中学校に3つの分野横断の単元、教科書は用語の精選へ──次期学習指導要領で社会科はどう変わるか
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2026年10月5日、中央教育審議会の教育課程部会が「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を取りまとめました。第2部の「社会、地理歴史、公民」の節は、知識を網羅的に学ぶ授業から、学習上の課題(問い)に基づいて追究する授業への転換を改めて掲げています。中学校社会科に3つの分野横断の単元を設けること、学習指導要領と教科書の両方で用語を含む内容の精選を進めること、「情報の妥当性の確認」に関する技能を新たに位置付けること、主権者教育を実践的な活動と外部連携で充実させることなどです。本コラムでは、審議まとめの本文に沿って何が変わり、何が変わらないのかを整理し、教材づくりへの影響を考えます。
この記事の要点
- 2026年10月5日の審議まとめは、中学校社会科に地理・歴史・公民をつなぐ3つの分野横断の単元を設け、地域を題材とした学習をその中に位置付ける方向を示した
- 学習内容は全体として増やさず、学習指導要領の重複整理と教科書の用語の精選を一体で進める。用語の精選方針は2027年秋までに一定の方向性を示すことが求められている
- 見方・考え方の対象を「社会的事象や言説」とし、集めた情報の信ぴょう性を確かめる「情報の妥当性の確認」に関する技能を新たに位置付ける
- 主権者教育は、政治的中立性の確保を前提に、模擬選挙などの実践的な活動と選挙管理委員会・NPO法人等の外部機関との連携を充実させる方向
審議まとめが挙げた社会科の成果と課題
成果と、残る「断片的な知識の習得中心」の授業
審議まとめは、現行の学習指導要領のもとで、生徒が社会科、地理歴史科、公民科(以下「社会科等」)の学習を「役に立つ」「わかる」「好き」と答える割合が従前と比べて改善したと成果を認めています。高等学校の「地理総合」「歴史総合」「公共」と、「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」「政治・経済」という科目構成も現行の枠組みで、今回はその中身を見直す内容です。
一方で、断片的な知識の習得中心の授業も依然として見受けられ、問いによる追究や授業改善は道半ばだとしています。背景として、高校入試改革等が道半ばであること、教科書の分量等が多すぎることを指摘する声もあると記しています。中学校の実施状況調査(令和5年度)では、「資料などから疑問を見つけたり問いを作ったりしている生徒」は60%前後にとどまっています。
社会参画、デジタル活用、地域との連携の課題
- 社会参画意識:直近の衆議院議員総選挙の投票率は全体の56.26%に対し、10代は43.45%。高等学校の主権者教育で選挙管理委員会と連携しているのは約20%、地方公共団体は約7%、関係団体・NPO等は約3〜5%
- デジタル学習基盤:ICT端末の活用が「共通の資料を大きく提示する場面」や「インターネットで自由に調べる場面」が中心で、教具的発想にとどまっている。検索結果の最上部に表示されるAIの要約を単純にコピー&ペーストする児童生徒への指導も十分でない
- 地域の素材や人材:中学校・高等学校で、博物館や郷土資料館の活用など地域の素材や人材を活用した授業の実施状況は約20〜30%
そのうえで、社会情勢の変化や人権に関わる法令等を踏まえた内容の見直しが必要だとしつつ、調整授業時数制度も見据え、全体として学習内容を増加させず、一定の精選を図る必要があると明記しました。充実と精選を同時に求めていることが、社会科の節を読むうえでの前提です。
目標と「見方・考え方」はどう整理し直されるか

目標の骨格は小・中・高で共通のまま
教科の目標の柱書は、骨格を引き続き小・中・高等学校で共通としたうえで、発達段階を踏まえた表現にします。現行の「グローバル化する国際社会」という記載は地域・国・世界を含めたよりよい社会の形成を踏まえて、「主体的に生きる」は多様な他者と「協働的に」生きることを踏まえて見直す方向です。目標は箇条書き等で簡潔に示すとされました。3つの柱ごとには、次の見直しが示されています。
- 知識及び技能:「社会的事象に関する概念」の理解を充実させる。調べまとめる技能は、小・中学校では「確かな」情報に基づき「適切かつ」効果的に、高等学校では「その妥当性を吟味しながら」身に付ける方向
- 思考力、判断力、表現力等:自らの考えを批判的に捉え直す力の観点を追記する
- 学びに向かう力、人間性等:全教科共通の4要素(初発の思考や行動を起こす力・好奇心、他者との対話や協働、学びの主体的な調整、学びを方向付ける人間性)で整理する
「見方・考え方」を「対象」「視点」「方法」で捉え直す
現行の小学校社会科の「見方・考え方」は、社会的事象を、位置や空間的な広がり、時期や時間の経過、事象や人々の相互関係などに着目して捉え、比較・分類したり総合したりすること、などとされています。審議まとめはこれを、学ぶ「対象」、着目する「視点」、考え方や判断の仕方としての「方法」に分けて捉え直し、新しい「見方・考え方」では、対象と抽象的な視点・方法を端的に示すとしました。
1. 対象は「社会的事象や言説」:現実社会では、事象を表象する「言説」も含めて多様な情報が混然一体として存在するため。ただし、言説はあくまで思考の契機であり、事象との関係の中で扱うべきもので、両者は同次元ではないことが前提とされています
2. 視点は地理・歴史・公民の分野ごと:各分野固有の抽象的な「視点」として整理します
3. 方法は「多面的・多角的」と「公正に判断」:「よりよい社会の形成」に向けて社会に見られる課題を多面的・多角的に考え、確かな根拠に基づき公正に判断すること
従前の「見方・考え方」は現場に広く浸透していることから、継続性を確保するため、「統合的な理解・総合的な発揮」の中で学びの深まりを示す要素は、例えば「社会的な視点や方法等」と呼ぶことが示されています。
「統合的な理解・総合的な発揮」と表形式化
次期学習指導要領では、各教科の内容を「統合的な理解・総合的な発揮」を軸に構造化し、表形式で示します。社会科等では、原則として各分野・科目の内容項目(中項目)ごとに構成します。「統合的な理解」は個別の知識・技能を統合し、社会のさまざまな場面で活用できる概念として習得された状態で、個別の用語の暗記にとどまらない授業への改善を促すもの。「総合的な発揮」は考察や構想の際の「社会的な視点や方法等」を示し、学習過程を通じて追究する「本質的な問い」を教師が構想しやすくするもの、とされています。
表の形式は、知識・技能と思考・判断・表現の一体的な育成を重視して「並列パターン」を採ります。第1部の説明では、「知・技」の内容のまとまりに対応した「思・判・表」を並べて示す形式です。
学校段階ごとの見直し──中学校には3つの分野横断の単元

小学校:身近な地域から国際社会へ、の考え方は継続
小学校は、身近な地域から始めて国際社会へと拡げていくという考え方を継続しつつ、グローバル化など地域社会の変化を含めた内容に見直すとしています。
中学校:地理・歴史・公民をつなぐA・B・Cの単元
中学校社会科には、各分野を有機的に結び付ける分野横断の単元を3つ設け、小学校や高等学校との接続を円滑にする方向が示されました。
- A「社会へのまなざし(仮称)」:小学校社会科の学習を踏まえ、中学校社会科への学習の動機付けを行う
- B「私たちと社会(仮称)」:地理的分野と歴史的分野の学習を踏まえ、公民的分野の学習への動機付けを行う
- C「よりよい社会を目指して(仮称)」:中学校社会科のまとめとして、解決すべき課題を考察・構想する単元に位置付け直す
AとBは各分野の既存の内容を統合・整理して設けます。分野横断のねらいを実現するため、現行の各分野の内容の一部あるいは全部を移行したうえで、各分野の内容を改善する方向です。審議まとめ自身、現行の教科書は分野別で構成されており、分野横断の内容をどう扱うか今後検討する必要があると注記しています。
地域を題材とした学習はBの単元が主な舞台に
中学校の地域調査の実施率は小学校に比べて低い状況にあります。そこで、地理的分野・歴史的分野にある地域を題材とした学習活動(地域調査を含む)を分野横断の単元として整理し、B「私たちと社会」を主たる実施単元とする方向が示されました。地域の諸課題を見通した学習課題の設定、地域人材の積極的な活用、実施時期や方法の柔軟化を挙げ、指導事例等の収集・周知は国が主体で行うとしています。
高等学校:導入単元の見直しと探究的な学びの促進
- 地理総合:大項目Aを再編し、導入単元「地理と私たち(仮称)」へ。景観観察で収集した情報をGISで可視化し、実社会とのつながりを感じられるようにする
- 地理探究:B(2)「現代世界の諸地域」を再編し、「現代世界の地誌的考察と課題の研究(仮称)」へ。世界全体を隈なく取り上げるのではなく、一定のテーマで区分した地域で課題を設定する
- 歴史総合、日本史探究、世界史探究:生徒が課題意識を問いとして表現し、教師がその問いをその後の学習で生かすことを明記する
- 公共:B・Cで扱う13の事柄や課題を10に精選し、詳細な制度の解説ではなく基本的な原理に焦点化する
- 倫理、政治・経済:扱う諸課題を社会の情勢を踏まえて見直し、「公共」との関係性をわかりやすく示す
学習指導要領と教科書の「精選」

学習指導要領の精選の例
学習指導要領は、全体として学習内容を増加させないことを前提に、重複する事項の整理や構造の見直しで精選し、「多様な子供たちの学びを確かにするための余白」を生み出すとしています。調整授業時数制度で標準を下回る時数が設定される場合も考慮します(制度は授業時数「最大15%削減」へで解説)。示された例は次のとおりです。
- 小学校第4学年「県内の特色ある地域の様子」:3つの地域を同様に取り扱っているところを、2つの地域を選択する方向
- 小学校第5学年「我が国の産業と情報との関わり」:「情報の領域」でメディアが発する情報の特性等を扱うことで、情報を活用する産業の役割の学習に重点化
- 中学校地理的分野「日本の諸地域」:考察の仕方が重複する2つの地域を関連させて、考察する地域の数を減らす方向
- 中学校歴史的分野:文化、政治、外交、社会の状況等を一体的に扱い、各時代の特色を理解できるよう整理
- 中学校公民的分野「私たちと現代社会」:情報化の影響などは情報・技術科で体系的に扱い、社会の変化や課題を考察する学習に重点化
- 高等学校:日本史探究の近現代の内容項目を上位の概念的な理解に向けて構造化・焦点化し、個別の用語の精選を図れるようにする。公共の「職業選択」と「雇用と労働問題」を「雇用と労働問題(職業選択を含む)」にまとめる
情報の領域と情報・技術科については、小学校「情報の領域」・中学校「情報・技術科」で何を学ぶのかで紹介しています。
教科書:「を」教えるから「で」教えるへ
教科書も、知識を網羅的に記載するのではなく、「統合的な理解・総合的な発揮」の獲得に必要なものに厳選し、問いを充実させることで、教科書「を」教えるから、教科書「で」教える学習への転換を進めるとしています。
- 用語の精選:入試の影響もあって用語の暗記量で評価される風潮が根強く、中学校・高等学校の教科書がそれぞれ網羅的に記載することで重複が生じ、分量を肥大化させている、と分析。「教科書等における用語等の精選方針(仮称)」に基づいて精選し、入試の改善を担保する方策も引き続き検討する
- 学校種の特性を踏まえた整理:小学校の歴史学習は人物の業績や文化遺産を通して大まかに理解する構成のため、教科書が通史的な構成とならないよう促す。中学校・高等学校は既習事項を軽重をもって扱う
- 学習上の課題(問い)の充実:学習指導要領解説で問いをベースにした記載を充実する。例として、歴史総合の解説にある「あなたは、第一次世界大戦が長期戦となり、未曾有の被害が発生したことについて、その最も大きな要因は何だと考えるか」のような明確かつ端的な問いを挙げている
- 図や資料の見直し:地図帳や資料集、デジタル学習基盤で児童生徒が自ら情報収集できることを踏まえ、掲載する写真や図の在り方を整理する。その際、教科書には信頼性の高い資料を掲載する役割があることにも留意する
用語の精選方針は、中学・高校の教科書編集に間に合うよう、令和9年(2027年)秋までに一定の方向性を示すことが求められています。あわせて、定期試験での記述式問題の出題や、高校入試・大学入試等の改善も促すとしました。
社会情勢の変化を踏まえて充実する内容
審議まとめは、実行可能性にも留意しながら、次の視点から必要な見直しを行うとしています。すでに学習指導要領等で示されている項目も含むと明記されており、全てが新しく加わる内容というわけではありません。
① グローバルな協調や競争等に関する視点
- 政治的・経済的な力関係の変化や地域紛争の動向等を含む国際情勢を、我が国との関係性を踏まえ、多面的・多角的に捉える視点
- 自然災害や防災、環境(海洋を含む)に関する内容の取扱い
- 生成AIをはじめとするデジタル技術の進展が社会にもたらす意義や影響に関する視点
- 国際社会における我が国の役割や国際協力の在り方など、国際的な枠組みの中で捉える視点
② 社会構造や国内情勢の変化に関する視点
- グローバル化の進展に伴う地域社会の変化を、身近な事象と結び付けて捉える視点
- 食や農林漁業を取り巻く状況の変化や、食料の合理的な価格形成や食料安全保障に関する内容の取扱い
- 社会制度教育の意義・役割に関する内容の位置付け、金融経済の仕組みや機能に関する理解の視点
- 自衛隊が果たしている意義・役割を踏まえた取扱い
- 領土に関する教育の発達段階に応じた取扱い
- 経済安全保障など多様な安全保障の概念や意義・役割、それに影響を与える構造の変化に関する視点
- 北朝鮮当局による拉致問題の内容の取扱い
③ その他
- アイヌに関する理解について、関係法令の趣旨を踏まえた取扱い
- こども基本法、障害者差別解消法、理解増進法等を踏まえた人権に関する内容の取扱い
- 旧優生保護法やハンセン病に関する歴史や経過、被害の実態を踏まえた正しい理解に基づく人権教育につなげるための、他教科との連携も含めた取扱い
これらの充実に際しては、研修等を通じた教師の指導力向上が必要であることも書き添えられています。
主権者教育は実践的な活動と外部連携へ
現実の政治的事象も扱い、政治的中立性を確保する
審議まとめは、児童生徒が有権者となること、または有権者であることを意識し、自らの判断で権利を行使できるよう、現実の具体的な政治的事象も取り扱い、具体的かつ実践的な指導を行う方向で見直すとしています。その指導にあたっては、国の通知等を踏まえて政治的中立性を確保することが重要だと明記しました。総合的な学習・探究の時間や特別活動と連携し、メディアリテラシーの涵養も含めて各教科を通じて育むことにも触れています。
「深める」視点と「広げる」視点
- 取組を深めていく視点:合意形成や社会参画を視野に入れた課題の設定と、模擬選挙、模擬投票、模擬議会、模擬請願などの実践的な活動。形式的な活動にとどまらず、多様な意見を交わし合ったうえで合意形成を図るなど、社会科学習としての意義を踏まえることが重要とされています
- 取組を広げていく視点:選挙管理委員会や議会事務局、NPO法人等の外部機関等との円滑な連携・協働と、特別活動や総合的な学習・探究の時間など他教科との連携強化
実施にあたっては、平成27年(2015年)10月29日の高等学校等における政治的教養の教育等に関する通知と、令和8年(2026年)4月7日の校外活動の安全確保に関する通知で示された考え方に基づく指導が重要だとし、外部機関とはこうした留意事項を事前に共有することも求めています。
調べまとめる技能・AI活用・評価の見直し
「情報の妥当性の確認」に関する技能を新たに位置付け
インターネット等で収集した情報や資料の真偽や意図、背景等を把握することがこれまで以上に求められていることから、収集した情報や読み取った情報、まとめた情報の信ぴょう性等を確認する技能を、新たに「情報の妥当性の確認」に関する技能として位置付け、「社会的事象等について調べまとめる技能」を整理・充実します。インターネット等だけでなく、図書や新聞等の活用も重要であることにも留意するとしています。
ICTは、課題を追究・解決する活動の質を高める基盤と位置付け直されます。課題把握では統計資料等の検索・活用、課題追究では根拠資料や原典資料の収集・分析と資料の共有、課題解決ではまとめレポートの作成や発表・共有が例示されています。博物館や資料館、図書館等のデジタルコンテンツを1人1台端末で活用する取組の例示も、国が整理・周知するとしています。
AIに頼った成果物が通用しない評価の工夫
社会科のAI活用は、最終的には児童生徒が自ら考え、判断し、成果物の内容を自らの言葉で説明し、自ら責任を持つという考え方が当面の基本です。最終的な評価の段階でAIに頼って自らの思考を経ていない成果物が通用しないような評価の工夫が喫緊の課題だとし、口頭試問の要素を取り入れる、GIGA端末のアンケートソフトのテストモードでブラウザ閲覧ができない環境下で自らの考えを根拠をもって記述させる、といった例を挙げています。教科を横断したAIの位置付けは全教科の学習指導要領に「AI」が入るで扱いました。
学習評価と学年区分
学習評価は全教科共通の見直しに沿い、「学びに向かう力の3要素」が思考・判断・表現の過程で継続的に発揮されたと見取れた場合に、思考・判断・表現の観点別評価に「◯」を付記する方向です。社会科等では改訂後に「見取る姿」を速やかに検討するとしています。学年区分は引き続き一定程度示しつつ、学年を超えた指導時期の前倒し・後ろ倒しを認め、生まれたまとまった時間を学び直しなどに充てられるようにする方向です。
教材づくりへの影響
用語を覚える教材から、問いと概念で考える教材へ
審議まとめは、用語の暗記量で評価される風潮と入試の影響をはっきり指摘し、定期試験での記述式問題や入試の改善も促しています。用語を一問一答で確認する問題集や網羅型の資料は、「統合的な理解」に至る問いや、概念を使って説明させる課題とどう組み合わせるかが問われていきそうです。単元を貫く「本質的な問い」から逆算して資料・発問・課題を並べる構成が、教科書にも補助教材にも求められると考えられます。
分野横断の単元と、資料の信頼性
中学校の分野横断の単元は、地理・歴史・公民を分けて並べる現行の教材構成には収まりません。ワークや問題集、資料集も、分野を結び付ける単元や地域を題材とした学習にどう対応するかが課題になります。また、「教科書には信頼性の高い資料を掲載する役割がある」と明記されたことは、資料集やデジタル教材にも、出典が明確な資料を示し、情報の真偽や意図を確かめる活動を組み込む設計を求めるものと考えられます。テストでは、資料から根拠を挙げて記述させる問題など、AIに頼った答えが通用しない評価課題の作り方が重要になります。
今後のスケジュール
審議まとめは2026年11月5日までパブリック・コメントにかけられ、2026年度冬頃の答申、2026年度末の小・中学校の改訂告示へと進む予定です。全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度、高等学校は2032年度入学生からの見込みです。社会科等では、用語の精選方針の方向性が2027年秋までに求められている点も、教材の企画時期の目安になります。改訂全体の日程は次期学習指導要領・教科書改訂スケジュールにまとめています。
よくある質問(FAQ)
中学校社会科の地理・歴史・公民の3分野はなくなるのですか?
なくなるわけではありません。示されたのは、各分野を有機的に結び付ける分野横断の単元を3つ設け、現行の各分野の内容の一部あるいは全部を移行したうえで、各分野の内容を改善する方向です。
教科書に載る用語は減るのですか?
「教科書等における用語等の精選方針(仮称)」に基づいて用語を精選する方向が示され、方針の一定の方向性は2027年秋までに示すことが求められています。審議まとめの時点では、具体的にどの用語を減らすかは示されていません。
「社会的事象や言説」とはどういう意味ですか?
新しい「見方・考え方」で社会科等が扱う「対象」です。事象に加え、事象を表象する「言説」も含めて多様な情報が存在するため、両方を対象としました。言説は思考の契機であり、事象との関係の中で扱うものとされています。
主権者教育では具体的に何をするのですか?
模擬選挙、模擬投票、模擬議会、模擬請願などの実践的な活動や、選挙管理委員会、議会事務局、NPO法人等との連携が挙げられています。現実の具体的な政治的事象も取り扱う一方、政治的中立性を確保することが重要だと明記されています。
いつから変わりますか?
全面実施は小学校が2030年度、中学校が2031年度、高等学校は2032年度入学生からの見込みです。2026年度冬頃の答申を経て、小・中学校は2026年度末に改訂告示の予定です。
まとめ
社会科等の見直しの軸は、用語を覚える学習から、問いを立てて追究し、根拠に基づいて判断する学習への転換です。中学校には3つの分野横断の単元を設けて地域を題材とした学習を位置付け、学習内容は全体として増やさずに学習指導要領の重複整理と教科書の用語の精選で余白を生む。見方・考え方の対象を「社会的事象や言説」とし、情報の妥当性を確かめる技能を新たに位置付ける。主権者教育は政治的中立性の確保を前提に、実践的な活動と外部連携で充実させる──審議まとめが描いているのは、そうした社会科の姿です。
教科書が精選されるほど、理解を広げ深める教材と、思考・判断・表現を問う評価課題の役割は大きくなります。エデュコンは、教材・テキスト制作で問いと資料を軸にした教材の企画・執筆を、模擬試験・テスト制作で資料を読み解き記述で答える問題づくりを承っています。小学校向け教材制作・中学校向け教材制作・高校向け教材制作もあわせてご覧のうえ、次期学習指導要領に向けた社会科教材・テストの見直しについて、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人 / 監修
エデュコン教材制作チーム
創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
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