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デジタル教科書はいつから?
正式導入までのスケジュール

2026年6月の法改正で、デジタル教科書が正式な「教科書」になりました。
いつから使われるのか、紙とどう選ぶのか、検定・採択はどう変わるのか——文部科学省の資料をもとに時系列で整理します。

このページでわかること

  • デジタル教科書が正式な教科書として使われ始めるのはいつからか
  • これまでの位置づけ(2019年から「併用できる教材」として使われてきた経緯)
  • 法改正から使用開始までの年度別スケジュール
  • 紙・デジタル・ハイブリッドの3形態と、誰がどう選ぶのか
  • 検定・採択の何が変わり、教材制作にどう影響するのか

結論 — 小学校2030年度から順次

デジタル教科書が正式な教科書として使われ始めるのは、
次期学習指導要領の実施にあわせて小学校2030年度から

中学校は2031年度、高校は2032年度入学生から順次の見通しです

2026年6月10日、「学校教育法等の一部を改正する法律案」が参議院本会議で可決・成立しました。これにより、これまで紙だけが認められていた教科書に動画や音声などを組み込むことが可能になり、デジタルな形態を含むものも「教科書」として位置づけられ、使用義務・検定・採択・無償給与等の対象になります。

ただし、制度が変わってすぐに教室で使われるわけではありません。教科書は著作・編集 → 検定 → 採択 → 使用開始という工程を経るため、実際に子どもたちの手元に届くのは次期学習指導要領の実施と同じタイミングになります。それまでの間は、これまでどおり紙の教科書を主たる教材としながら併用する「教材」としてのデジタル教科書の配布・活用が続きます。

「紙が全部デジタルになる」わけではない

法案の閣議決定にあたり、松本洋平文部科学大臣は「紙の教科書を一律にすべてデジタルな形式の教科書に切り替えていく考えではありません」と明言しています。制度の目的はデジタル化そのものではなく、紙とデジタルそれぞれの良さを生かした教科書づくりを可能にすることです。

デジタル教科書が正式な教科書になるまでのスケジュール概略図(2019年の制度化から2026年法改正、2030年度の使用開始まで)

これまで — 紙が主、
デジタルは「併用できる教材」

デジタル教科書は2026年に突然登場したわけではありません。2019年4月にはすでに制度化されており、学校で使われています。ただしその位置づけは教科書そのものではなく、文部科学省の説明では「紙の教科書の内容の全部をそのまま記録した電磁的記録である教材」紙の教科書を主たる教材として使用しながら、必要に応じて併用する——つまり補助的な立ち位置でした。

2026年の法改正が大きな転換点なのは、この「教材」から「教科書」そのものへ位置づけが変わるからです。検定・採択・無償給与の対象になり、教科書として使用義務の対象にもなります。

デジタル教科書のこれまでの歩み

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時期できごと位置づけ
2019年4月学校教育法等の改正により学習者用デジタル教科書が制度化。紙の教科書に代えて使用できるようになる教材(併用)
2021年4月使用を「各教科等の授業時数の2分の1未満」とする基準を撤廃(2021年3月26日公布)。使える時間の制限がなくなる教材(併用)
2024年度全国すべての小中学校等を対象に段階的な導入が始まる(英語などから)教材(併用)
2026年6月法改正が成立。デジタルな形態を含むものも「教科書」に教科書へ

※ 文部科学省「学習者用デジタル教科書について」「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」(2018年12月・2021年3月改訂)をもとに作成。

いま学校にあるデジタル教科書はどうなる?

新制度の教科書が使われ始めるまでの間は、これまでどおり「教材」としてのデジタル教科書の配布・活用が続きます。2030年度に切り替わるのは「正式な教科書としてのデジタル教科書」で、いま使われているものが急になくなるわけではありません。

法改正から使用開始までの流れ

デジタル教科書 制度化スケジュール(年度別・予定)

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時期できごと状態
2025年9月中教審 デジタル教科書推進ワーキンググループが「審議まとめ」を公表完了
2026年4月法律案を閣議決定(4月7日)/「発行・採択等の指針に関する検討会議」が開始(4月10日)完了
2026年6月学校教育法等の一部を改正する法律が成立(6月10日)成立済み
2026年秋頃発行・採択等の指針をとりまとめ(検討会議)進行中
2027年度改正法の施行/大臣指針・検定基準の策定。教科書会社が著作・編集を開始予定
2028年度検定(次期学習指導要領に対応した教科書)予定
2029年度採択(教育委員会・学校が形態を含めて選ぶ)・供給予定
2030年度小学校で使用開始(中学校2031年度・高校2032年度入学生から)使用開始

※ 文部科学省の発表資料・中教審の審議まとめ、および教科書の工程(学習指導要領等の改訂に関するスケジュール〈イメージ〉2026年7月8日)をもとに作成。改正法の施行期日は本稿執筆時点で一次資料での確認ができておらず、報道では2027年4月の施行を目指すとされています。今後変更の可能性があります。

制度として何が変わるのか

① 「代替教材」から「教科書」へ

これまでのデジタル教科書は、法律上は教科書ではなく「教材」で、紙の教科書を主たる教材としながら必要に応じて併用するものでした。改正後は、デジタルな形態を含むものも教科書として使用義務・検定・採択・無償給与の対象になります。

② 検定の対象が広がる

現在はQRコード先のデジタルコンテンツは「教材」扱いで検定の対象外ですが、制度改正後は教科書の内容として検定の対象になります。動画・音声も含めて国が質を担保する形です。

③ 紙・デジタル・ハイブリッドの3形態

新制度では紙のみ/デジタルのみ/紙とデジタルで構成するハイブリッドの3形態が正式な教科書として認められます。どれを使うかは採択の場(教育委員会など)で選ぶことが想定されています。

なお、2026年8月の検討会議では、発行者に3形態すべてを同一内容で作らせることは求めず、発行者が適切な形態を判断して制作する方向が示されました。あわせて、採択のための調査の範囲を「教科書」に限定し、「教科書以外の教材」との区分を明確にすることや、各教科書のデジタル機能を一覧化して採択の参考資料にすることなど、発行・採択の負担軽減が論点になっています。

2030年度は「3つの変化」が同時に来る

01
CHANGE

新しい学習指導要領

次期学習指導要領が小学校で全面実施。中学校は2031年度、高校は2032年度入学生から順次です。

02
CHANGE

新しい教科書

新課程に対応した教科書の使用が始まります。その前に2028年度(小)・2029年度(中)に現行課程のままの改訂も入ります。

03
CHANGE

デジタル教科書の正式導入

紙・デジタル・ハイブリッドの3形態から選ぶ運用が始まります。デジタル部分も検定の対象です。

教材制作の計画は「2027年度」から動き出す

使用開始は2030年度でも、教科書会社の著作・編集は2027年度に始まります。準拠教材・問題集・映像・デジタルコンテンツの制作計画も、そこから逆算して動き出す必要があります。学習指導要領そのもののスケジュールは「次期学習指導要領・教科書改訂はいつから?」で校種別に整理しています。

教材制作への影響

  • 動画・音声が「教科書の中身」になる 英語のネイティブ音声や理科の実験動画などを教科書の一部として掲載できます。制作段階から映像・音声の企画が必要になります
  • 検定を通る品質が求められる これまで「教材」だったQRコード先のコンテンツも検定の対象に。表記・内容の正確さの管理範囲が広がります
  • 形態ごとの版管理 紙・デジタル・ハイブリッドで内容や見せ方が変わりうるため、原稿・図版・データの管理設計が重要になります
  • デジタルならではの表示設計 一部だけを順に見せるなど、画面で学ぶことを前提にした構成・オーサリングの設計が必要です

エデュコンは、教科書出版社から継続的にご依頼をいただくデジタル教科書・教材のオーサリング制作をはじめ、デジタル教材の制作映像コンテンツ制作英語リスニング音源の収録まで、教科書に組み込む素材を一貫して制作できます。制度移行期の体制づくりの段階からご相談ください。

よくある質問8 問

A

次期学習指導要領の実施にあわせて、小学校は2030年度から順次使用開始の見通しです。中学校は2031年度、高校は2032年度の入学生から順次となります。制度改正後もすぐに切り替わるわけではなく、著作・編集(2027年度)→検定(2028年度)→採択(2029年度)という工程を経て教室に届きます。

A

使われています。2019年4月に学習者用デジタル教科書が制度化され、紙の教科書を主たる教材としながら必要に応じて併用できるようになりました。当初あった「各教科等の授業時数の2分の1未満」という使用の基準も2021年4月に撤廃されています。2024年度からは全国の小中学校等を対象に段階的な導入が進んでいます。ただし法律上の位置づけは「教科書」ではなく「教材」で、2026年の法改正でここが変わります。

A

新制度の教科書が使われ始めるまでの間は、これまでと同様に「教材」としてのデジタル教科書の配布・活用が継続されます。

A

なくなりません。松本洋平文部科学大臣は「紙の教科書を一律にすべてデジタルな形式の教科書に切り替えていく考えではありません」と明言しています。新制度では紙のみ・デジタルのみ・ハイブリッドの3形態が認められます。

A

教科書の採択は、公立学校では市区町村や都道府県の教育委員会が行います。デジタルを含む形態の選択も採択の場で判断されることが想定されており、その判断に資する国の指針が2026年秋頃を目標に検討されています。

A

はい。現在はQRコード先のデジタルコンテンツは「教材」扱いで検定の対象外ですが、制度改正後は教科書の内容として検定の対象とすることで質の担保を図るとされています。

A

デジタルな形態を含むものも「教科書」として位置づけられ、使用義務や検定・採択・無償給与等の対象になります。

A

教科書会社の著作・編集が2027年度に始まるため、準拠教材や関連コンテンツの制作計画もそこから逆算して動きます。映像・音声・デジタルコンテンツを含む体制づくりには時間がかかるため、早い段階でのご相談をおすすめします。

出典(すべて一次情報)

最終更新: 2026年8月19日。制度は検討途中の部分を含み、今後変更の可能性があります。施行期日・指針の確定・検定基準の策定など、続報のたびに本ページを更新します。

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