「生成AIと教育」の記事一覧
生成AIと教育に関するコラムをまとめたテーマ。文部科学省のガイドラインとパイロット校、教育特化型AIアプリの開発、次期学習指導要領へのAIの明記、AI家庭教師、教材制作で生成AIをどう使い、人が何を担うかを解説します。
CHAPTER 01国の方針と学校の活用
ガイドラインから実証まで
学校の生成AI活用、国はどこまで進んだ?──文科省ガイドラインとパイロット校の最新動向(2026年6月)
2026年6月、中央教育審議会の会議で、学校教育における生成AIの活用について「これまでの取組と今後の方向性」をまとめた資料が示されました。ここ数年で急速に広がった学校現場の生成AI活用について、国がどんな考え方で、どこまで進めてきたのかが一望できる内容です。本コラムでは、その全体像をやさしく整理したうえで、教材・問題づくりの現場から見た論点まで掘り下げます。
文科省が「教育特化型AIアプリ」を自ら開発へ──2027年度の実証研究と、その土台にあるもの
文部科学省が、教育分野に特化したAIアプリを自ら開発する方針だと報じられました(朝日新聞・2026年8月22日)。2027年度中の実証研究をめざし、開発費や学校の情報セキュリティ強化の費用を2027年度予算の概算要求に盛り込むとされています。特徴は、学習指導要領や教科書のデータを参照させて誤情報を防ぎ、正解ではなく「考える上でのヒント」を返す設計だという点です。本コラムでは、教材・問題制作の現場の視点から、この構想の中身と、その足元にある一次資料を整理します。
全教科の学習指導要領に「AI」が入る──審議まとめ素案が示した、教材づくりの新しい前提
2026年8月31日、中央教育審議会の教育課程企画特別部会に、次期学習指導要領に向けた「審議まとめ(素案)」が示されました。報道では「全ての教科でAIがもたらす影響を加味した記述が盛り込まれた」と伝えられています。ただ、素案そのものを読むと、AIの扱いはもう少し込み入っています。全教科に書かれたことは事実ですが、肝心の「どう使うか」は、あえて学習指導要領の外側に置かれました。本コラムでは、教材・問題制作の現場の視点から、素案の記述をたどりながらその設計を整理します。
生成AIが「AI家庭教師」に──Geminiの新機能に見る、AIを学びに生かすポイントと注意点
ノートを撮ってアップロードするだけで、AIが弱点を診断し、自分専用のミニ授業や練習問題まで作ってくれる――。Googleが対話型AI「Gemini」に学習支援機能「Study Notebooks」を導入し、いわゆる「AI家庭教師」が現実のものになりつつあります。本コラムでは、この機能を入り口に、生成AIを学びに生かすためのポイントと注意点を、教材制作の視点を交えて整理します。
CHAPTER 02教材制作とAI
使いどころと、人が担う品質
教材制作に生成AIをどう活かす?──下書き・作問・校正の“支援”と、人が担う品質
生成AIの登場で、教材制作の現場でもAIをどう使うかが話題になっています。うまく使えば下書きや作業を効率化できますが、そのまま教材にできるわけではありません。本コラムでは、教材・問題制作の現場(作り手側)の視点から、生成AIが役立つ場面と気をつけること、そして「最後は人が品質を担保する」という原則を整理します。
教材が「AIに読まれるデータ」になる──概算要求92億円のデータ整備と、学習ログの共通ルール「xAPI Japan Profile」
2026年10月1日、中央教育審議会の特別委員会で、9月に公表された令和9年度(2027年度)概算要求のうち「教育分野に必要な基盤的なデータ整備」(92億円)が報告されました。学習指導要領やその解説などのデータを構造化・機械可読化し、教科書などのデータも整備してAIでの利活用を進める事業です。同じ頃、文部科学省は「xAPI Japan Profile」の意見募集を始めています(10月30日まで)。デジタル教材やCBT(コンピュータを使ったテスト)、ドリルが出力する学習ログの書き方を、事業者の間でそろえるための共通ルールの案です。前者は教材の「中身」を、後者は教材を使った「記録」の形式を、それぞれ機械が扱いやすい形に整える取り組みといえます。本コラムでは、一次資料をたどりながら、教材をつくる側に何が求められていくのかを整理します。
人工知能学会の提言を読む──「国語・算数を削って情報を増やす」は誤解なのか。授業時数の再編と教科間連携
2026年10月13日、人工知能学会が「次期学習指導要領策定に向けた提言〜情報教育の質的転換とAI時代におけるリテラシー育成の推進〜」を公表しました。中央教育審議会の審議まとめが示した、小学校の「情報の領域」と中学校の「情報・技術科」の新設、そのための時数を各教科から「一律3〜4%程度」減らして確保するという方向について、学会として評価と注文を述べたものです。9月下旬に時数の削減案が報じられると、SNSなどでは「国語や数学を削ってAIを教えるのか」という反発が広がりました。提言はこれに対して、「単に情報のために国語や算数・数学の授業時間を削るべきではない、といった議論は、今回示されている方向性を誤認した指摘」とはっきり書いています。本コラムでは、1ページの提言本文を5つの柱に沿って読み、時数が実際にどれくらい動くのかを試算したうえで、教材づくりに何が求められるかを整理します。












