」、物事を捉える視点としての「その意味や働き、使い方」、考え方や判断の仕方としての「多様な立場や考えを理解して、よりよく伝え合おうとすること」の3つです。3つ目の背景として、アルゴリズムによるネット上での社会の分断の危険性も挙げられています。

内容は「並行パターン」の表で示す

次期学習指導要領は、各教科の内容を表形式で示す方針です。国語は思考力・判断力・表現力等の系統性が明確で、知識・技能が全体としてその深まりを助ける構造をもつことから、思考・判断・表現の深まりを列として示し、それを知識・技能が支える「並行パターン」の表にするとされました。思考・判断・表現の「総合的な発揮」は、「A話すこと・聞くこと」「B書くこと」「C読むこと」の領域ごと(高等学校は科目別・領域ごと)に示します。表形式化とあわせて進む改善は学習指導要領が「デジタル」になるで解説しています。

「話や文章の機能」で3領域をつなぐ

話や文章の機能。「考えや主張の理由付けと吟味」という1つの機能で、「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」という異なる領域の学習を関連付ける

話や文章を「社会の中での働き」で捉える

国語の改訂で特に注目されるのが、「話や文章の機能」という新しい軸です。様々な種類の話や文章を扱う学習を別々に設定すると、それらに共通して働く資質・能力が見えにくい。そこで、話や文章が社会の中で果たす主な機能を整理し、各領域の思考力・判断力・表現力等の指導事項を、この機能ごとに整理します。審議まとめには「一部抜粋」として次の4つが示されています(いずれも仮称)。

- 事実や知識の整理と理解:事物や事象の構造・しくみ・因果関係などを筋道立てて示し、理解を促す
- 考えや主張の理由付けと吟味:考えや主張を理由や根拠と結び付けて示し、判断や納得を促す
- 思いや経験の表出と想像:経験や情景、心情などを多様な表現の工夫で描き出し、想像し感じたり考えたりすることを促す
- 協働による考えの深化や合意:互いの考えや情報を出し合い吟味・調整し、理解を深めて合意形成や意思決定に向かうことを促す

実際の話や文章は複数の機能を複合的に果たしている場合もある、という注記があります。

「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチ」を1本の線で

審議まとめが挙げる例が分かりやすいでしょう。「論説を読む」「意見文を書く」「提案のスピーチをする」は、領域も活動も異なりますが、いずれも「考えや主張の理由付けと吟味」に関わる学習です。これらを関連付けた指導計画を構想しやすくすることで、主張と根拠との関係など既習の知識・技能を想起しやすくし、異なる領域の学習で繰り返し使いながら理解を深められるようにする、という狙いです。

学習過程の示し方を簡素に

現行の学習過程は領域ごとに細分化されています(たとえば「読むこと」は「構造と内容の把握」「精査・解釈」「考えの形成」「共有」)。審議まとめは、学習活動全体を通してひとまとまりの思考・判断・表現を深める姿をイメージできるよう、次のように再整理するとしています。

- 話すこと、書くこと:考えの形成/表現・推敲
- 聞くこと、読むこと:構造と内容の理解・解釈/考えの形成
- 話し合うこと:考えの形成(詳細な学習過程は示さない)

「考えの形成」が全領域に共通して置かれ、ある領域で学んだことが他の領域でも活用されるよう促す整理です。

文章の種類と思考の要素を「一括り」の事項に

指導事項の書き方も変わります。現行は、学習過程に沿って細分化した事項と、文章の種類ごとの言語活動例を別々に示しています。これを、扱う話や文章の種類と、働かせる思考・判断・表現の要素とを一体的に示す形に改めます。審議まとめの例では、「書くこと」の「考えや主張の理由付けと吟味」に、「意見を述べる文章」という種類と、主張を明確にする、根拠を検討する、論理の展開を考える、表現を工夫するといった要素を一括りの事項として示すとしています。なお、内容の充実は「総授業時数を増加させないことが前提」と明記されています。

「知識及び技能」は2つの側面で整理し直す

知識及び技能の2つの側面。「運用しながら深める」は話す・聞く・書く・読むの中で使い、「教養として深める」は言葉や言語文化の意義や価値と結び付けて理解し、どちらも思考・判断・表現の深まりを支える

運用しながら深める/教養として深める

「知識及び技能」は、性質に応じて次の2つの側面で整理し直されます。

- 運用しながら深める側面:話や文章の構造や表現の仕方などの知識・技能を、どの思考・判断・表現の過程で、何のために働かせるのかを明確にし、実際に話す・聞く、書く、読む中で使う学習を促す
- 教養として深める側面:言葉や文字の仕組み、古典や読書、文字を整えて書くことなどを、その意義や価値と結び付け、社会や文化とのつながりの中で理解を深める学習を促す

学習指導要領では「(1)運用しながら深める事項」「(2)教養として深める事項」として位置付けます。相互に排他的な分類ではなく、各事項の主たる性質や指導・評価の重点を明確にするための整理だとされています。

分割・統合、系統化、明確化──漢字の例

各事項は、性質に応じて分けたりまとめたりする分割・統合、特定の校種・科目にしかない事項でも繰り返し活用が有効なら小中高を通じて位置付け直す系統化、思考・判断・表現の前提となっているのに明示されていない知識・技能を事項にする明確化の3つの考え方で再整理し、「事項のまとまり」で構造的に示します。

統合の例として挙げられたのが漢字です。現行では「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」が別の内容ですが、これを統合し、漢字の構成や意味などと関連付けながら読み方と書き方を身に付ける一括りの事項にするとしています。

語彙・読書・情報の扱い方・言語文化

前回改訂で充実を図ったこの4分野は「道半ば」として、さらに次のように整理されます。

- 語彙:文脈の中で語句を「使い」ながら語感を磨く学習と、語句の意味や語句同士の関係を理解して語彙を豊かにする学習を、相互に深まるようにする
- 読書:読書へのきっかけや動機づけを高める機会と、自立的な読書への移行を支える学習の充実。学校図書館の機能の充実もあわせて進める
- 情報の扱い方:「情報と情報との関係を吟味し整理する力」と「情報の信頼性や妥当性を見極める力」を発達段階に応じて系統的に示す
- 言語文化:特に高校の古典学習で、「小中と高等学校の学びの接続強化」「文語文法及び口語訳への指導の偏りの見直し」「言語文化への理解を深める学習の充実」を図る

情報の扱い方は、「情報の領域」や「情報・技術科」との整理を今後の告示文・解説の検討で行うとされています(参考:小学校「情報の領域」・中学校「情報・技術科」で何を学ぶのか)。また、文章の種類に応じた構成や展開、段落や場面の捉え方など、知識・技能を活用するための学習方略を、認知心理学などの知見を踏まえて告示文や解説で示すことも検討されます。

高校は標準科目と発展科目を新設する案

高校国語の科目構成案。必履修科目は現代の国語Ⅰ・言語文化Ⅰ、選択科目は新8単位の標準科目として現代の国語Ⅱ・言語文化Ⅱ、新4単位の発展科目として論説と批評・対話と表現・文学と創作・古典と文化(いずれも仮称)

必履修科目は2科目の枠組みを維持

高等学校は、現行の基本的な枠組みを維持しつつ、論理的思考力と感性・情緒の両面を二項対立に陥らず、統合的かつ効果的に育成する方向で見直されます。必履修科目は、実社会で必要な論理的思考力やコミュニケーション能力を中心に育成する「現代の国語Ⅰ」(仮称)と、多様な他者の感性や情緒を理解し豊かに想像・表現する力を中心に育成する「言語文化Ⅰ」(仮称)の2科目です。

選択科目は標準科目2つと発展科目4つに

選択科目は、現行の4科目から内容を抽出して組み替える案です。

- 標準科目(新8単位):3領域を偏りなく学び、主に論理的思考力やコミュニケーション能力を育てる「現代の国語Ⅱ」と、古典と近代以降の文章を言語文化として学び、主に感性や情緒を理解し想像・表現する力を育てる「言語文化Ⅱ」(いずれも仮称)。大多数の生徒の履修を想定した選択科目
- 発展科目(新4単位):「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(いずれも仮称)。標準科目の履修を前提に、内容を焦点化して学び、多様な興味・関心や進路に応じる

大多数の生徒が論理と感性の両面の標準科目を学ぶことで、学びの偏りを解消する設計です。「新単位」は、第1部で示された単位制の柔軟化によるもので、現行の「50分×35コマで1単位」に対し50分×17コマを1新単位とします。計算上、新8単位は現行のおよそ4単位分の時間数です。必履修科目を1・2年次で分割履修する場合は、2年次目に標準科目を同時に履修できるようにします。

科目の趣旨で教材を選ぶ

教材は、科目の趣旨を踏まえて基本的な教材を定め、それ以外は趣旨に合致するかで判断します。論理的思考力に重きを置く科目は論説文や批評文などが中心ですが、趣旨に合う活用なら文学作品なども扱えます。感性・情緒に重きを置く科目は文学作品や古典が中心で、それらに関する論説文や批評文なども扱えます。実用文は、報道文や広告、それらに関する論説文や批評文などを中心に扱うことを明記する方向です。

教科書は「話や文章の機能」を軸に精選へ

関連する教材をまとめて精選・再構成

国語の節は、教科書の精選についても具体的に書いています。現行教科書でも複数の領域を関連付ける構成は部分的に取り入れられていますが、関連付けの観点や示し方は教材のまとまりや発行者によって異なり、年間を通した学習のつながりが明確とは限りません。そこで、既存の構成のよさを生かしつつ、「話や文章の機能」を軸に相互に関連する教材等を統合的に扱い、内容の重なりを整理して精選・再構成することが考えられる、としています。

「基幹教材」と「関連教材」

各教材の役割や扱いの軽重も明確にします。資質・能力の育成を主として担う「基幹教材」を明確にしたうえで、各校の教育課程や児童生徒の状況に応じて弾力的に使える「関連教材」を位置付けます。

例として、「文章の構成や論理の展開を的確に捉える力」をねらいとする場合、主張と根拠の関係や論理の展開が比較的明確な論説等を基幹教材とし、同じテーマで構成が異なる論説や、より複雑な構成・展開の論説などを関連教材とします。基幹教材で育てた力を、関連教材で繰り返し働かせて定着させたり、発展的に高めたりするわけです。調整授業時数制度で時数を増減したり、高校で単位数を増減したりする場合も、必要な学習内容を保障したうえで関連教材の活用の程度を調整できる、とされています。

校種間の重なりと学習の手引き

スピーチをすることや手紙を書くことなど、小学校の学習活動と類似したものが中学校・高等学校の教科書にも掲載され、発達段階に応じた違いが十分でない状況もあると指摘されています。繰り返し扱う内容は、異なる視点から学べる教材を配置するなど、既習事項を活用・発展させる教材の掲載が考えられるとしています。教材に付く学習の手引きや活動例も、内容理解を促す発問や活動に偏重せず、各教材の役割や学習の重点を明確にして、必要性を精査したうえで設定することが考えられる、とされました。

授業と評価はどう変わるか

生成AIは「ねらいに合致する場合」に活用

生成AIを含むICTは、発達段階を踏まえつつ、教育活動のねらいに合致する場合に活用することを原則とし、生成された出力も比較・吟味の対象であること、自ら考え判断し表現した内容を自らの言葉で説明し責任を持つことを基本に据える、とされました。

特に具体的なのが、慎重になるべき場面の例示です。文章の全体像を理解する力を育てるために要約する活動、初発の思考を文章化する活動、書くための構成を検討したり情報を選択したりする活動など、単元で目標とする資質・能力の育成に直結する場面でAIを不用意に使うことには慎重になるべきで、児童生徒自身が行うべき思考・判断・表現の過程がAIに代替されないよう特段の留意が必要だ、としています。課題の項では、検索結果の最上部に表示されるAIの要約を単純にコピー&ペーストする実態にも触れています。全教科を通じたAIの位置付けは全教科の学習指導要領に「AI」が入るで整理しています。

ローマ字・書写・教科書等を読み解く力

ローマ字の学習は現行どおり国語科の小学校第3学年で行い、ローマ字入力によるタイピングは「総合的な学習の時間・情報の領域」を中心に学びます。書写は、文字入力の機会が増える中でも小中学校での指導を引き続き重視し、とりわけ小学校では手書きによる丁寧な指導を推進します。書字に困難さがある児童生徒へのデジタル学習基盤の活用や代替措置の提供、評価対象としての「文字を整えて書く力」と表現の手段としての筆記の区別も、留意点として挙げられています。

また、各教科の学習を支える「教科書等を読み解く力」の育成に向けて、日常的に用いられる語句、教科によって意味や使い方が違う語句、教科特有の意味をもつ語句に関する課題を整理し、教科書の改善や多様な教材開発を促すとしています。

評価は形成的評価を重視し、知識・技能は2側面で

国語の学習評価は、基本的な考え方のイメージとして次のように整理されました。

- 思考力・判断力・表現力等:学習の過程では形成的評価で学習改善に生かし、単元の成果として思考・判断・表現しているパフォーマンスについて、事項の要素が総合的に発揮されているかという視点から総括的評価を行う
- (1)運用しながら深める事項:思考・判断・表現の過程で活用できているかという点からの形成的評価に重点を置き、複数の単元を経た後に総括的評価の場面を設ける
- (2)教養として深める事項:機械的な習得に偏らず、試行錯誤を伴う活動などで形成的評価を行い、単元の終末や学期末等に総括的評価を行う

現状の課題としては、短い単元で総括的評価まで行おうとして適時のフィードバックを行いにくいことや、事実的な知識を問うペーパーテストだけで総括的評価を行う実態が挙げられています。あわせて、収集した情報の信頼性や妥当性を確かめたうえで自ら思考・判断・表現できているかという観点を一層重視することが、当面の基本的考え方とされました。なお全教科共通の見直しとして、「主体的に学習に取り組む態度」の教科ごとのABC評価を改め、総合所見欄での個人内評価と、思考・判断・表現の評価への「◯」の付記を組み合わせる方向も示されています。

調整授業時数と学年区分

義務教育段階の調整授業時数制度では、国語科も対象教科等とされました。「裁量的な時間」の活用例として、総合的な学習の時間の探究で国語科の学習を生かす指導(地域の方言の探究など)、辞書を用いた語彙指導、認知心理学の知見に基づく読解力向上プログラム、ビブリオバトルや読書会、国語科の単元構想づくりや教材研究などが挙げられています(制度の全体像は授業時数「最大15%削減」へを参照)。学年区分は一定示しつつ、学年を超えた指導時期の前倒し・後ろ倒しを認め、想定学年は「◯学年相当」の形で示す方向です。

教材づくりへの影響と今後のスケジュール

単元を「機能」で束ねる設計へ

教科書が「話や文章の機能」を軸に教材を関連付ける方向になれば、ワークや副教材、デジタル教材も、読む・書く・話す単元を別々に扱う作りから、同じ機能でつながる学習を行き来できる作りへの見直しが求められそうです。たとえば論説の読解で確かめた主張と根拠の関係を、意見文やスピーチの構成で使い直す、といった設計です。学習の手引きや設問も、その教材で育てる力と学習の重点が見える形が求められます。

分量を調整できる補助教材

基幹教材と関連教材の考え方は、学校が分量を選べる教材や、構成・難易度の異なる文章を段階的に用意した教材と相性がよいはずです。漢字や語句の教材も、読み書きと構成・意味を関連付ける、文脈の中で使いながら語感を磨く、といった方向への組み替えが考えられます。

テスト・評価課題の見直し

思考・判断・表現は単元の成果としてのパフォーマンスで、運用しながら深める知識・技能は複数単元を経て総括する、という考え方に沿えば、テストや確認問題も、学習途中のフィードバックに使うものと、総合的な発揮を見る課題とを役割で分けて設計することが求められます。情報の信頼性や妥当性を確かめて考えをまとめる力や、AIの出力を比較・吟味する力も、評価課題の重要なテーマになりそうです。高校では、標準科目・発展科目の新設が実現すれば、教材や問題集の科目対応も見直しの対象になります。

今後のスケジュール

審議まとめは2026年11月5日までパブリック・コメントにかけられ、2026年度冬頃の答申、2026年度末の改訂告示(小・中学校)へと進む予定です。全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高等学校は2032年度入学生からの見込みです。学年区分や領域ごとの時数の目安の示し方、学習方略、「統合的な理解・総合的な発揮」の具体的な内容などは、告示文や解説の検討の中で整理されます。改訂全体の日程は次期学習指導要領・教科書改訂スケジュールにまとめています。

よくある質問(FAQ)

「話や文章の機能」とは何ですか?

話や文章を、社会の中で果たしている主な働きに着目して整理したものです。審議まとめには「事実や知識の整理と理解」「考えや主張の理由付けと吟味」「思いや経験の表出と想像」「協働による考えの深化や合意」(いずれも仮称・一部抜粋)が示されています。指導事項をこの機能ごとに整理し、異なる領域の学習を関連付けやすくする狙いです。

漢字の学習はどう変わりますか?

現行では別の内容の「漢字の読みと書き」と「漢字の偏やつくり、由来や特質」を統合し、漢字の構成や意味と関連付けて読み書きを身に付ける一括りの事項にする例が示されています。書写では、とりわけ小学校で手書きによる丁寧な指導を推進するとしています。

高校の「論理国語」や「文学国語」はなくなるのですか?

審議まとめの案では、現行の選択科目4つから内容を抽出し、標準科目「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」(新8単位)と、発展科目「論説と批評」「対話と表現」「文学と創作」「古典と文化」(新4単位)を新設するとしています。案に現行の選択科目名は含まれていませんが、科目名はいずれも仮称で、今後の告示に向けて検討されます。

国語の授業で生成AIを使ってもよいのですか?

教育活動のねらいに合致する場合に活用することが原則です。ただし、要約する活動や初発の思考を文章化する活動など、単元の目標に直結する場面で不用意に使うことには慎重になるべきだとし、児童生徒自身の思考・判断・表現の過程がAIに代替されないよう留意を求めています。

いつから変わりますか?

全面実施は、小学校が2030年度、中学校が2031年度から、高等学校は2032年度入学生からの見込みです。審議まとめはパブリック・コメントを経て2026年度冬頃に答申、小・中学校は2026年度末に告示される予定です。

まとめ

次期学習指導要領の国語は、文章の種類ごとに学習を区切る作りから、話や文章が社会の中で果たす「機能」を軸に、話す・聞く、書く、読むの学びをつなぐ作りへと組み替えられようとしています。知識・技能は使いながら深めるものと教養として深めるものに整理され、高校では論理と感性の両面をバランスよく学ぶ科目再編が、教科書では「基幹教材」と「関連教材」による精選が示されました。生成AIについては、ねらいに合致する場合の活用を原則としつつ、子供自身が考え、書く過程を代替させない線引きが示されています。

教材には、単元や領域をまたいで力を使い直せる設計、分量や難易度を調整できる構成、学習の途中で力を確かめる課題が、これまで以上に求められることになります。エデュコンは、教材・テキスト制作で国語のワーク・副教材の企画・執筆を、模擬試験・テスト制作で思考・判断・表現を問う問題づくりを承っています。小学校向け教材制作・中学校向け教材制作・高校向け教材制作もあわせてご覧ください。次期学習指導要領に向けた国語教材の見直しについて、お気軽にご相談ください。

はじめての教材制作もまずはお気軽にご相談ください

はじめての教材制作も
まずはお気軽に
ご相談ください

制作事例・料金表を無料でチェック

制作事例・料金表を無料でチェック

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介しています

過去の事例や制作フローを
パンフレットで紹介

資料ダウンロード
見積もり・納期を無料で相談

見積もり・納期を無料で相談

オンラインで打合せをしながら
予算に応じたご提案をいたします

オンラインでの打合せや
予算に応じたご提案なら

無料相談申し込み

記事をシェアする

この記事を書いた人 / 監修

エデュコン教材制作チーム

エデュコン教材制作チーム

創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
教育・IT・編集のプロフェッショナルが集まる専門チームが記事を監修しています。

この記事に関連する無料資料

記事のテーマに沿った資料を、無料でダウンロードいただけます。

資料ダウンロード一覧へ
前の記事

「主体的に学習に取り組む態度」のABCは廃止へ──思考・判断・表現への「◯」で変わる次期学習指導要領の学習評価

一覧へ 次の記事

割合・比・分数のつまずき対策と小・中・高を貫く6つの「分野」──次期学習指導要領で算数・数学はどう変わるか

資料ダウンロード

エデュコンのサービスがよくわかるパンフレットをはじめ、検討時に役立つチェックシートや資料も今すぐダウンロードいただけます。

資料一覧を見る
資料一覧を見る
教育専門の編集プロダクションとして制作実績は500社以上!まずはお気軽にご相談ください

教育専門の編集プロダクションとして
制作実績は500社以上!
まずはお気軽にご相談ください

お役立ち資料ダウンロード

サービスの詳細を
今すぐ知りたいなら

エデュコンの多様なサービスの詳細や制作事例がよくわかるパンフレットを無料でダウンロードいただけます。 また、検討時に役立つ各種チェックシートもご利用ください。

エデュコンの事業内容や制作事例がよくわかるパンフレットをはじめ、依頼検討時に役立つ各種チェックシートを無料でダウンロードいただけます。

今すぐ無料でダウンロード
お役立ち資料ダウンロード お役立ち資料ダウンロード
今すぐ無料でダウンロード