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コラム

共通テスト「国語」令和8年度の評価──新課程の「実用的な文章」と、分量・難度のバランス

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高校生向け教材コラム

令和8年度(2026年1月実施)の大学入学共通テスト「国語」について、大学入試センターの問題評価・分析委員会報告書が公開されました。新しい学習指導要領(新課程)に対応した2年目の試験で、新たに加わった「実用的な文章」の大問や、試験時間に対する分量のバランスが論点になっています。本コラムでは、国語の出題の特徴を大問ごとに掘り下げ、評価のポイントと、受験生・家庭でできる対策を整理します(報告書そのもののしくみは別コラム「共通テストの問題評価・分析委員会報告書とは」で解説しています)。

令和8年度「国語」の全体像

まずは、今回の国語がどんな試験だったかを概観します。

受験者数と平均点

本試験の「国語」は約43万8千人が受験し、平均点は116.37点でした。読解の質は高く評価された一方で、試験時間に対する分量がやや多く、前年より難度が上がったとの受け止めが示されています。

5つの大問構成

出題は5つの大問で構成されました。第1問は芸術的な体験をめぐる評論、第2問は回想と現実を行き来する小説、そして第3問が新課程で重視される「書くこと」に対応した実用的な文章、第4問は平安時代の物語『うつほ物語』を題材とした古文、第5問は江戸時代の漢学者の文章を扱った漢文です。評論・小説・古文・漢文という従来の柱に、実用的な文章が加わった形です。

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注目は新課程の「実用的な文章」

今回の国語で最も特徴的だったのが、第3問の実用的な文章をめぐる出題です。

複数の資料を読み比べて「書く」

第3問は、「書くこと」の言語活動を想定した大問でした。複数の資料を読み取り、文章の構成や表現の工夫を検討する力が問われます。たとえば、ある人物の伝えたいメッセージを別の資料を参照しながら考えたり、文章を整えるために複数の資料の情報を読み比べたりする設問です。一つの文章を読んで終わりではなく、資料同士を関連づけ、目的に応じて情報を取捨選択する――新課程が掲げる学びの方向性が、はっきりと表れた出題といえます。

評価された点と、指摘された課題

複数の資料を読み取って思考するという出題の意図は歓迎された一方で、選択肢の数が多く解答に時間を要したこと、大問全体として文章量が多く思考の負荷が大きかったことが課題として挙げられました。配点(20点)に見合うよう、素材の配置や設問、時間配分の工夫を求める声も示されています。新しい問い方であるほど、限られた時間で力を発揮できるかが次の論点になります。

評論・小説・古文・漢文の評価

実用的な文章が注目される一方で、従来からの4つの柱も、それぞれに練られた良問だったと評価されています。

評論・小説(第1問・第2問)

第1問の評論は、芸術的な体験に通じる「言語化できない美しさ」を論理的に展開する文章で、筆者の論旨を的確に読み取る力を問う適切な素材文・設問だったと評価されました。第2問の小説は、少年時代の記憶と現在を行き来する構成で人物の心情を描いた文章で、傍線部の前後から心情を的確に読み取る設問が並びます。本文に即して「作品を制作するということ」への筆者の理解を問う設問は、探究的な学びにつながる良問とされました。

古文・漢文(第4問・第5問)

第4問の古文は、平安時代の物語『うつほ物語』からの出題で、人物関係図や注を手がかりに古文を的確に読み取る力が問われました。文語のきまりの知識を使う設問がある一方、断片的な知識だけで解ける設問も見られ、「言語文化」の学習範囲に見合った出題の検討が引き続き必要との指摘もありました。第5問の漢文は、江戸時代の漢学者の文章を素材に、訓読のきまりをもとに文脈を踏まえて読み取る力を問う適切な問題と評価されています。

評価のポイント

読解そのものの質は高く評価

各大問とも、傍線部の前後や文脈に即して内容を的確に読み取る力を問う適切な設問が多いと評価されました。単なる知識の暗記ではなく、文章に即して考える設計が一貫しています。

課題は「分量と時間」のバランス

全体として、90分という試験時間に対して分量がやや多く、速読や素早い情報処理に偏らないよう配慮が必要だと指摘されました。良問であっても、時間内に落ち着いて取り組めるかどうかは別の問題です。受験者が学習の成果を十分に発揮できる分量設計が、今後の課題として共有されています。

知識問題のバランス

第1問では、漢字・熟語の知識を問う設問のうち正答率が9割を超えるものが複数あったことが課題として挙げられました。語彙の側面から判断させる問いなど、知識を文脈の中で活用させる出題への期待も示されています。

受験生・家庭でできる対策

速読より「目的を持った読み」

国語で求められているのは、ただ速く読む力ではなく、「何のために読むのか」を意識した読みです。設問が何を問うているかを先に押さえ、必要な情報を文章や資料から的確に取り出す練習が効果的です。

複数の資料を関連づける練習

実用的な文章の対策としては、図表や複数の資料がある教材で、「この資料とあの資料はどうつながるか」を考える習慣が役立ちます。新聞や説明文を読むときに、要点を自分の言葉で整理してみるのもよい訓練になります。

古典は「知識」と「文脈」の両輪で

古文・漢文は、文法や句法の基礎知識を固めたうえで、前後の文脈から意味を判断する力が問われます。単語や文法を覚えるだけでなく、実際の文章の中でその知識を使う経験を積むことが、安定した得点につながります。

時間配分を意識した演習

分量が多い試験では、時間配分そのものが実力のうちです。本番と同じ90分で大問5つを解き切る練習を重ね、どの大問にどれだけ時間をかけるかの感覚を養っておくと、当日あわてずに済みます。

まとめ

令和8年度の共通テスト「国語」は、評論・小説・古文・漢文という柱に、新課程の「実用的な文章」が加わり、複数の資料を関連づけて考える力がいっそう問われました。読解の質は高く評価された一方で、分量と時間のバランスが課題として残ります。対策の軸は、速読ではなく「目的を持った読み」と「資料を関連づける力」、そして時間配分の感覚です。エデュコンは、こうした新しい学びの方向性を支える教材づくりに取り組んでいきます。

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この記事を書いた人 / 監修

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創業以来、500社以上の教育機関様の教材制作を支援。
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