「中学生向け教材コラム」の記事一覧
「外来語の表記」が35年ぶりの見直しへ──文化庁の論点整理と国語世論調査から考える、教材の表記ルールの決め方
「サステナブル」か「サステイナブル」か。「ウイルス」か「ウィルス」か。教材や教科書の原稿を揃えるとき、必ず一度は立ち止まる外来語の表記。その拠り所になってきたのが、1991年(平成3年)の内閣告示「外来語の表記」です。この告示について、文化庁の文化審議会国語分科会に設けられた外来語小委員会が、2026年4月から見直しの検討を進めています。9月18日の第4回会合では「外来語の表記に関するこれまでの論点(案)」が示され、10月23日には第5回会合が開かれます。一方、10月2日に文化庁が公表した令和7年度「国語に関する世論調査」には、8組の外来語について「どちらの書き方にするか」を尋ねた結果が載っています。1991年の制定以来、告示の本格的な見直しは初めてです。本コラムでは、これらの一次資料を読みながら、教材づくりの現場で外来語の表記ルールをどう決め、どう守るかを整理します。
職業を見学・体験した小学生は70.3%から42.9%に──国研「キャリア教育に関する総合的研究」第二次報告書が映す、体験活動とキャリア・パスポートの現在地
国立教育政策研究所の生徒指導・進路指導研究センターは、おおむね7年に1度、全国の小・中・高等学校を対象に「キャリア教育に関する総合的研究」を実施しています。2026年10月19日、令和7年度に実施した調査の第二次報告書が公表されました。2026年1月の第一次報告書が設問ごとの結果の整理だったのに対し、第二次報告書は校種間・調査間のクロス集計と、キャリア教育の「推進校」の分析に踏み込んでいます。職業を見学・体験した小学生の割合が27.4ポイント下がったこと、キャリア・パスポートを対話に使っている教員が2割に届かないことなど、体験活動と記録の「現在地」を示す数字が並びます。本コラムでは、報告書の報道発表資料と概要版に沿って主な結果を読み、キャリア教育の教材と運用を考える視点を整理します。
教科書は「精選」の時代へ──約50年で約3倍になったページ数と、検定基準の見直しで変わる教科書づくり
2026年10月13日、朝日新聞が「教科書ページ数、約70年ぶりに上限設定へ」と報じました。ただ、同じ日の教科用図書検定調査審議会の配付資料を読むと、ページ数の上限は「目安を示すなどの必要性について、どのように考えるか」という問いかけの段階で、決まった方針ではありません。一方で、その問いの背景にある「教科書の精選」は、10月5日に取りまとめられた次期学習指導要領の「審議まとめ」に、はっきりと書き込まれています。本コラムでは、教科書づくりの現場の視点から、次の教科書改訂で何が問われようとしているのかを、一次資料に沿って整理します。
小学校に「専科免許」を新設へ──算数・理科のスペシャリストと全科担任の“チーム”構想
小学校の教員免許に「専科免許」を新設する方針が、中央教育審議会の資料で示されました。いまの小学校教員は全10教科を教える前提ですが、算数・理科など特定の教科を担う免許をつくり、全科の担任(ジェネラリスト)と教科の専門家(スペシャリスト)がチームを組むという構想です。本コラムでは、教材・問題制作の現場の視点から、実際の資料の記述をたどりながら中身を整理します。
正答率39.3%の隣にいる35.1%——全国学力調査の「誤答分析」が映す“あと一文”の壁
令和8年8月3日、文部科学省と国立教育政策研究所から 令和8年度 全国学力・学習状況調査の「結果(概要)」(結果公表②)が公表されました。7月の公表が「何%できたか」を示す資料だったのに対し、今回の資料には 正答の条件・正答例・誤答例と、その誤答が何%いたか までが載っています。読み込んでいくと、平均正答率からは決して見えなかった層が浮かび上がります。中学校国語の記述式問題は正答率39.3%ですが、そのすぐ隣に「条件①は満たしているが、条件②を満たしていない」答案が35.1%いるのです。白紙でもなく、的外れでもない。あと一文で正答になったはずの答案が、正答とほぼ同じ数だけ存在する——本コラムでは、この“惜しい答案”の正体を誤答分析から読み解きます。
「選択式は解ける、でも書けない」——全国学力調査の問題別結果から見える記述式の壁
令和8年度 全国学力・学習状況調査では、平均正答率などの全体結果とあわせて、一問ごとの正答率を収録した「問題別調査結果」が公表されています。この資料を小学校・中学校、教科横断で読み込むと、平均点からは見えないパターンが浮かび上がります。選択式なら7割解けるのに、自分の言葉で説明する問題になると4割台まで落ち、無解答が激増する。一方で、同じ記述式でも9割の生徒が書けた問題も存在します。この差はどこから来るのか——本コラムでは問題別データを具体的に読み解き、「記述式の壁」の正体と、教材づくりで何ができるかを考えます。
「総合的な学習の時間」とは?小中も「探究」へ──名称統一が示す、これからの学び
2026年10月5日、中央教育審議会(中教審)の教育課程部会がまとめた「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」は、小学校・中学校の「総合的な学習の時間」を、高校と同じ「総合的な探究の時間」に変更することが適当としました。単なる呼び名の変更にとどまらない、これからの学びの方向性を映す動きです。本コラムでは、まず「総合的な学習の時間」とはどんな時間なのかを整理したうえで、教育・教材制作の現場の視点から、名称統一の意味をやさしく読み解きます。
学校の生成AI活用、国はどこまで進んだ?──文科省ガイドラインとパイロット校の最新動向(2026年6月)
2026年6月、中央教育審議会の会議で、学校教育における生成AIの活用について「これまでの取組と今後の方向性」をまとめた資料が示されました。ここ数年で急速に広がった学校現場の生成AI活用について、国がどんな考え方で、どこまで進めてきたのかが一望できる内容です。本コラムでは、その全体像をやさしく整理したうえで、教材・問題づくりの現場から見た論点まで掘り下げます。
小学校の「算数」名称は維持へ──「数学」統一案の見送りから考える、算数と数学のつながり
文部科学省が、小学校の「算数」を「数学」に統一する案を見送り、現在の「算数」という名称を維持する方針を決めました。次期学習指導要領(2030年度実施予定)の改訂をめぐる議論の一つで、教育現場などから「指導上の混乱を招く」といった意見が多く寄せられたことが背景にあります。本コラムでは、この決定を入り口に、そもそも「算数」と「数学」は何が違うのか、小学校から中学校への学びのつながりと家庭でできることを整理します。
生成AIが「AI家庭教師」に──Geminiの新機能に見る、AIを学びに生かすポイントと注意点
ノートを撮ってアップロードするだけで、AIが弱点を診断し、自分専用のミニ授業や練習問題まで作ってくれる――。Googleが対話型AI「Gemini」に学習支援機能「Study Notebooks」を導入し、いわゆる「AI家庭教師」が現実のものになりつつあります。本コラムでは、この機能を入り口に、生成AIを学びに生かすためのポイントと注意点を、教材制作の視点を交えて整理します。
デジタル教科書の「効果」は?──文部科学省の大規模実証研究でわかったこと
デジタル教科書は、実際のところ学びにどんな効果があるのか――。文部科学省が令和7年度の実証研究事業の成果を公表し、全国の小・中学校を対象とした大規模アンケートの結果から、その効果と課題が数字で見えてきました。本コラムでは、調査からわかった主なポイントを、教材制作の視点も交えて整理します。
デジタル教科書が正式な「教科書」に──2026年法改正のポイントと教育現場・教材制作への影響を徹底解説
2026年6月、学校教育法などの改正により、デジタル教科書が紙と同等の「正式な教科書」として位置づけられることが決まりました。これまで授業で使える「代替教材」という扱いだったデジタル教科書が、制度の中心に入る大きな転換点です。1人1台端末の整備が一巡し、学びの道具が紙から画面へと広がるなかで、「教科書とは何か」という前提そのものが見直されようとしています。本コラムでは、改正の要点をかみくだいて整理したうえで、用語の基礎から、メリットと課題、教科別の活用イメージ、そして教育現場・家庭・教材制作のそれぞれの視点まで、いま押さえておきたいポイントを徹底的に掘り下げます。少し長い記事ですが、目次から気になるところへ飛んで読んでいただいても構いません。

















