デジタル教科書の発行・採択はどう変わる?──制度の見直しと現場の声
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デジタル教科書を本格的に導入するには、内容の良し悪しだけでなく、「どうつくって届けるか(発行)」「どれを使うか、どう決めるか(採択)」という仕組みを整える必要があります。2026年7月の国の検討会議では、この発行・採択の指針づくりが議論され、学校現場への意向調査の結果も取り上げられました。本コラムでは、教材・問題制作の現場の視点から、少し分かりにくい制度面をやさしく解説します。(全体像はデジタル教科書の導入検討はいまをご覧ください。)
教科書の「発行」と「採択」とは

まず、言葉の意味を整理します。
発行──つくって、届ける
発行とは、教科書をつくり、学校に供給することです。教科書会社が編集し、国の検定を経て、実際に子どもたちの手元に届くまでの流れを指します。デジタルの場合は、紙とは違う形での供給や配信の仕組みが必要になります。
採択──どれを使うかを決める
採択とは、たくさんある教科書の中から、実際に使うものを決めることです。地域や学校の実情に応じて選ばれます。デジタルな形態が加わると、「紙とデジタルをどう組み合わせて選ぶか」という新しい観点も出てきます。
デジタルで、何が新しくなるのか

デジタルが加わることで、発行・採択にも新しい論点が生まれます。
「デジタルな形態を含む教科書」という考え方
国が検討しているのは、紙をデジタルに置き換えることではなく、「デジタルな形態を含む教科書」をどう位置づけるかです。紙とデジタルの両方を見すえた、新しい教科書のあり方を整えようとしています。
指針づくりが進む
こうした新しい教科書を円滑に導入するために、発行・採択の指針づくりが進められています。どんな基準で、どんな手続きで進めるか――。関係者へのヒアリングを重ねながら、丁寧に議論が続いています。
現場の声を聞く──意向調査

制度づくりで欠かせないのが、実際に使う学校現場の声です。
教科書の形態への意向を調べる
検討会議では、教科書の形態に関する意向調査の結果も取り上げられました。現場が紙とデジタルのどんな形を望み、どんな課題を感じているか――その実情を踏まえることで、机上の空論ではない、現実的な制度づくりがめざされています。
現場の実情を踏まえて
学校によって、端末の状況も、通信環境も、準備の度合いもさまざまです。だからこそ、一律に決めるのではなく、現場の実情に寄り添って進めることが大切にされています。
慎重に、段階的に
新しい制度だけに、進め方も慎重です。
一斉切り替えではなく
デジタル教科書は、ある日いっせいにすべてが切り替わるものではありません。効果や健康、現場の準備を確かめながら、段階的に導入していく方向で検討が進んでいます。紙とデジタルが当面は共存する形が現実的です。
環境・費用・準備を見ながら
導入には、端末や通信環境、費用、先生方の準備など、さまざまな条件が関わります。これらを見ながら、無理のないペースで進めることが、現場の混乱を防ぎます。
教材・制作の視点から
制度づくりは、私たちつくる側にとっても大切な意味があります。
ルールが定まると、動きやすくなる
発行・採択の指針が定まると、デジタルを含む教材をどう設計し、どう届けるかの見通しが立てやすくなります。ルールがはっきりするほど、現場の実情に合った、質の高い教材づくりに力を注げます。国の検討の行方を、私たちも注目しています。
よくある質問(FAQ)
「発行」と「採択」は何が違うのですか?
発行は教科書をつくって学校に届けること、採択はたくさんの教科書の中から実際に使うものを決めることです。デジタルが加わると、供給の仕組みや、紙との組み合わせ方など、新しい観点が出てきます。
デジタル教科書はすぐに全面導入されるのですか?
いいえ。効果・健康・現場の準備を確かめながら、段階的に進める方向で検討されています。当面は紙とデジタルが共存する形が現実的です。
現場の意見は反映されるのですか?
はい。検討会議では、教科書の形態に関する意向調査の結果が取り上げられました。現場の実情や課題を踏まえて、無理のない制度づくりがめざされています。
まとめ
デジタル教科書の本格導入には、発行・採択という仕組みづくりが欠かせません。国は「デジタルな形態を含む教科書」の指針を検討し、現場の意向調査も踏まえながら、慎重に、段階的に進めようとしています。一斉切り替えではなく、紙とデジタルの共存を前提に、現場の実情に寄り添う――。この方向性は、私たち教材制作の現場にとっても、質の高い教材づくりの土台になります。エデュコンは、国の動向を見つめながら、これからの学びを支える教材づくりに取り組んでいきます。デジタル教材制作では、デジタル教科書からドリル・演習問題アプリ、映像・配信授業まで、企画・開発を承っています。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
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